2017年05月31日

Delta-T (デルタティー) 社製の土壌水分センサーのメンテナンス

Delta-T (デルタティー) 社製の土壌水分センサーのメンテナンス
対象機種ML1, ML2x, ML3, SM300, SM150, SM150T

Delta-Tの土壌水分センサーとは、20年ほど前ML1から始まり、現在も世界中で、特にリサーチユースの方面で愛用されているわけですが、購入から10年以上ずっと使い続けていらっしゃる方も多く、極端な例では18年以上使っている方もたまにいらっしゃることも見受けられる製品です。

長期間使い続けている方の多くは、弊社に数年に一回メンテに出してくださることが多く、この場合修理、校正という内容を含むことが多いのですが、一方で修理というわけでもなくメンテナンスで完了することも多々あります。このメンテナンス部分に限っていえば、ユーザー自身で実施できる可能性が高く、しかしユーザーの性格、技量によっては不可能な内容でもあり、方法をお教えするかどうかは悩ましいところでした。

人によっては「メンテナンスしなければいけないのか?」と解釈する方もいらっしゃいますが、「メンテナンスが出来るのはいいね」と解釈する方もいらっしゃるわけで、ここは設計段階からの思想の違いですから、前者の方はそもそもこういう設計思想のセンサーは買わないほうが良く、使い捨てを買うほうが良いでしょう。

今回は、このメンテナンス部分のみをユーザー自身で実施して頂く為の情報を開示します。写真と説明を良く見て、理解して、じっくりと取り組んでいただくときっと成功します。コレ読んで全く無理そうって感じた方は、やらないほうが無難です。弊社に送って有償で実施してください。

<1.メンテナンスの周期>
ずっと使い続けている、つまりずっと地面に埋めっぱなしの個体の場合で2年に一回、時間があれば1年に一回実施する程度の頻度で構いません。

<2.分解前に>
センサーを流水やバケツの中でたわしを使い良く洗浄してください。コネクタに水が入っても構いません。洗浄後、エアダスターやコンプレッサーからの圧縮空気でエアガンを使うなどの方法で十分水分を飛ばしてください。

<3.使用する道具と消耗品>
以下の道具を準備してください。
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対辺2.5mmマイナスドライバ
対辺5mmマイナスドライバ
No.1プラスドライバ
はさみ
温度計(60度近辺が計測できれば十分。精度はだいたいでOK)
1L程度のビーカー(たらいでも可)
水とやかん
ブレーキパーツクリーナー
バキュームグリス
キムワイプS-200
エアダスターもしくはエアガン
お茶パック(100均ので十分)
シリカゲル(B型、できれば全インジケータ)
ヒートシーラー(これだけはなくてもなんとかなる)

<4.分解>
筐体のニードル側にネジが3本あります。これを全部抜いてください。
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対辺2.5mmマイナスドライバを隙間に差込み、回転させますと1mm程度の隙間が出来ます。
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この隙間に対辺5mmマイナスドライバを差込み、ドライバをひねり、2mm程度の隙間を作ります。この2mm程度の隙間を全周にわたって3〜4箇所作っていきます。そうするとあるときスコッと抜けます。基板とコネクタはケーブルで結合されており、引っ張った勢いでケーブルを破損してしまうことがあるので、勢いが付かない程度にゆっくり引っ張り出してください。
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中身は基板、プラスチックのプレート、シリカゲル、Oリングが入っています。Oリングの取り扱いは特に注意します。Oリングを外すときに爪を使ってはいけません。指の腹で傷をつけないように配慮しつつ、抜いてください。
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<5.お茶パックを使ったシリカゲルバッグの工作>
分解して出てきたシリカゲルの大きさとだいたい同じ程度のバッグを自作します。お茶パックをはさみで切り、ヒートシーラーで成型して作成してください。ヒートシーラーを持ってない場合はお茶パックに新しいシリカゲルを入れ、くるっと巻いておくだけでもいいでしょう。ようはシリカゲルがセンサーの中で暴れなければそれでいいです。シリカゲルは5g入れてください。全インジケーターのシリカゲルを使う理由は次回のメンテの準備です。どの程度シリカゲルが吸湿してしまったかの判断が次回以降可能になります。
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<6.メンテナンスその1 清掃>
Oリングが勘合する箇所を特に入念に清掃します。パーツクリーナーをキムワイプに吹きつけ、筐体が勘合する付近つまり筒側とニードル側の両方を満遍なく1周きれいに清掃します。
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<7.メンテナンスその2 Oリングの清掃とグリース塗布>
外したOリングは通常ホコリや泥が付着しています。6で使ったキムワイプ+パーツクリーナーで良くふき取ってください。その後バキュームグリスを満遍なく塗布してください。多いかな?と思うほどの塗布がよいです。

