2009年10月14日

無水ソーダライム (Dry Soda Lime)

無水ソーダライム (Dry Soda Lime)

まず、このタイトルの意味がわかる人はマニアを自覚してよいと思います。

赤外分析計では、当然ながらターゲットとするガスによる赤外線の吸収を検出して、計測を行っているわけです。

その内部にはディテクタ(PbSeが多いですね。)、バンドパスフィルターとか、チョッパーモーターとか、なんやかんやの部品が入っていて、それぞれその役割を果たし続けているわけですが、こういう部品を収納する部分にもCO2やH2Oが存在していると、それはつまり、パス以外の場所で赤外を吸収してしまうということになるので、とても都合が悪いのです。

この主要パーツ格納庫というイメージの部分にはそういったガスを吸収してしまう薬品を常套手段として使います。CO2には無水ソーダライムを、H2Oには過塩素酸マグネシウムというのが一般的です。

数年前、私を含む一部マニアな方々にショックな出来事が起きまして、なんと無水ソーダライムがこの世からなくなってしまったのです。(理由は今もって不明。だけど事実。)

入手が容易なソーダライムと何が違うのかと言えば、無水ソーダライムは含水率4%未満、ソーダライムは20%程度です。
後者と過塩素酸マグネシウムを同じボリュームに存在させますと、その水分でマグネシウムが溶け、分析計内部はてんやわんやになってしまうのです。(だから早めに交換すると言う手もあるにはある)

無水ソーダライムの代わりにアスカライトというCO2吸収剤もあるにはあるんですけど、これが高価すぎる上に、これ自体が溶けてしまうというやっかいな代物。やはり無水ソーダライムが安全なわけです。

ふとしたことから、特注で作ってしまうことに成功しました。薬の特注って人生初めてだったんですけど、そういうのを作れる会社は作れるんですねえ。いとも簡単に。

で、弊社に3キロもの無水ソーダライムが入荷予定です。

僕が使用するのは300g/year程度なので、9割があまりってことになります。

自分で分析計のメンテなんかはできてしまう、マニアの方には販売できます。(逆にそういう自信がない方は買わないほうが無難です。こんなのは)

日本環境計測国産部門担当HK
http://www.environment.co.jp/
posted by EMJ-TM at 18:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2009年10月08日

野外でのクロロフィル蛍光測定法!

野外でのクロロフィル蛍光測定法!

最近、小型クロロフィル蛍光測定器の測定に関するお問い合わせをよく頂きます。
今回は頂いた質問とお客様から伺った対策についてお話させて頂きます。

一番多いのは暗処理の時間と方法です。
サンプルや生育環境により変わってくるので一概には言うのは難しいですよね。
教科書とか文献には15分とか書いてあります!と、よく学生さんから聞きます。
それは定説なのでしょうか?

確かに10分程度暗処理したら充分だとは思うんですけど。
毎回お話させて頂くのは、それであれば試してみてはどうですか!と。
10分、15分、20分と処理した物も較べてみて、一番効果があった処理が、そのサンプルの最適な暗処理なんではと思います。
ご自身で導き出した結果が、真実なのでないでしょうか。

また暗処理の方法についてもご質問頂きます。
Optiscience社の商品やHansatech社の商品にはリーフクリップというアクセサリーが標準装備されております。これは洗濯バサミみたいな形状のクリップのヘッド部分に測定器を密着させて計測します。ただし安いものではありません。

OPTIleafclip.jpg
OPTIのリーフクリップ

EMJleafclip.jpg
EMJのリーフクリップ(とある分光器用に製作した一品削り出のお品。ファイバーを接続する仕様)


アルミ箔で葉全体を覆う方法をお試し頂いたお客様もいたのですが、何故か葉にダメージを与えてしまうそうなんです。
プランター等であれば、人工気象室とかに置いておけれるんですけどね!

次に多いのが、いつ(何時に)測定したらいいのかという質問です。
これも難しい質問です。
先ほどと同じで環境次第で変動すると思われるので、何とお答えしたら良いのか“”
ここでは、お客様から伺ったお話を紹介させて頂きます。
日中、夜間で測定をされたそうです。(暗処理を行った状況下での測定です。)
日中は暗処理をしていてもFv/Fmが低い数値しか検出されないそうです。
色々な原因があるのでしょうが、結果としてそうだとおっしゃられておりました。
これに対して21時頃に計測した数値は期待していた数値に近かったそうです。
樹液流もこの時間になると止まるそうなので、その辺りも関係してるのでしょうか。

強光阻害を研究される方であれば、日中計測する必要があるでしょうし、最大値を計測されたいのであれば、日中は避けた方が良さそうです。
日中だとFo自体にも変化が出てしまうそうです。

正直なところ、何が正解という答えはありません。
色々な条件で処理をして、試されるのも研究の過程だと思いますので、その辺の条件検討も含めて楽しんで実験して頂ければ幸いです。

これについては、ご意見や情報、お待ちいたします。有効と思われる情報は掲載させていただきます。

日本環境計測輸入部門担当TM
http://www.environment.co.jp/
posted by EMJ-TM at 11:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記