2017年05月31日

Delta-T (デルタティー) 社製の土壌水分センサーのメンテナンス

Delta-T (デルタティー) 社製の土壌水分センサーのメンテナンス
対象機種ML1, ML2x, ML3, SM300, SM150, SM150T

Delta-Tの土壌水分センサーとは、20年ほど前ML1から始まり、現在も世界中で、特にリサーチユースの方面で愛用されているわけですが、購入から10年以上ずっと使い続けていらっしゃる方も多く、極端な例では18年以上使っている方もたまにいらっしゃることも見受けられる製品です。

長期間使い続けている方の多くは、弊社に数年に一回メンテに出してくださることが多く、この場合修理、校正という内容を含むことが多いのですが、一方で修理というわけでもなくメンテナンスで完了することも多々あります。このメンテナンス部分に限っていえば、ユーザー自身で実施できる可能性が高く、しかしユーザーの性格、技量によっては不可能な内容でもあり、方法をお教えするかどうかは悩ましいところでした。

人によっては「メンテナンスしなければいけないのか?」と解釈する方もいらっしゃいますが、「メンテナンスが出来るのはいいね」と解釈する方もいらっしゃるわけで、ここは設計段階からの思想の違いですから、前者の方はそもそもこういう設計思想のセンサーは買わないほうが良く、使い捨てを買うほうが良いでしょう。

今回は、このメンテナンス部分のみをユーザー自身で実施して頂く為の情報を開示します。写真と説明を良く見て、理解して、じっくりと取り組んでいただくときっと成功します。コレ読んで全く無理そうって感じた方は、やらないほうが無難です。弊社に送って有償で実施してください。

<1.メンテナンスの周期>
ずっと使い続けている、つまりずっと地面に埋めっぱなしの個体の場合で2年に一回、時間があれば1年に一回実施する程度の頻度で構いません。

<2.分解前に>
センサーを流水やバケツの中でたわしを使い良く洗浄してください。コネクタに水が入っても構いません。洗浄後、エアダスターやコンプレッサーからの圧縮空気でエアガンを使うなどの方法で十分水分を飛ばしてください。

<3.使用する道具と消耗品>
以下の道具を準備してください。
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対辺2.5mmマイナスドライバ
対辺5mmマイナスドライバ
No.1プラスドライバ
はさみ
温度計(60度近辺が計測できれば十分。精度はだいたいでOK)
1L程度のビーカー(たらいでも可)
水とやかん
ブレーキパーツクリーナー
バキュームグリス
キムワイプS-200
エアダスターもしくはエアガン
お茶パック(100均ので十分)
シリカゲル(B型、できれば全インジケータ)
ヒートシーラー(これだけはなくてもなんとかなる)

<4.分解>
筐体のニードル側にネジが3本あります。これを全部抜いてください。
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対辺2.5mmマイナスドライバを隙間に差込み、回転させますと1mm程度の隙間が出来ます。
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この隙間に対辺5mmマイナスドライバを差込み、ドライバをひねり、2mm程度の隙間を作ります。この2mm程度の隙間を全周にわたって3〜4箇所作っていきます。そうするとあるときスコッと抜けます。基板とコネクタはケーブルで結合されており、引っ張った勢いでケーブルを破損してしまうことがあるので、勢いが付かない程度にゆっくり引っ張り出してください。
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中身は基板、プラスチックのプレート、シリカゲル、Oリングが入っています。Oリングの取り扱いは特に注意します。Oリングを外すときに爪を使ってはいけません。指の腹で傷をつけないように配慮しつつ、抜いてください。
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<5.お茶パックを使ったシリカゲルバッグの工作>
分解して出てきたシリカゲルの大きさとだいたい同じ程度のバッグを自作します。お茶パックをはさみで切り、ヒートシーラーで成型して作成してください。ヒートシーラーを持ってない場合はお茶パックに新しいシリカゲルを入れ、くるっと巻いておくだけでもいいでしょう。ようはシリカゲルがセンサーの中で暴れなければそれでいいです。シリカゲルは5g入れてください。全インジケーターのシリカゲルを使う理由は次回のメンテの準備です。どの程度シリカゲルが吸湿してしまったかの判断が次回以降可能になります。
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<6.メンテナンスその1 清掃>
Oリングが勘合する箇所を特に入念に清掃します。パーツクリーナーをキムワイプに吹きつけ、筐体が勘合する付近つまり筒側とニードル側の両方を満遍なく1周きれいに清掃します。
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<7.メンテナンスその2 Oリングの清掃とグリース塗布>
外したOリングは通常ホコリや泥が付着しています。6で使ったキムワイプ+パーツクリーナーで良くふき取ってください。その後バキュームグリスを満遍なく塗布してください。多いかな?と思うほどの塗布がよいです。