<8. メンテナンスその3 Oリングのねじれ取り>
Oリングをニードル側の筐体へ装着しますが、このとき筐体にOリングをくぐらせるわけですから、多くの場合Oリングがねじれてしまいます。そのねじれは密閉性に影響するので、ねじれを解消します。バキュームグリスで滑り易くなっているため若干難しいですが、親指と人差し指の腹でOリングを強くつまんでOリングに緩みを与えてください。どうしても指の力が弱い人はキムワイプ越しにつまむと滑り止めになって良いでしょう。この動作を角度30度おき程度にOリング全周にわたって実施してください。滑り止めキムワイプを使った場合は最後にバキュームグリスを全周に塗布しなおしてください。
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<9. メンテナンスその4 組み立て>
ここからは分解の逆手順です。基板、プラスチックのプレート、シリカゲルの順番で重ねましょう。プラスチックのプレートは基板とシリカゲルを接触させない役割です。
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お茶パックの余白がOリングにかからないように注意しつつ、筐体のポッチ、これが位置マークなんですが、ポッチが合う場所に押し込んでください。
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ぎゅっと押し込むとさほど力は必要なく押し込まれますが、このときOリングで密閉していますから筐体内部の空気は圧縮されており、押し戻そうとする力を感じるはずです。
その力に負けないように勘合を保ちつつ、ネジを固定していきます。ネジは斜めにならないようにかつ、締めすぎないように注意してください。むやみに締めすぎると筐体のプラスチックが破損することがあります。
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<10. メンテナンスその5 密閉の検査>
水とやかん、温度計を準備してもらったのはこのためです。約60度のお湯を準備してください。65度くらいに暖めたお湯をビーカーなり洗面器なりに投入し、多少もたもたしていると60度程度になります。温度計を使って確認しましょう。

そのお湯にセンサーを丸ごと漬け込んでください。投入から1分未満の間に筐体の勘合部分から気泡が5個未満程度は出ることがありますが、その後気泡が出なくなり投入から2分間ほど気泡が出なければ合格です。気泡が出続ける、たまに出てくるという場合は失敗です。
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出続ける場合、6に戻ってください。
たまに出る場合、8に戻ってください。

<11. メンテナンスその6 乾燥>
10で検査を終えましたらブロワーで水を飛ばします。特にコネクタのピン周辺は入念に水を飛ばしてください。その後1時間も放置すれば乾燥します。
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<セルフメンテナンス>
このメンテナンスを慣れない方が10個もやるとさぞお疲れだと思います。特に10で振り出しに戻る作業になったらなおのことです。弊社にメンテのみを依頼した場合、状態によりますけど、3000〜5000円/本程度にはなります。その分の仕事をしたわけですから、多少は自分のメンテナンスにお金を使いましょう。うまい飯でも食べて良く寝てください。

日本環境計測国産部門担当HK
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2016年03月30日

森林学会2016

親方の僕は参加できず、というのも年度末ぎりぎりというスケジュールでの学会でしたので、やむなく不参加。弊社営業のみの参加となりましたが、おなじみの客様、お初のお客様、ともに多くの訪問を受けたこと、ありがとうございました。

新商品ということで、本ブログで先に紹介したデンドロメーターの見学、現物確認が多かったということで、間に合って良かったなあと思いました。そもそも、デンドロの存在意義をあまり重要視してなかったなあという反省があり、しかし考えてみると、少ない労力で、植生の成長速度に直接的に関与するパラメータの計測が可能というパターンは案外少ないので、そりゃ、有効だなあと理解してきました。

特に今回のデンドロは電気式の中で知る限りで世界最安値なので、多くの方が計測するきっかけになれたらいいなあと思います。

来場くださった皆様、重ねてお礼申し上げます。

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写真には左にちょこっとしか写ってないですけど、今回、CS特機に軒先を貸しておりました。札幌の会社ですが、社長とは気が会うので仲良しなんです。ツクリモンに対応する理化学機器関係の会社って全国的に極めて少数なので、ということが大きいです。まあ、弱小がいくら寄り集まってもねえということは確かにありますが、互いに遊び相手ということで。

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2016年03月28日

デンドロメーター MIJ-02弐型

デンドロメーター MIJ-02弐型

昔々、ストロークが150mmもあるデンドロメータを作った経験があります。振り返るとこのときは若かった。リニアエンコーダの全長が200mmほどあり、それを全部防水ケースに入れてしまう必要があり、エンコーダそのものにはバネの機能が無いので、外付けで装備、ワイヤーをエンコーダに固定、ワイヤーを反転する必要が出てプーリを装備、空いた隙間が広大だったのでデータロガーを内臓、エンコーダがシリアル出力しかなかったので、DA変換基盤を装備。スペックシートはすばらしかったけど、実際、そこそこの大きさの箱になるので、樹幹に装着する手間がとても大変というシロモノでした。2009年ごろのお話。

話は飛び、2016年2月末(つまり先月)に、とあるお客様からの要望の連絡が入りました。予算はこれだけ、必要なデンドロメーターの数はこれだけ、分解能は1μmは最低でも欲しいね。でも測定レンジ20mmは確保してね。おっと、ついでにロガーも欲しい。最初から解っているのは、この予算でこの数だと、簡単な掛け算と足し算の結果、輸入品のデンドロでは購入は明確に絶望的なんだけど・・・。値段はともかく、そもそもレンジが11mmしかないわけで用を足さない。オプション指定したとしても15mmなんだから、だめよあれは。だいたい装着するのがとっても難しいわけでさ、なんであんな構造にするんだろうねえ。ワイヤーの巻き方、あれ、なんとかならんの?幾何学的な誤差も気になるじゃないの。

