2009年07月27日

切削型土壌コアサンプラー

切削型土壌コアサンプラー

熱帯の土壌をサンプリングするんだけども、根がびっしり張って、石も結構ごろごろあって、土壌そのものも固いかなあ?結構ね。つまり、そういう土壌をサンプリングする苦労って、そこん所の事情、解るかね?チミ?
やっては見たんだよ、現地で板金溶接なんかでサンプラーのような形のモノを作ったりしてね。でもねえ。ハンマーでいくら叩いてもラチあかんのよ。入って行かんのよ。そもそも。で、結局現地の人を雇って縦穴掘って、そんで、横からサンプリングするのがベストという回答は最悪あるんだけどねえ。

という、お話です。まあ一般的な流れで行きますと、市販のサンプラーなんかを、「先生、これどうよ?よござんしょ?そこそこ高いけどねえ。仕方がないねえ。えっ、強制付属してくるこの樹脂ハンマーって2万越えるの?でも仕方がないもんねえ。」という、「これしか見つからんので、これ買うしかないね。後は知らんもんね。」仕事一丁上がりっ、という対応になるところなんでしょうけど・・・・余計なことをついつい言ってしまった次第です。「作ってしまいましょう。」

注釈:こうやって、土日が無くなっていく人生を過ごしています。

これが、今回のツクリモノの大きな流れ(演出大アリ)ですが、実のところ今回はボア直径が広範囲(φ50〜100mm)というおまけの条件が付いてますから、その辺で買ってきて終わりという対応はそもそも不可です。

最初に、土壌を切る部分、つまりドリルをどうするかで悩みました。結論は超綱チップが埋め込まれた、コンクリートを切削できるヤツがベストなわけだけど、そんなの単品で作ったらエライ金額になってしまうわけで、普通はSUSの切削品でゴマカシテシマウ部分ですね。今回は、大阪のハウスBMという会社http://www.housebm.com/
が良いの作ってるのを運良く確認。マルチリョーバコアドリルで内径φ63を、ドラゴンリョーバコアドリルで内径φ100を準備できることになりました。こういうのが簡単に買えるってのが、日本のエライ所です。上記品名でリョーバというのは両刃でして、片方の刃が減ったら、反対側の刃を使えるという構造です。そこはね、フーン良いじゃない。という程度なんですが、その構造が故に、このシリーズの最大の特徴が存在します。なんと、ドリル部分だけが筒状に取れます。これは素晴らしい。惚れた。

また、普通の用途では欠かせないけど、土壌サンプラーでは邪魔なセンタードリルも「クズ取りポン」機構のおかげで簡単に外れてしまう。もはや、ほとんど、このドリルは、土壌コアサンプラー専用としか考えられないわけです。

次にハンドルですが、これはあまり悩む事無く、MTB(マウンテンバイク)用のストレートハンドルに決定。近所で買えますし、アルミなので切断も簡単。ママチャリ用の鉄やSUS製を選定しないのは重量からです。

他は買えないので、設計して作って組み立てて出来たのがコレ。
SCS01.jpg

1. ハンドルは若干下向きに「へ」になってますが、これが実は料理で言う隠し味です。この角度があるので、鉛直方向下向きに力を入れつつ回すという作業時に、中心を保持しやすいという機能を持たせています。

2. マルチリョーバコアドリル。
コイツが一番仕事をしています。

3. 100mm延長ロッド
もっと深いところまで行きたい貴方へ。100mm 毎ですが、無限に延長できます。下がオス、上がメスネジになってるわけです。

4. コア抜きプレート
ドリルの刃が筒として外れた後、中の土壌コアを押し出すプレート。

5. ヘックスレンチ。
ハンドルを取り外したい場合の、ネジ回し。

組み立てるとこうなります。
SCS02.jpg

延長ロッドはこう接続します。
SCS03.jpg


リョーバの構造。道具無しでこうなります。
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コア抜きプレートはこの様に接続。
SCS05.jpg


ハンドルをバラすと持ち運びに便利。(かもしれない)
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結果、こういう具合に土壌コアが採取できました。
SCS07.jpg

穴側も、まあきれい。
SCS08.jpg


コアのボアサイズは、以下の通りに自由に選定できます。
マルチリョーバコアドリル実効内径(±2で表記。土壌ですし。)
φ53、58、63、68、72

ドラゴンリョーバコアドリル実効内径(±2で表記)
φ22、25、28、30、33、38、43、48、53、58、63、68、73、78、83、88、93、98、103、108、113

