2013年11月29日

バナナの円周長計測について(at オーストラリア)

バナナの円周長計測について

今回はなんとオーストラリアからの記事投稿です。ICT Internationalって社名は植物関係の方なら一度は聞いたことがあるでしょう。水ポテンシャル測定装置のPSYがよく知れた機器ですね。そこになんと1名だけ日本人スタッフKK氏が在籍しており、アジアマーケットを担当している都合で日本にもよくいらっしゃいます。そんな方からの投稿になります。

ついでに、本ブログは「有意義」な情報と判断できる場合、どんな方からのどんな情報でも受付します。弊社からばっかりだと情報が極端に偏ることも問題だなあと考えてるときでしたし。しかし、庭にバナナって、日本では見たことないなあ。ところ変わるとあるんですねえ、そういうことが。次回は是非マンゴーのなにかしらの測定が見てみたいです。EMJ-HK


バナナは草本の単子葉植物で、木本の樹木とはその生長がだいぶ異なり、内側から葉を生成し幹部が肥大していきます。樹木の樹皮に相当するものは古い葉の表皮(茎?)になります。
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一般的に樹木は春から秋にかけ幹部を肥大させ冬場はその成長が停滞します。また最近の自動計測デンドロメータの発達により、日変化の観察ができるようになり、幹が太ったりやせたりを繰り返しながら成長していることも観察されるようになってきました。
では、バナナはどんな反応をしているのでしょうか?

測定者の個人的な好奇心からバナナがどのような生長をしているか観察してみました。測定者の自宅(オーストラリア シドニー)に植えられたバナナ(測定時 高さ2m 幹周り70cm)にDBL60デンドロメータを設置して14日間観察してみました。
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設置直後の1月18日(南半球は夏)は当地の最高気温を更新した日で、測定器の温度センサーは55度を記録しました。その後、数日間は30度を下回る日が続きましたが、その後も日中の最高気温が40度を超える日もあり、測定期間中はかなり暑い時期でした。ここで取得したデータを見ると面白い変化が観察されています。
image3.jpg
温度変化は日射のある日中が高く、夜間が低い山型です。幹部の成長量(円周長の変化Circumference)を見ると多くの日で日中は収縮し夜間に肥大していたことがわかります。

この装置は温度と周囲長変化を同時に計測しているので時間軸は正しいです。この測定ではこれ以外のセンサーを設置していないので詳細はわかりませんが、おそらく日中は蒸散活動により幹部の水分が失われ、夜間に損失した水分を補うため幹が太っていたと思われます。

また日中に収縮がみられた日は最大気温が35度を超える日ばかりなので、蒸散速度が速すぎたため、根からの水分供給が足りず幹部が収縮したのではないでしょうか。バナナの蒸散量や蒸散速度計測をしたことはありませんが、葉が大きい分、その量も多いと考えます。

参考までですがこのバナナは14日間でおよそ15mm成長していました。

ICT International Pty Ltd
http://www.ictinternational.com
アジア地区担当 KK



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2013年11月28日

植物工場の機械化・自動化の現在

植物工場の機械化・自動化の現在

植物工場という言葉が一般化してきているように感じます。全国の大学・研究機関でモデルケースとして様々な取り組みが試されています。特に首都圏では私大も含めて多数の施設があります。

先日 東京ビックサイトでアグロ・イノベーションが開催されました。国内外のメーカー・大学・自治体がブース展示して 自動で苺の摘み取りをする機械から 銀杏の殻を割る機械まで色々とあり面白く拝見してきました。

葉野菜やトマトなどが多い中 さすがご近所九州大学の冬虫夏草はダントツでパンチが効いていました。

さてここからが本題です。栽培システムは各メーカーさん独自の商品展開されていますが、植物の生態情報や生育情報を検出するシステム化された装置はあまり見られませんでした。各大学では低コスト化された装置や自走式の装置の開発なども進められており、今後の結果に期待したいと思います。

植物の成長具合の指標のひとつとして光合成活性能力があります。まあ簡単に言えば成長にかかせない太陽光(人工光)の吸収・エネルギー効率の面で成長や健康状態を把握する訳です。PlantFact1.gif

植物個体1株づつを計測するには手間がかかりますよね“” 
その解決法として画像診断の手法があります。サーモグラフィーによる熱画像、分光器による波長測定、クロロフィル蛍光画像による光合成イメージ画像がありますが、いずれも大きな面積を一度に計測するのは現状は難しいです。それではその対処法として下記システムをご紹介します。
PlantFact2.gif