問題はいつの間にかすり替わり、買えない物に多くのケチをつける方向に行ってしまってます。通常なら、よくぞここまで言いたい放題言ってくれるでないの。この時期に。知るかそんな話、頭冷やせ。だいたいあれは輸入品だし、僕が作ったものでもなく、それに言いはしないけど、ウチが売ったものじゃ無いわけでね・・・・・反論はたくさん出来ますけど、それ言っても何の生産性も無いわけで、そもそも誰かに文句を言いたいだけで言う相手がいない、ってことなのは良く解る。

ただし、こちらの事情と一点だけ合致している話です。「デンドロメーターは、いつか作り直さにゃならんなあ」と漠然と思ってはいたのです。今回の話はその良いチャンスでもあります。要望を全部満たせば確実に買ってくれるという単純な話でもあるのです。いつの時も考え方次第で意味は変わる。しかも都合が良いほうに。

「よっしゃ、おまかせを。」

言っちまいました。この段階で何のアイデアもなし。納期は3月末。そして、このとき2月25日夕方、そこそこ晴れ。そろそろ腹減ったってころ。さらに、他に年度末制限の案件が3件。うち設計関係が2件。連日ちょこちょこと納品、出荷が続く日々ってころ。条件は良くは無いですねえ。

我ながらアホだ。

さて、まずは、物性値の資料を開き、CADソフト開き、なんとなく絵を描き始めます。何でだろう?なかなかスムーズに進む。

3時間後、だいたい出来上がり。おっ、デンドロに要求されるいろんな問題を解決できた手ごたえを感じる。いつものように、その図面に反論を試みるものの・・・・出来ない。いいでないの。

これ、たまに経験するあれですね。昔やった仕事、昔できなかった仕事、昔やったけどなんかの課題が残った仕事、そういう案件で起こるあれですよ。人間の脳は勝手に考えるという経験が何度もあります。課題さえ認識させておけば、自動的に答えを出そうとするみたいです。人間の脳って。多分これは僕だけじゃなくって、人間誰しもそうなんじゃないのかなと思います。

ただし、いつ答えや正解が得られるかが能力次第なんだろうなと思いますけど、今回の案件では、だいたい7年ぶりの同じ課題ですからねえ。能力は低いことも証明されてしまった。

もちろん、設計だけ終わっても物は出来ないわけで、部品の調達、加工屋とのやり取り、それぞれの納期、および組み立て、ということになるので、それから3週間後の3月18日に無事出荷となりました。めでたし。

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そして、この特注品、上記の我侭がことの始まりなので、安価な価格設定になります。知り限りでは電気式デンドロメータでは世界一安価なものなので、日本の研究者の強力な武器になるはずです。

分解能は0.1μm、測定レンジは29mm。自分でも気に入りましたので通常取り扱い品リストに加えます。正式な販売開始は2016年4月です。

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詳細はこちらで確認ください。
http://www.environment.co.jp/product/prdct.html#Anchor738944

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2016年02月26日

果樹呼吸チャンバー

果樹呼吸チャンバー

海外からの受注で5年ほど昔に果樹呼吸の計測専用にチャンバーを作成させていただきました。最近になってその同じ用途で、多少仕様は変わるものの果樹用チャンバーの受注いただいたのですが、さすがにまったく同じものを作るというのは面白みが無く、また自分自身の成長を感じさせないので、一部仕様変更したという記録です。

全体はこんな感じ。
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昔と同様にカメラ用の三脚に固定して、サイズは果樹のサイズに合わせて製作する、ガスのインレットとアウトレットを装備すれば良いというところは同じ。今回追加した仕様は2箇所。ファンの追加、および蓋に一工夫あります。

ファンは汎用品ながら25mm角という小さなサイズを追加しました。汎用品なので防水能は無く、おそらく湿度で壊れると予想されます。その理由で、コネクタで脱着できるようにし、つまり交換を容易にしています。こうすることで数百円/個のファンを使い捨てできるように工夫しました。なのでファンの納品は10個。
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もう一つの蓋の一工夫の話です。枝から果樹が短いヘタを介してぶら下がっているわけで、そのヘタの長さは一般的に短く、10mm前後しかないというもの。

蓋そのものの上面はフラット、2分割、割った面にスポンジによる密閉を確保するまでは良いのですが、そのスポンジが存在するゆえに、蓋の厚さはある程度必要になる。一方で、蓋留めナットはそんなに数を増やせないがOリングで気密を確保せねばならず、という理由で、蓋の肉厚は8mmは欲しいとなります。これが制約。

この制約のまま設計側の都合を押し込むと、10mm程度のヘタに対して8mmの肉厚を持つ蓋を挟み込むという作業、これはなかなかユーザーに対して酷な作業を強いることになるのは目に見えています。多分ヘタが取れてしまう。さて、どうしよう。

思いついたアイデアはV溝を蓋に施すということでした。何日もかかってしまいましたが答えは悲しいほどシンプル。
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この溝が蓋のあわせ面(スポンジを貼る断面)の肉厚に変更を与えることなく、しかし、枝をこの溝に沿わせることでヘタの勘合部分にゆとりが生まれる。果樹がぶら下がっている枝がある程度直線的であればという制約はありますけど、まあ、経験上、大体の果樹の根元がそんなに曲がりくねっているわけではないので。