よく見る土壌コアサンプラーとの相違点は、上記した特徴の他に一つ重要な点があります。本サンプラーは切削型、つまり切り削ります。通常は切るだけです。

この違いを簡単に説明すると、鋸(ノコギリ)とカッターの違いです。前者はおがくずが出ますが後者では出ません。もう少し解説すると、分厚い物体の場合、鋸では問題ないですが、カッターでは刃が食い込むので刃先の摩擦から限界が存在します。

土壌を一気に100mmも掘るわけですから、その違いは明白で、使ってみた時に、力加減が大きく違うわけです。

あとは、熱帯でどういう結果が出るかはまた次回にでも。

日本環境計測国産部門担当HK
http://www.environment.co.jp/
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2009年07月13日

バラ線の半田めっき

バラ線の半田めっき

センサーをデータロガーに接続する作業って楽しいもんです。センサーの配線をよじって、ターミナルにネジで締め締めして、ロガーの設定、現地設置とそういう流れになっていく、作業工程一連の入り口です。今回は配線の末端部分のハンダ処理についてのお話です。

通常、というか、よく見かけるバラ線部分の処理ですが、指先でねじって、それでもって、以上終わりっ。ていうのが主流です。まあこれで本来は十分なんですけども、場合によっては、というより、弊社のお客様で多く見られる日焼けしてしまう観測サイトをお持ちの方々の場合、問題が起こる事があります。

機器が置かれた環境や使い方について、かなり荒っぽい現場が多いですから、長期間動作不良を起こさないという目的達成のために、ここで少しだけ手を入れる事をお奨めします。ハンダメッキです。銅線が直に空気に触れていますと、それはもう酸化という現象が生じます。銅の場合緑青が吹くというアノ現象です。で、結局接触不良に至るわけです。

さて、ハンダメッキというのは聞いたことがあると思いますが、要するに銅線にハンダをメッキしてしまうわけです。こうする事で銅線の酸化を防ぎます。ハンダが酸化しないかというと、それはします。しかし、銅ほど早くというわけではないところがみそです。あと、メッキせずに端子台に装着すると細かなバラ線のカスが周囲に落ち、それがよからぬ電気を通して、トラブルを招く事がありますが、これが防げます。

ニッパーとハンダ鏝を使って実施する事も可能ですが、ここではハンダ槽とワイヤーストリッパーを使ってみましょう。特にヘビーユーザーの方はこの2種の道具をそろえた方が、時間の節約になります。

1 ワイヤーストリップ
ワイヤーストリッパーの出番です。写真のようなその辺のホームセンターで売ってる工具を使うと、一瞬で終わる作業です。
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こんなかんじになります。
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ヘビーユーザー向けには自動ワイヤーストリッパーというものもあります。これです。
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これの良いところはシースを写真のようにハンパに残せる設定が出来る事で、
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この「切れてるけど残ったシース」を指でねじると、きれいに銅線のネジネジが出来てしまいます。で、最後に抜き取りするわけです。
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2 ハンダメッキ
ハンダ槽の出番です。約350℃に加熱した槽があり、その中にハンダを放り込んでおきますと、ハンダの湯船ができあがります。
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この辺でフラックスが登場します。液体で臭いがきつい物体です。これをハケでほんの少々、ネジネジ完了した銅線の先に塗ります。
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ハンダ槽に投入します。メッキをしたい部分、つまりビニール被覆以外をほんの一瞬投入して引き上げます。
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こんな具合に先が団子になるので
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ニッパーで切り落とすと、こうなります。
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最後に端子台に装着してできあがりです。
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最後に、熱電対の場合、これはどう考えるかで結論が異なります。本当は2種の金属間で生じた微少な起電力を計測するというのが熱電対の真の姿(ペルチェと逆ですね。)なので、そこをハンダメッキなんてして良いのか?という疑問は当然あるわけですが、例えば、あるお客様の場合、ねじっただけで土壌深くに設置してしまい、その後、1ヶ月の間に不良率が50%を越えてしまって、結局何のために深く穴掘って設置したのか解らなくなってしまったことがあります。弊社担当のパラメータではなかったので関係ないと言えば無いんですけど、お気の毒にと言う他ありませんでした。

こういう事が起こるよりも、ハンダメッキでくっつけてしまえ、ってのが正解ではないかと思います。本当は、スポット溶接でくっつけて、そのあと、コーティングする方がよろしいわけですが、それはまた次回にでも。

日本環境計測国産部門担当HK
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