2015年01月13日

データロガーとマルチプレクサを発売開始します

MIJ-01 DataLogger and MUX32/64 Multiplexer
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MIJ-01 Datalogger

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MUX32/64 MultiPlexer

フィールドで使える多チャンネル入力のデータロガーの開発が終わりました。屋外で計測なんてやってみようかなっと思いついた方は例外なく経験してしまう3つの悪夢、設定や操作がなんでこんなに難しい?電源ってどうするよ?おいおいこんな金持ってるわけないだろう?というのがありますね。もう、この段階で普通はめんどくさくって、やっぱりやめとこう。予算申請して来年うまくいけばやろうかな。いや待て、予算の問題が解決したとして、いったい誰がやるんだこんな仕事。こう考えてしまう貴方は正しく、そもそも、データロガーの操作が難しいが故に多大な時間を使うことは、研究というカテゴリに属する方々にとって全く意味がない事だと言い切れます。単に機械の方が、もしくは機械の仕様が悪いってだけです。本当は得られたデータの解析に時間を沢山掛けて頂くのが筋ってもんです。難しい機械を使いこなせる喜びっていうのは良く解るのですが、実はそんな感覚は趣味であり仕事ではありません。また、設定が複雑なほどミスの発見も困難になりますし、ではプロにやってもらえば?という段取りも、設定の変更ごときで時間とお金がかかりますからそれはそれで不幸です。特にトラブル時などは復旧までに無駄に時間を食います。自分で設定しておけば自から普及できるので、大きなメリットです。

それでもなかなか多数の方々が日々お金と努力をつぎ込んでやるっていうのが観測です。その理由というか動機というのは、観測データにはその価値が在るってことです。今、ここで、こういうパラメータを計測しちゃったもんね、というデータは、過去に遡ることはできないという制約が在る限り、2度と計測できないってことが確実に言えるんです。そこが価値。ところが、こういう作業に向いている人ばっかりじゃあないってところが問題で、嫌々やる事になった人はどうしても存在してしまいます。そしてハイレベルなもしくはこういうのが好きな方から何でこんな程度のことができんのだ?しかもそんなつまらなそうな顔をしてって事で、その世界からスポイルされてしまいます。まさに不幸を呼ぶ仕事の1つと言えるでしょう。

ここで今回のロガーの出番です。こういう問題の全てを解決することは出来ませんが、まず安価、これは説明の必要がないメリットです。一般気象要素を計測する範囲はこれ1台在れば事足りるのに、でも高いねえとは言わせない価格。次に操作が簡単。センサー類の配線も慣れれば工具不要で実施でき、なんと言っても専用ソフトウェアELOGの操作性は中学校レベルの英単語力と、パソコン操作慣れなくてねえというおっちゃんレベルでも(たぶん)操作できてしまいます。しかも無償で上のリンクからダウンロードできてしまいます。ちなみにロガーが手元になくっても、ELOGで設定して、その設定ファイルをPCに保存することはできますので、試してみてください。ロガーが接続されていないと動かないとか、弊社から認証を受けないと動かない、なんてナンセンスな制約はしていません。最後に低消費電力です。実はここが最も重要で、数ヶ月以上の長期観測をしようと思うと、いつの場合も電源どうしようとなり、20キロ越えの電池、ソーラーパネル沢山、ひいては電力会社に頼んで延々と商用電源を引いてもらう、なんてひどい目に合うか合わないかはここで決まります。このロガーだとアルカリ単三電池4本でDIFF-8ch時に300日以上持ったりします。

もちろん完璧って物はありませんから、万能ってわけではないけれど、この道16年目の弊社が判断した「フィールド観測におけるモロモロのやっかいな事情及びその対策」ってところから優先順位を定義し、形にしたのがこのデータロガーです。優先順位とは以下の通り

1.搭載乾電池のみで長期観測可能なこと
2.アナログは熱電対レベルのμV単位から、分析計レベルの5Vまで読めるレンジ
3.アナログは差動で最低8ch
4.センサー駆動用プレヒートはDIFFの数だけ装備
5.風速計のAC波は2ch、雨量計のカウンタは4chは装備
6.シリアルも搭載する今後WXT520みたいなセンサーが増えてくると考えて
7.いまどきオンボードメモリーで容量制約はナンセンス。スロット式メモリーを装備する

以上の7点が主要な仕様。以下が付帯する仕様。
8.精度と上記仕様以外はとことんコストカット。おしゃれである必要はないからいらないものは付けない
9.初回購入なのにオプションを購入せねば使えない売り方はしない。コレ買うとこういう機能が増えるよって流れのオプションは極小にすべし

上記が優先され、実現すべき仕様でした。特に1&2が大きな課題でした。精度1mVなら1ヶ月で終わったでしょうし、電源を別供給、4,5,6が無ければ今の1/2程度まで小型化できたでしょうけど、それじゃあ意味が無い。

総じてハイエンドなユーザーのみならず一般の方々に使っていただきたく思いますし、使えるように開発しています。ここで一番の問題は、ソフトウェアELOGをなるべく直感的に使えるようにすることでした

一方で、激しくハイエンド、フルスペック、ハイパワー、ハイレベルな何拍子も揃った研究者を相手に仕事してきましたから、どうしてもそっちよりの性能を考えてしまう、つまり迷いが形になったってのがマルチプレクサMUX32/64になります。1発でDIFF32チャンネル+同数のプレヒート、どうよ?っていう方向は全く万人向きではないことは解っているけれど、やっぱりこういう遊びもやってみたくなります。だけどこれはオプションなので必要なら使ってねってポジションの製品です。

2014年11月末の段階でプレリリース版にあたる初期ロットは口コミで完売し、納品が完了しました。(長いおつき合いを頂いている方々、ありがとうございます。)そして2015年2月1日には量産ロットを出荷開始の予定です。このようなロガーですが、少なくとも10年は継続して販売していく予定ですので、末永くご活用ください。これを持って完成の報告とさせていただきます。2014年11月末日。
詳細はこちらで確認願います。
http://www.environment.co.jp/product/Logger/MIJ01MUX32.html

日本環境計測国産部門担当HK
http://www.environment.co.jp/
posted by EMJ-TM at 14:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記