見てのとおりのなんとも簡単な仕組みなのですが、すごく効果的というお話でした。

日本環境計測国産部門担当HK
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2016年02月23日

ダイヤトーンというスピーカー

ダイヤトーンというスピーカーを知っている方はもうそろそろ年配かなといえるお年頃でしょうか。
このスピーカーのメーカーは、その昔、純国産で輸入勢と競い合い、原音の忠実な再生という方向に突き進んだ歴史を持つ数少ない会社でした。で、今はもうスピーカー事業から撤退してしまっているんですけどね。結局売れなかったということは明らかです。(厳密には今でも細々と受注生産は受けてはいるけど、ハイエンドのみです。)何故だろう。いろんな理由があるんでしょうけれど、社会的、もしくは人為的な面もあったのかなというお話です。

このスピーカーはいまさらながら再評価されてきつつあります。2010年前後からデジタルアンプがお手軽な価格で購入できる時代に入り、スピーカーの駆動力、つまり馬力があるアンプなのに安価という時代に入り、あらためてダイヤトーンを鳴らす人が気付いた。なにかとパワーを求めるスピーカーだったんだなと。アンプの馬力があればきれいに良く鳴るもんなんだなと。メーカーは駆動力のあるアンプを前提に作っていたんだなと。すばらしいもんだったんだなあ。知らなかったなあと。

当時、駆動力のあるアンプを購入できる一部の方々のみ知る音が、現在になってやっと聞ける環境になって、そして初めて評価がなされたという流れです。いやしかし、待てよ。当時の評価が良かったかというと、そうでもなかったよなあという記憶がよみがえります。

なんでかな。

1970-90年代当時にその実力を出した音が聞けた一部の方々として代表的な人種はというと、まずお金持ち。アンプに100万超え(その上はきりがない)、を支払う度胸は普通は余りない。というか買わないほうがまともでさえあります。あとは雑誌の評論家、こちらは事情が違い出費無くそういうのが使える立場。逆に請求する。前者の声は実はとても小さくて、そもそもマニアでお金持ちなんて人付き合いが狭まるわけですし、その方々の評価は他者には伝わらないです。問題は後者、声だけは大きい。読者には後者の話が主に聞こえてくる構造になってます。雑誌買った段階で負けですね。

当時彼らがやったことは、ダイヤトーン他、国産品の良いところはちょっとだけほめて、主に悪いところを細かく探して、それを声高に公にすることがお仕事のメイン。一方、輸入品に対する評価はどうだったかというと、良いところは大きくほめ、悪いところは最悪の表現でも「好みが分かれる」というまとめ方。しかも平気で密閉とバスレフを比較したりして、そもそも到達目標が違うのだから同じ土俵ではない。アホか?ですよ。
これですね原因は。当時の印象がさほどでもなかった記憶というのは。

そういうことを繰り返していたので、それを信じて自腹で雑誌お勧めの輸入スピーカーを購入したユーザーたちは、やっぱり、なんか評価と違うなあ、こんなもんなのかなあという体験を繰り返します。そのほうがいいのです、複数売れるわけですし。その結果2000年を境にどうなったのかな?このマーケットは、と振り返ると、雑誌は廃刊祭。ものはまったく売れず。そりゃそうでしょう。高いばかりで性能が出てない。生産国と湿度が違うので、素早く劣化しまくるし。不景気ウンヌンが原因としてはあるけれど、こういう人達がそうしてしまった部分も少なからずあるはずだと、個人的には考えています。

同じようなことは他のマーケットでもよく目にします。車、バイク、自転車、時計、いろいろ。そういう目で見てみると、一流になった会社というのは、よくぞ、立派にものづくりを継続し、かつ、最適化を繰り返してきたもんだなあと、しかも、仲間内に敵が(根拠なき海外製品崇拝者がそこそこいるという中で)潜んでいるという状況下で、なおさらだなあと尊敬してしまいます。どちらかというとメンタルな部分でのタフさが尊敬の対象です。

最近気が付いたんですが、どうやら自然科学関係で使うブツに関しても、そういう尺度で物言う方々がいらっしゃいます。条件を一致させずに比較評価結果を発表するとかそういう方向です。悲しいけど、先のスピーカーと同じ国産つぶしですね。

もしかすると、国産で自然科学関係の物つくりの勢いがとっても劣勢な現在というのは、こういうメンタルな、人為的な問題が日本には根深く存在していて、心が折れてあきらめたという先人たちが多かっただけという、そして、その結果が現在であるということが言えるのかも。もし、そういう理由で、このジャンルのものづくりが途絶えたのであれば、それはもう、救いようがないばかばかしい理由なので、日本で自然科学系のものづくりは最初からやらないほうがマシということになってしまいます。他にいくらでも仕事はあるのだから。そう考えると、どうやら先人たちはサボっていただけでもないのかもしれないのです。

知らないだけで、まだ多少はチャレンジャーな若手は日本にいるはずだと思います。そういう方々は希少な存在です。ぜひ大事にしていきましょう。あらゆるジャンルでものづくりとは競争と二律背反です。国同士の争いのごく一部といって言いでしょう。弊社としても心から応援しますし、そういう方々の助けになる行動はある程度できるようになってきましたので、心が折れそうだったらコンタクトしてください。共闘させていただきます。