最初のシステムは設備組込式の計測システムです。稼動方法は2通りあり コンベヤベルトで測定箇所まで移動させる方法とXYZ軸でプログラムされたロボットアームが生育場所まで移動する方法です。測定面積は80×50cm角が最大面積になるそうです。
PlantFact3.gif

ヨーロッパでは農薬メーカーさんをはじめ既に導入されているそうです。測定シーケンスもソフトで管理され オートメーション化が進められています。品種別の管理法も確立されると面白くなると思いますよ。

次は路地栽培で活躍できそうな自走式です。PlantFact4.gif
しかし自走式とはいえオペレーターが一緒に移動しないとならないみたいですが、将来的には開発が進むと思います。問題点があるとすれば装置製作がヨーロッパの会社、サイズがかなり大きいので、バカにならない送料がかかります。到着後も、国内で組立て、調整などあるので手間はかかりますよね。日本国内でシステム化した方が安心できると思います。

日本環境計測輸入部門担当TM
http://www.environment.co.jp/
posted by EMJ-TM at 17:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2013年11月05日

LAIの計測 人力セルフレベル!

LAIの計測 人力セルフレベル!

MIJ14onHel.gif

そろそろ皆さんの今期の測定も終わりに近づいているかと思われます。
まだデータが足らない方は、もうひと分張り頑張って下さい。

野外測定で日射や光量子の測定をする際 センサーを水平な状態にする必要がありますよね。皆さんはどうされていますか?

前の章で述べている通り 各メーカーさんはセンサーにオプションで水平基台が販売されています。(ちなみに弊社では組込み済です。)

移動しながら多点での測定をする場合など 三脚や1脚を準備して測定する毎に設置し、測定するのはなかなか大変かと思います。傾斜地や未踏の森に分け入る場合など尚更大変ですよね。

長年の感で分かるという達人もいるかと思いますが 若手にそれを要求するのは酷ですよ。その場でデータは確認できないので宿舎に戻ってデータを吸い上げてみたらもの凄い事になっている可能性も否めませんし。

そこでこんな方法もありますよというお話です。
(長期でがっつりと定点観測される方は、「日射計PARセンサーなどの水平器と水平出し作業が招くしみじみとした日暮れ」2013年10月25日を参照してください。)

とあるお客様が実際に行われている作業風景が冒頭写真の装備です。弊社のような会社にお付き合い下さる研究者はとっても自由というか、発想の自由度が高い方が多いというか、やりたい放題な方が多いのは確かです。逆に論文見てその通りに定型的に行動する、なんて方は極端に少ない。まあ、そうでないとウチなんかには用がないわけですが。

ヘルメットに弊社の分光方式のLAI計測システム、これ↓
http://www.environment.co.jp/product/prdct.html#Anchor1276177
を固定し、ロガーはリュックに入れて 両手フリーな状況を確保しています。

MIJ-15 LAI sensor ですが、LAIを分光という手法で計測する原理です。元々、LAI葉面積指数を定点観測、つまり1年中同じ場所にデータロガーと一緒に設置しっぱなし、無人でLAIの季節変化を測定することを主眼においたセンサーです。なので携帯、移動は考えてない。ところがやっぱり、移動計測する必要がある場合もあるんですねえ。PARとNIR2つのセンサーが出す出力の比がLAIに相関を持ちますから、枝や幹の影には応答せず、クロロフィルにのみ反応します。なので、比が重要で入射角特性はさほど気にしなくてもよいのですけど、やっぱりある程度は、ってことになります。

R/FR型の場合と、このMIJ-15とでは測定する波長のレンジが異なり、後者はブロードな波長で光を捕らえますから対外ノイズ(この場合は迷光や反射など)に強いデータが得られます。

ここからが測定のミソで、このお客が経験から発案した独自の手法。ロガーの測定インターバルを2秒くらいに設定して 両手を広げて360度を2分くらいかけてその場で回ります。

人間のジャイロ機能は凄いものでキチンと水平が取れるそうです。そして、データをアベレージにすればかなりの再現性を伴った数値が得られるそうです。
興味がある方は少ないかも知れませんけど、是非おためし下さい。

ちなみに学生さん曰く 頭が重いので測定終了後は肩がこるそうです。

あとヘルメットに目と眉毛があるのは先生の遊び心です!!

日本環境計測輸入部門担当TM
http://www.environment.co.jp/
posted by EMJ-TM at 12:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記