2016年02月23日

ダイヤトーンというスピーカー

ダイヤトーンというスピーカーを知っている方はもうそろそろ年配かなといえるお年頃でしょうか。
このスピーカーのメーカーは、その昔、純国産で輸入勢と競い合い、原音の忠実な再生という方向に突き進んだ歴史を持つ数少ない会社でした。で、今はもうスピーカー事業から撤退してしまっているんですけどね。結局売れなかったということは明らかです。(厳密には今でも細々と受注生産は受けてはいるけど、ハイエンドのみです。)何故だろう。いろんな理由があるんでしょうけれど、社会的、もしくは人為的な面もあったのかなというお話です。

このスピーカーはいまさらながら再評価されてきつつあります。2010年前後からデジタルアンプがお手軽な価格で購入できる時代に入り、スピーカーの駆動力、つまり馬力があるアンプなのに安価という時代に入り、あらためてダイヤトーンを鳴らす人が気付いた。なにかとパワーを求めるスピーカーだったんだなと。アンプの馬力があればきれいに良く鳴るもんなんだなと。メーカーは駆動力のあるアンプを前提に作っていたんだなと。すばらしいもんだったんだなあ。知らなかったなあと。

当時、駆動力のあるアンプを購入できる一部の方々のみ知る音が、現在になってやっと聞ける環境になって、そして初めて評価がなされたという流れです。いやしかし、待てよ。当時の評価が良かったかというと、そうでもなかったよなあという記憶がよみがえります。

なんでかな。

1970-90年代当時にその実力を出した音が聞けた一部の方々として代表的な人種はというと、まずお金持ち。アンプに100万超え(その上はきりがない)、を支払う度胸は普通は余りない。というか買わないほうがまともでさえあります。あとは雑誌の評論家、こちらは事情が違い出費無くそういうのが使える立場。逆に請求する。前者の声は実はとても小さくて、そもそもマニアでお金持ちなんて人付き合いが狭まるわけですし、その方々の評価は他者には伝わらないです。問題は後者、声だけは大きい。読者には後者の話が主に聞こえてくる構造になってます。雑誌買った段階で負けですね。

当時彼らがやったことは、ダイヤトーン他、国産品の良いところはちょっとだけほめて、主に悪いところを細かく探して、それを声高に公にすることがお仕事のメイン。一方、輸入品に対する評価はどうだったかというと、良いところは大きくほめ、悪いところは最悪の表現でも「好みが分かれる」というまとめ方。しかも平気で密閉とバスレフを比較したりして、そもそも到達目標が違うのだから同じ土俵ではない。アホか?ですよ。
これですね原因は。当時の印象がさほどでもなかった記憶というのは。

そういうことを繰り返していたので、それを信じて自腹で雑誌お勧めの輸入スピーカーを購入したユーザーたちは、やっぱり、なんか評価と違うなあ、こんなもんなのかなあという体験を繰り返します。そのほうがいいのです、複数売れるわけですし。その結果2000年を境にどうなったのかな?このマーケットは、と振り返ると、雑誌は廃刊祭。ものはまったく売れず。そりゃそうでしょう。高いばかりで性能が出てない。生産国と湿度が違うので、素早く劣化しまくるし。不景気ウンヌンが原因としてはあるけれど、こういう人達がそうしてしまった部分も少なからずあるはずだと、個人的には考えています。

同じようなことは他のマーケットでもよく目にします。車、バイク、自転車、時計、いろいろ。そういう目で見てみると、一流になった会社というのは、よくぞ、立派にものづくりを継続し、かつ、最適化を繰り返してきたもんだなあと、しかも、仲間内に敵が(根拠なき海外製品崇拝者がそこそこいるという中で)潜んでいるという状況下で、なおさらだなあと尊敬してしまいます。どちらかというとメンタルな部分でのタフさが尊敬の対象です。

最近気が付いたんですが、どうやら自然科学関係で使うブツに関しても、そういう尺度で物言う方々がいらっしゃいます。条件を一致させずに比較評価結果を発表するとかそういう方向です。悲しいけど、先のスピーカーと同じ国産つぶしですね。

もしかすると、国産で自然科学関係の物つくりの勢いがとっても劣勢な現在というのは、こういうメンタルな、人為的な問題が日本には根深く存在していて、心が折れてあきらめたという先人たちが多かっただけという、そして、その結果が現在であるということが言えるのかも。もし、そういう理由で、このジャンルのものづくりが途絶えたのであれば、それはもう、救いようがないばかばかしい理由なので、日本で自然科学系のものづくりは最初からやらないほうがマシということになってしまいます。他にいくらでも仕事はあるのだから。そう考えると、どうやら先人たちはサボっていただけでもないのかもしれないのです。

知らないだけで、まだ多少はチャレンジャーな若手は日本にいるはずだと思います。そういう方々は希少な存在です。ぜひ大事にしていきましょう。あらゆるジャンルでものづくりとは競争と二律背反です。国同士の争いのごく一部といって言いでしょう。弊社としても心から応援しますし、そういう方々の助けになる行動はある程度できるようになってきましたので、心が折れそうだったらコンタクトしてください。共闘させていただきます。

日本環境計測国産部門担当HK
http://www.environment.co.jp/
posted by EMJ-TM at 16:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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