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2016年02月17日

薪ストーブ

薪ストーブ

今年の冬も、残すところもう少しですね。毎年ながら冬は忙しい人生を送っているのですが、その主な理由はまず、年度末。11月ごろから3月までが、それ以外の時期に比較して圧倒的に忙しいというもの。これは、もう、一種のイベントのようなもので、自動的に体が動いて粛々と処理できるようになりました。さすがに17年もやってるとねえ。

そしてもうひとつが薪の採取。田舎ではそこそこの家庭で薪ストーブがメイン暖房になっていたりしますが、ここ福岡でも同様です。排気煙がある程度生じるので、田舎向きと言い切れます。田舎の中のまた田舎のほうでは、この木いらんから切ってくれという依頼が多々あり、そこそこ自給自足できたりするのです。僕の場合はある村ではタキモンヤって呼ばれており、いったいこの人たち(副長老以下を指す。まだ長老というポジションがあるんです。)は僕の名前を知ってるのだろうか?と思うことさえあります。

夏場はもう、どうしても虫とか蛇とかそういう生き物に遭遇することが増えるので、必然的に冬は薪狩りというサイクルになります。トラックに乗ってチェーンソー持って現場に行き、伐採、玉切、僕の場合は現地で割りまで行ないます。それが雨が降らない限り土日ごとに繰り返すというサイクル。なので、月曜日は細かい作業はできません。チェーンソーの振動の余韻などなどで手が震えて作業できないのです。そうすると火曜日以降が細かい作業に割り振られ、作業がまた立て込むという具合。

そして年間およそ4立米ほどのストックを作って、乾燥を待ち、来年燃やす。

去年の末、Dutch WestのコンベクションヒーターFA224はもうずいぶん使ってきたのでお疲れ様ということで引退させました。そして新機種の導入、どれにしようか?という悩ましい、しかし楽しい。今回は触媒式ではなくクリーンバーンがいいかなあ、という基本的な選択をしたのですが、なんと国産の鋳物でできた薪ストーブなんてのがあることを知ってしまい、そりゃ、国産というだけで、とっても魅力的なわけで、しかし、また悩みが追加されることに。

昔に比べて市場はこれでもかってくらいに多種多様な薪ストーブがあふれており、経験者でさえ悩むばかりで進まない。こりゃ、初心者は悩みがもっと多く、深いんだろうなあと想像できます。

そもそも、どのメーカーも良いことしか書いてない。そりゃそうでしょう。そして、価格.COMの口コミなんかで人の感想を聞ける類のものでもない。耐用年数が車より長いわけで、数種類の薪ストーブを使った経験者というのがそもそもほとんどいない。じゃ取り扱い店に聞くのがいいかというとそうでもなく、店が取り扱っている機種の中から買ってほしいので、ネットの情報とレベルは同じになってしまう。もしかすると店の都合が影響するので、もっと悪いかも。最近は薪ストーブの雑誌なんてのもあるみたいなんですが、こういうのは自動車関係とパターンが一緒だと仮定すると、公平な評価軸を持っていることは決して無いと想像してます。(読んでないので、違ってたらごめんね。たまには車関係でもまともなのはあります。現代の車の売り上げに差しさわりの無いくらい古い車関係はそうです。)総じて、薪ストーブに関しては、公平な情報が不足していて購入者を悩ませています。言い換えると売り手主導型の情報ばっかりで、客目線の情報が無い。

そういう状況下にある購入者は、結局、どこかで勢いあまった決断が必要なんですが、僕の結論は岡本のAGNI-Cという機種にえいやっと決めたのでした。FA224と同じ触媒式ではあるけれど、メーカーいわく、クリーンバーンと触媒の両方を搭載した・・・という、そういう変なのはこれしかない。どうしても興味がわきました。

結果この国産のストーブはどうなのよという話ですが、こういうのはモロモロの事情で5年以上は使ってみないと語れないとは思います。でもまあ、ひとまずの感想程度ということですと、FA224との比較にて、まず燃費がすごく良い。おおよそ6割の消費量(2ヶ月弱の経験値)に抑えられてます。サイズが大きいのでたくさんの薪を投入できるのですが、それを実にゆっくりと燃やせる。だからといって熱量が少ないわけでもなく、従来どおり室温24度程度を確保できている。空気調節の機構と密閉が良いのかなと感じるところです。同時に薪をくべる回数が減りますから、FA224のときは5〜6回/日だったのが、2〜3回/日ですみます。ここはその日の外気温に依存しますが。

次に、クリーンバーンの機能と比較的大きな窓があるので、炎を見て楽しめます。これはFA224ではまったく無かった楽しみ方なので、単純に嬉しい。ただし、毎朝の窓拭きという作業は増えました。

さて、細かなところはどこまで伝わる話だったのかはよく解りませんが、このストーブに限らず薪ストーブの存在について少し。

課題1 購入までは思いっきり資本主義の価値観に右往左往させられねばならない。

課題2 購入後は冒頭のように資本主義とは無関係な、体を動かしただけ薪を得られる。そこにはお金よりもむしろ体力とか忍耐力とか人脈(コミュニケーションの能力)とかの人間の基本が試される。

