2007年12月20日

第一回、日本環境計測(株)主催 故障&破壊自慢コンテスト

第一回、日本環境計測(株)主催 故障&破壊自慢コンテスト

 弊社操業から丸9年が経過しました。この長い期間持ちこたえましたことは、このようなマイナーなブログをご覧になられるタイプの皆様のおかげです。弊社は、来年からも、より一層マイナーな分野に身を置き続ける所存です。

 さて、9年もの間、理化学分野の中の観測や実験に使用するアイテムを取り扱っていますと、派手、珍妙、不可解、と言える数々の故障品が舞い込んできます。困ったことに、弊社販売品で無い物の方が多いです。しかし、こういう情報は、なかなか正式な場所(弊社HP)ではお話し難い(だって新品売ってますから)もので、しかしながら、ブログなら多分問題ないだろうと思いまして、ここ1.5年程度の間に修理した、もしくは修理をあきらめざるを得なかった故障品を公開いたします。

 目的は、様々な様相の故障品もしくは破壊品を見ることで、故障を未然に防ぐ知識と見聞を教訓として広めようというものです。大半は使用者の意識次第で防げた事故が原因なのです。もう一つは、故障品というものは、故障に至った過程を想像できる、つまり、「結構笑える」ものがあり、年末に笑って忘れて、来年は注意しようね。と、心機一転を計る目的です。

 そして、今年一番不運だった故障、笑えてしまった故障に見舞われた方を選定し、こっそりではありますが、見舞金として、弊社から新規購入の際に使える「お見舞いクーポン(10%割引)」を贈呈しようというコンテストです。

 このページについては、「負けてねえ」と思われる故障を経験した方の写真や投書を公開可能な条件の下に募集いたします。また、弊社から購入したお品である必要はありません。期限は来年の1月末(くらい)。

繰り返しますが、教訓が主目的であり、笑うことは2番目の目的です。機器は大切に使いましょう。


二酸化炭素分析計LI-7000の場合
7000mgcl1.jpg
7000mgcl2.jpg

これはLI-7000の測定セル内部の様子です。何が問題かといますと、除湿に使用していた過塩素酸マグネシウムが溶けだしても使用し続けると、セル内部に入り込みます。当然測定値はおかしくなります。ただしLI-7000の場合、セルの清掃は可能ですから、清掃すれば元に戻ります。ヒートエクスチェンジャーの詰まりは洗浄が手間です。超音波で行うのが良いです。また清掃後にはキャリブレーションしなければなりません。ついでなのでディテクタ部分の薬剤も交換すると良いですね。昔のLI-6262, 6252等でこの症状が発生すると、セル内部の金メッキが剥がれて入院です。

ダメージポイント★
笑えるポイント★
為になる度(教訓度)★★

LI-6400の場合
6400connect.jpg

これはチャンバー裏側の配線です。このコネクタ、ちょっと触ると直ぐ折れます。修理は可能ですけど、新品でもいつ折れるか不安が残る部分ですね。光源の交換時など十分に注意して外しましょう。本当は設計を変えて欲しい所です。ただ、それを言うとこの機械の場合たくさんあり過ぎてきりがないですが。

ダメージポイント★
笑えるポイント★
為になる度(教訓度)★★

DECAGON Em50の場合
em50fire.jpg

電池が液漏れ後、基板が溶けました。修理不能です。使用しないときには電池は外して保管すれば防げます。アルカリ電池は経験的に漏れやすい気がします。その前に、電池ボックスが基板以外に設置されていれば防げるわけですが、最近のEm50はプラスチック電池ボックスが基板に乗ってます。少しは改良されたと見なして良いでしょう。

ダメージポイント★★★
笑えるポイント★★
為になる度(教訓度)★

LI-820の場合
820mgcl1.jpg
820mgcl2..jpg

これもまた、内部に水が入って、乾燥して、汚れと化したダメージです。この機種はコストダウンを考えた設計で、ディテクタも光源もセル内部に丸出しで、サファイアウインドウなどの高い部品ははじめから使用されていません。ディテクタはINFRATEC社の焦電素子で、フィルターがCANに直づけされています。光源は豆電球です。いずれも汚れに弱いので、分析計の前には撥水性のフィルターを入れましょう。そう言えば、この機種の癖として、光源側にメイン基板からつながっているフラットケーブルのコネクタ、あれが接触不良を起こしやすいです。電流値が高いので、そうなると解ってるんですけど、突然起動しなくなり、慌てます。だまされたと思って、一度コネクタを抜いて、挿してみてください。復活する確率90%です。

ダメージポイント★★
笑えるポイント★
為になる度(教訓度)★★

LI-6400の場合(その2)
6400debri.jpg

これが何故LI-6400と関係があるかと言いますと、チャンバー内部にこれら植物のかけらが入り込み、撹拌ファンを止めてしまいました。小さいながらも大きなダメージを与えます。ですが、これはサンプルの大きさを注意するしか対策がないですね。

しかし、この拡散ファン、機械によって、元気がよい個体とそうでない個体の風量の差が大きいです。葉にあたる風量が変わると、境膜抵抗が大きく変わるので、結果として得られる光合成速度も大きく変わるんですけど・・・。どのような定義をしてるんでしょう??植物の光合成をマクロで見る場合には風速は重要視されてますけど、ミクロ(個葉)で見る時には軽視されているような気がしてます。計測しやすい、しにくい、という違いもあるとは思いますが。