この両方の課題をこなしても、結局得られるものは暖かさと炎の鑑賞だけ。なんだか罰ゲームみたいな話です。

ただし課題2は薪を購入すればそれで完結します。その場合は他の暖房手段が選択でき、そのほうが安価なのでよりばかばかしくなります。

現代暖房器具としての多くの選択肢がある中で、薪ストーブとはなんぞやと問えば、課題2を楽しみたいのか、嫌なのか。になります。極論ですよもちろん。買う買わないはささやかなことです。買った後の分かれ目で性格や性質を問われるシロモノです。

あと、バイオマスだから環境にやさしいとか、そういう指標があるけれど、頭では確かにそうだと理解は出来ます。しかし実感として、その考えはどうもしっくりこないのも事実です。だって、やっぱり、モノ燃やすと二酸化炭素は出るし、その他いろんなのが出ていることが目に見えて解りますからねえ。

念のために、今回はめずらしく仕事とはまったく関係の無いお話でしたが、薪ストーブを弊社で売っているということではないので、誤解して注文なんかしないでください。

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2016年02月08日

プレヒートって何?

プレヒートって何?

MIJ-01データロガーの販売を開始して1年弱ですが、その間にいろんな質問に対応してきました。そんな経験からこちらが勝手に一般的と思っていたことでも、そんなことは無いのだなと思える事項に気が付いたことも多々ありました。
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そのひとつがここで解説するプレヒートでした。もともとの語源は定かではないのですが、Pre Heatという二つの英単語であり、予熱って意味だと推測します。センサーに対してというのは間違いないので、センサーの予熱という意味だったんでしょう。こう表現すると、センサーにヒーターが入っていて、そのヒーターの予熱を行なう機能という解釈ができ、しかし、一方で、現在ではヒーターが内蔵されていないセンサーでもプレヒートというシーケンスを使っているわけで、初心者では、もはや、何のことやら・・・? わけわからんことをこのおっさんは言ってるなあ。となるのは当たり前ですね。で、おっさん側も同様に、何故意味が伝わらない?と途方にくれるわけで、話が進まない。

なので、もう、ここで、なんの権限も無いのに、勝手に定義してしまいます。

元々の意味は予熱。なはずなんですけど、現代における意味は以下が加わった、どっちかというとこっちのほうがメインかなと思えますので、こう定義します。
1 センサーの応答速度だけロガーの読み取りを待つ時間。
2 センサーをなるべく短い時間の運転に抑えることで、電池を節約する。
3 諸々の理由で、間欠動作をしたほうがよいセンサーか、パラメータである。

1は一般的にはセンサーの仕様書に書かれています。応答時間、応答速度、Response timeなどの単語で表現されている時間のことです。たとえば、それがX秒って書かれていたとして、それでも、その意味は2つに分けられます。一つは電源を入れてからX秒後に出力が出る。これはマイコン内臓のセンサーに多い表現方法で、センサー内部で積算平均や移動平均他、なんらかのノイズフィルターとしての演算処理を行なっているセンサーの場合です。あとはマイコンの立ち上がり時間がかかるとか、そういう意味も総合しての応答速度です。もう一つは、単純にセンサーの応答が鈍い原理であるときもそういう表現になります。

この話はわかりやすい例として、湿度センサーなんかが挙げられます。湿度というパラメータはよくある原理ですと、感湿膜(って大げさですが、水を吸って吐く素材ってだけです。)に水蒸気が平衡したときの容量変化を電気的に感知するわけですが、ここでいう応答速度は二つに分け易いです。乾湿膜が接触している気体との間で平衡に要する時間Tr、その値が積算平均化され、ノイズが少なくなるまでの時間TRの和が全体的な応答速度T(Tr+TR=T)という解釈です。よく出来た湿度センサーはそもそもTrがやたら早く、平衡状態が安定しているのでTRも少なくてすみます。例としてHMP155Aなんかがそれに該当します。このセンサーの場合プレヒートはT=0.1秒で十分です。また温度出力もT=0.1秒で事足ります。一方、HD9817なんかはT=1秒。温度もT=0.5秒必要です。総じて、応答速度というのはセンサーの種類、同じパラメータであっても機種によって大きく異なるという事実を認識しましょう。そして、その起源がマイコンの演算処理に関する時間、ノイズフィルターである場合には、計測値がものすごくおかしな記録になる可能性があるので、特に注意しましょう。

続いて2の説明。上記2種のセンサーを使ったとして、消費電力がどの程度違ってくるかを考えます。たとえばそれぞれ8個接続したときの差を考え、かつ外部電源を接続せず、アルカリ電池4本のみで動かしたMIJ-01データロガーを使った場合を見てみましょう。レンジが広いのでシングルエンド接続で十分、温度と湿度の2chアナログが1つのセンサーから出てきますから、8個だと16chを使います。インターバルを10分としましょうか。インターバルが10分というのは10分に一回データを読んで記録するという意味を示しています。

HMP155Aでは全チャンネルが0.1秒ですから16chの読み取りに1.6秒かかります。その時の電池が持つ日数は178.6日。

HD9817では湿度が1秒、温度が0.5秒、16chの読み取りに12秒かかります。その時の電池が持つ日数は51.4日。

結構大きな差が出ますね。注意として、上記2種のセンサーは同じパラメータを計測するという意味では比較が出来るのですが、価格が2倍以上の差があるのも事実なので、一概に後者が悪いという表現ではないです。なんでも良し悪しです。

3について、土壌水分センサーで説明しましょう。サンプルが同じまま、つまりセンサーを埋設しっぱなし、かつ常時電源入れっぱなしで土壌水分センサーを使ったとします。妙なことが生じます。塩分の析出です。TDRやADRその他、高速度で発振している測定方法の場合に生じる現象ですが、センサーの周りに塩分が析出、というか集まってくる現象があり、その場合、センサー近傍の塩分濃度が妙に高くなってしまいます。そうすると塩分濃度の変動が測定値に影響して、正しく計測したとはいえない値になっていきます。

こういうのをセンサー毎にいちいち確認するってのは、めんどくさいですね。なので、この辺のセンサーの都合や、計測原理の都合から、あとは経験値という塩コショウをフリカケテ説明したのがこちらのページになります。

http://www.environment.co.jp/product/Logger/WiringandSetting.html
基本的にはMIJ-01を使った前提で作文していますが、その他のデータロガーを使っている場合であっても、参考になるでしょう。

こういう3つの理由と、そして、本当に予熱が必要な例として、ガス分析計、ガスセンサーなんかは光源やディテクタが本当に予熱の意味が大きく、ものによっては電源投入から30分は予熱運転が必要なものも多々あります。ただし、ここまで長い時間は待てないので、通常は常時電源入れっぱなしで使ううべきという判断になります。無理やりこの例も入れて、合計4つの理由で、データロガーとセンサーを組み合わせて使う場合には、このプレヒートという動作を理解していただくことは、なかなか大切なことなんです。

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http://www.environment.co.jp/
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2016年02月03日

ドローン+iPhone5s+Flir One

当社には関係ないのかなと思っていた最近話題のドローン関係の仕事です。まあ例のごとく、多くの人には参考にならないカスタムの話になります。

空撮というのはドローンの存在理由の大きなひとつでしょうか。気持ちは良くわかりますね。空からの眺めってやつをカメラ越しでも良いから自由に見てみたい。ってことです。ただ、そういうのは弊社がかかわらなくてもなにも問題ないわけです。

今回の依頼は、ドローンに赤外線カメラを搭載して空撮したい。というテーマです。それって、もう市販されてるじゃないのよ。と言われるとそれまでなんですが、いつものように予算の制約があるわけで、じゃ安価な組み合わせで実現するしかないのです。あとは、まあ、出始めの機材は高いだけってのがあるので、価格が落ち着いてから買うのも正解という見方はあたっているので、今じゃないんだよなあ買うのは、ってことも含みます。

打ち合わせの結果、以下の条件が確定されます。同時に使用する部材が決定されますね。

<目標>
1 いずれは落としてしまったり壊してしまうので、そうなったときにひどく後悔しない価格に収める。
2 1のためには機材は安価にする。最低限のカスタムに納める。

<機材>
ドローンはPhantom 3 Standard
IRカメラはiPhone5s+Flir One

いずれも最安値の機材になります。かつ、iPhone5sは中古で行きましょう・・・涙ぐましいけど効果的です。実際新品はばかばかしいです。こういう用途では。せっかくFlir Oneが安いのだから。

えらそうに書いてるんですが、実は2016年1月現在の段階で、スマホを触るのが初めてというのは事実なんです。実はここが一番の問題でした。なにせ、起動からわからんというスタートでした。次にApp store。何じゃそりゃ?よちよちというか、よぼよぼな話ですね。

話を戻して、どうやってこれらを合体させるか、しかも安価にという制約の中で。というのが設計方針ですね。

スマホ用のホルダーを最初は探してみました。しかし、なんと言うことか、まともなホルダリング機能を持ったものについてはどれも重い。軽やかに飛ぶ、かつ、電池の持ちを確保するにはペイロードは200gがターゲットらしいのですが、iPhone5s+Flir Oneの段階ですでに143グラムの実測値。こりゃもうホルダーの重量は60グラムしか残ってないわけです。

で、仕方なく作りました。いつものようにNC切削ですね。今回は比重がなるべく軽い素材が好ましく、ポリプロピレンを採用。肉抜きはなるだけたくさん、しかし、あまりに細かい肉抜き加工はお金がかかるので、シンプルに、強度を残しつつという作戦です。

平たく言うと「あまり仕事をしないような工夫=お金がかからない」という式は成り立つのです。

結果60グラムジャストの部品に収まりました。iPhone5s+Flir One+この部品で合計203グラム。ごめん。3グラムオーバーはPhantomにがんばってもらいましょう。

写真で妙に目立つオレンジに見えるのはベルクロです。Flir Oneは iPhone5sのLightning コネクタに刺さっているだけなので、そこが不安。両面テープつきのベルクロを使ってFlir OneとiPhone5sを締結しています。軽いからこれが良かったわけです。
DSC00605.JPG

DSC00609.JPG
他には使ったねじをチタン製にするとかの小さな工夫、iphoneはがちがちに締結せず、でもずれないようにエプトシーラーを使って圧力で保持する、iPhone5s+Flir Oneの組み合わせでは重心が若干変な位置に変わってしまうのでその調整しろを残す、ドローンそのものの加工はしない、などの見えにくい工夫をしています。