ダメージポイント★★★
笑えるポイント★★
為になる度(教訓度)★

LI-190の場合
190water.jpg

400〜700cmの範囲で、PAR(光合成有効放射吸収量)を捕らえるセンサーとして有名です。確かにその構造にはこだわりがあり、フィルター(正確には色ガラスレベル)を数種類使用して、透過光のスペクトルと強度を調整しフォトダイオードに導入して、総じて、フォトダイオードの感度が400〜700nmでほぼフラットになるようにセッティングを行っています。でもフィルターの熱による透過波長の変化は無視。このセンサーの場合、近年特に「雨漏り」がかなりな割合で発生しています。拡散板と筐体を固定するのに接着剤とはめ合いを使ってますけど、接着がへたくそになったと言わざるを得ません。このように雨漏りしてしまいます。水中ならともかく屋外で駄目なセンサーってのは頂けません。

ダメージポイント★★★
笑えるポイント★★★
為になる度(教訓度)防ぎようがないです。

Delta-Ohm PYLA03の場合
Deltaohmlevel.jpg

これは日射計のレベルです。写真をよく見ますと何かがおかしいことに気が付きます。そうです、あるべき気泡が無いんです。実は、気泡がプレートの下に潜り込んでます。新品の初期不良。イタリア人は気が付かないみたいです。

だだ、Delta-Ohmの製品は弊社では押してます。価格は安価で、性能も良い。こういう不可解な新品不具合は弊社でハネますからご安心ください。

ダメージポイント★★
笑えるポイント★★★
為になる度(教訓度)防ぎようがないけど、とてもレアケース。イタリア人らしい不具合に、次回、期待感大。

LI-820の場合(その2)
820short.jpg

電源はDCを要求するCO2分析計(IRGAとかNDIRと呼ばれます。)です。逆接してしまうとヒューズが飛んで、更に運が悪ければ、このようにICが燃えます。プラスとマイナスの入力端子が隣り合ってるのも原因かも知れませんが、これは仕方がない。お願いです。逆接しないでください。ちなみに、この故障は、ICを交換して治ります。治りますが、注意で防げますので、こういう初歩的な事は中学校までで身につけてください。解らなかったらまずは聞いてください。

ダメージポイント★★★
笑えるポイント★★
為になる度(教訓度)★

LI-1600の場合
1600LCD.jpg

これはLI-1600スーパーポロメーターのLCDディスプレイです。20年の経年劣化でこうなってしまいます。何せ古い機械なので仕方がないです。ちなみに約1ヶ月をかけて、世界中のデッドストックを探し、9個もストックしてしまうことになりました。ご入用の方はお問い合わせください。世界でも数少ないLCDを入手するチャンスです。

ダメージポイント★★★
笑えるポイント★★
為になる度(教訓度)防ぎようがない。その前に、もう寿命と言っても良い機械です。

AM16/32の場合
:

キャンベル社のマルチプレクサです。腐ってます。カビてます。修理可能ですが、ここまでいきますと、修理してもいつまで持つかが解りません。あえて修理しませんでした。シリカゲルは安価なものなので是非使用しましょう。防水ケースに入れるのも前提の機械です。でもこれって・・・・フィールド用じゃなかったっけ。

ダメージポイント★★★
笑えるポイント★★
為になる度(教訓度)★★

LI-6200の場合
6200humi.jpg

有名なLI-6400の前身、光合成蒸散測定器です。この時代はLICORも湿度は湿度センサーで検出していました。ADCは未だにそうです。(実はそれで十分。)写真は6200の湿度センサーです。割れてます。これ、チャンバーを交換するときに良く割ってしまいます。ですが、これはとてもやっかいでして、バイサラがもう作ってないので、普通は修復不可能になってしまいます。でもこの時代の6200は想像を絶する値段だったに違いないです。お持ちの方は、是非大事に割らないように使ってください。LI-6200はそれはそれで良い面もあるんです。

それでも割ってしまったら、弊社で日本製の湿度センサーにコンバートして復活できます。できますが、とても面倒なので、あまりやりたくはないので、やっぱり大事に使ってくださる方がうれしいです。

ダメージポイント★★★
笑えるポイント★★
為になる度(教訓度)★★

701MFの場合
PSI701.jpg

PSI社の昔の蛍光測定装置の内部。これはハロゲン光を遮断したり開放したりするシャッターです。ハロゲンは点灯、消灯に対する応答が遅いのでこういうのが本当は必要なんです。MINI-PAMなどでは無視されている部分で、PSIの意気込みが感じられます。動力はソレノイドですけど、それがリミットまで動く際にショックが大きい。長年使用するとハーレーのように部品を落としてしまいます。設計の甘さもありますね。現代ではハロゲンを使用しないで高輝度LEDが主流です。ただね、LEDはパルスで過電流を流して照射してますから、ハロゲンとは光りの質が違うんです。

ダメージポイント★★★
笑えるポイント★★
為になる度(教訓度)★

他にも沢山の症例があったんですけど、写真取るのを忘れました。だいたいの場合、修理の案件は猛烈に「急いで!!」って話から始まります。

日本環境計測修理部門HK
http://www.environment.co.jp/
posted by EMJ-TM at 17:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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