さて、お客様のところでいつ飛ぶのかは聞いてないんですが、そのうち耳にするでしょう。きっと年度明けでしょうねえ。結果はある程度予測できるのですが、解像度を求めるのはこの組み合わせでは期待しないほうが良いです。ざっとした熱画像を見れればいいねって向きです。

コストパフォーマンスを追及した赤外線カメラ搭載ドローンというテーマは完了した、というお話でした。

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2016年02月02日

解っている方しか買わない・使わない土壌水分計

解っている方しか買わない・使わない土壌水分計

WET2センサーという名の土壌水分センサ。多くの方が目にしたことも無く、買ったことも無いセンサーだと思います。実際そのくらい売れないセンサーです。そして、多くの場合、買ってくださるのはリピーター、もしくは、そのお友達のみという不思議なセンサーでもあります。

WET2.jpg

さて、この二つの事実から解るのは、仕様を理解している方にしかこのセンサーの需要は無く、逆に解っている方にはこれしか選択肢が無いという、そういうポジションになってしまったセンサーです。(どおりでなんか気になるわけですね。どっかの会社みたい。)

とは言え、品名から解るように、元祖はWETセンサーという名前でした。そしてWET2に変更になるほどのロングセラーでもあります。少ないながらごく一部に需要があるわけですね。

では、どうしてそういうポジションになってしまったのか?このセンサーの大きな特徴は、体積含水率VWC、温度Temp、塩分ECの3パラメータが一気に測れるということ。しかし、これは表向き。実は、この3パラメータすべてについて、センサー毎に校正を手動で実施し、出荷しているということの方が実は重要な特徴です。VWCだけとか、そういう個別校正を行ったセンサーは少々ながら他にもあります。しかし、3パラメータを全部人間が校正というのは別格です。

VWCと温度については、よほど変なセンサーで無い限りはまあまあどのセンサーでもそこそこの計測が可能です。しかし土壌のECについては、多くのセンサーでは当てにならない値を出すことが多く、このWET2くらいしか全うな出力を出さない現実があります。その差は何かというのが上記、個別校正ということになります。

一方で、ECのみの計測で何かものが言えるのかというと、それはとても困難で、EC、温度、VWCの3パラメータが全部そろって、ようやくECが語れるんです。逆も言え、VWCをきわめて正確に計測しようとしたとき、塩分を含む土壌が前提であれば、ECを計測しないとVWCの計測の補正ができないという事情もあります。この辺の事情はとても深く、土壌物理学会でも年配の方しか議論しないエリアです。物質の誘電率、その温度係数、他云々がスタートの話です。

まとめると、養分、ECなどのパラメータが土壌側に加わるだけで、VWCの計測はかなり厄介になる、その場合、十分なと言える精度を確保しようとすると、個別校正しか道は無いとの判断を行なったのがWET2。ということになります。

一方、養分、EC濃度が特に高いわけでもなく一般的といえる土壌では、こんなセンサーの出番は無いわけです。ですからそういう環境ではECなんかむやみに計測しなくていいんです。

こういう流れで設計、仕様決定がなされたセンサーなので、そりゃ解る人、特定用途で使う人、意外は用がないですね。とどめにセンターピンの内部に温度センサーを組み込んでしまったもんですから、組み立て作業もあきれるほどめんどくさいです。でもね、応答速度を考えると理想的なので、そうしているのです。

さて、このセンサー、一点設計が甘いところがあります。ケーブルがニードルの反対側中央から出ています。ここがやっかい。他のプローブもだいたいこんな配置でケーブルが出ているんですが、胴体を持ち易くできているので文句は無い。

一方このセンサーの形状は実に持ちにくく、HH2(ハンディ読み取り器)と組み合わせて多点の計測を行なうときは特になのですが、挿入時にケーブルを曲げる力が同時に加わってしまいます。そして最後は断線します。写真のように持って土壌にさせるわけが無いんです。DSC00612.JPGDSC00614.JPG

その対策は、5年ほど前から弊社で行なうことが可能です。対策方法は写真を見れば一目瞭然ですね。ただ、そもそも売れないこのセンサーの場合、その対策を喜んでくださる方がいったい何人いらっしゃるのかって疑問が当然出てくるわけですが、現在のところ40人超えたくらいなのかなあと思います。激しく少ないですねえ。

日本環境計測国産部門担当HK
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蛍光測定の現地測定会!!

お客様の御依頼で現地測定会をして参りました。
場所を測定対象は申し上げる訳に参りませんが 海岸近くでのサンプル採取後の
測定データの解析を担当させて頂きました。
KashimaPAM.gif

測定機器はPSI社のFluorcam HandayTypeと他社さんのPAMです。
デモ用の機材があれば お試しでの測定も当然参加させて頂きます。
それ以外でも 以前購入した機材を活用したい場合 測定の方法やデータの解析を
検討して欲しいなどの要望もございましたらご相談下さい。

また既存の製品を現場に合わせたカスタムなどもご相談頂けたらと思います。
図の様なカメラ用防水ケースも作成致します。
水草や海藻 培養時の藻類などの計測に活用できます。
WaterproofPAM.gif
二次元画像を利用すればこの様な綺麗な画像データが入手でき いつでもデータを呼び出して異なる角度で解析が何度でも可能になります。PAMimage.gif

日本環境計測輸入部門担当TM
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