<8. メンテナンスその3 Oリングのねじれ取り>
Oリングをニードル側の筐体へ装着しますが、このとき筐体にOリングをくぐらせるわけですから、多くの場合Oリングがねじれてしまいます。そのねじれは密閉性に影響するので、ねじれを解消します。バキュームグリスで滑り易くなっているため若干難しいですが、親指と人差し指の腹でOリングを強くつまんでOリングに緩みを与えてください。どうしても指の力が弱い人はキムワイプ越しにつまむと滑り止めになって良いでしょう。この動作を角度30度おき程度にOリング全周にわたって実施してください。滑り止めキムワイプを使った場合は最後にバキュームグリスを全周に塗布しなおしてください。
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<9. メンテナンスその4 組み立て>
ここからは分解の逆手順です。基板、プラスチックのプレート、シリカゲルの順番で重ねましょう。プラスチックのプレートは基板とシリカゲルを接触させない役割です。
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お茶パックの余白がOリングにかからないように注意しつつ、筐体のポッチ、これが位置マークなんですが、ポッチが合う場所に押し込んでください。
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ぎゅっと押し込むとさほど力は必要なく押し込まれますが、このときOリングで密閉していますから筐体内部の空気は圧縮されており、押し戻そうとする力を感じるはずです。
その力に負けないように勘合を保ちつつ、ネジを固定していきます。ネジは斜めにならないようにかつ、締めすぎないように注意してください。むやみに締めすぎると筐体のプラスチックが破損することがあります。
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<10. メンテナンスその5 密閉の検査>
水とやかん、温度計を準備してもらったのはこのためです。約60度のお湯を準備してください。65度くらいに暖めたお湯をビーカーなり洗面器なりに投入し、多少もたもたしていると60度程度になります。温度計を使って確認しましょう。

そのお湯にセンサーを丸ごと漬け込んでください。投入から1分未満の間に筐体の勘合部分から気泡が5個未満程度は出ることがありますが、その後気泡が出なくなり投入から2分間ほど気泡が出なければ合格です。気泡が出続ける、たまに出てくるという場合は失敗です。
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出続ける場合、6に戻ってください。
たまに出る場合、8に戻ってください。

<11. メンテナンスその6 乾燥>
10で検査を終えましたらブロワーで水を飛ばします。特にコネクタのピン周辺は入念に水を飛ばしてください。その後1時間も放置すれば乾燥します。
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<セルフメンテナンス>
このメンテナンスを慣れない方が10個もやるとさぞお疲れだと思います。特に10で振り出しに戻る作業になったらなおのことです。弊社にメンテのみを依頼した場合、状態によりますけど、3000〜5000円/本程度にはなります。その分の仕事をしたわけですから、多少は自分のメンテナンスにお金を使いましょう。うまい飯でも食べて良く寝てください。

日本環境計測国産部門担当HK
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2016年03月30日

森林学会2016

親方の僕は参加できず、というのも年度末ぎりぎりというスケジュールでの学会でしたので、やむなく不参加。弊社営業のみの参加となりましたが、おなじみの客様、お初のお客様、ともに多くの訪問を受けたこと、ありがとうございました。

新商品ということで、本ブログで先に紹介したデンドロメーターの見学、現物確認が多かったということで、間に合って良かったなあと思いました。そもそも、デンドロの存在意義をあまり重要視してなかったなあという反省があり、しかし考えてみると、少ない労力で、植生の成長速度に直接的に関与するパラメータの計測が可能というパターンは案外少ないので、そりゃ、有効だなあと理解してきました。

特に今回のデンドロは電気式の中で知る限りで世界最安値なので、多くの方が計測するきっかけになれたらいいなあと思います。

来場くださった皆様、重ねてお礼申し上げます。

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写真には左にちょこっとしか写ってないですけど、今回、CS特機に軒先を貸しておりました。札幌の会社ですが、社長とは気が会うので仲良しなんです。ツクリモンに対応する理化学機器関係の会社って全国的に極めて少数なので、ということが大きいです。まあ、弱小がいくら寄り集まってもねえということは確かにありますが、互いに遊び相手ということで。

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2016年03月28日

デンドロメーター MIJ-02弐型

デンドロメーター MIJ-02弐型

昔々、ストロークが150mmもあるデンドロメータを作った経験があります。振り返るとこのときは若かった。リニアエンコーダの全長が200mmほどあり、それを全部防水ケースに入れてしまう必要があり、エンコーダそのものにはバネの機能が無いので、外付けで装備、ワイヤーをエンコーダに固定、ワイヤーを反転する必要が出てプーリを装備、空いた隙間が広大だったのでデータロガーを内臓、エンコーダがシリアル出力しかなかったので、DA変換基盤を装備。スペックシートはすばらしかったけど、実際、そこそこの大きさの箱になるので、樹幹に装着する手間がとても大変というシロモノでした。2009年ごろのお話。

話は飛び、2016年2月末(つまり先月)に、とあるお客様からの要望の連絡が入りました。予算はこれだけ、必要なデンドロメーターの数はこれだけ、分解能は1μmは最低でも欲しいね。でも測定レンジ20mmは確保してね。おっと、ついでにロガーも欲しい。最初から解っているのは、この予算でこの数だと、簡単な掛け算と足し算の結果、輸入品のデンドロでは購入は明確に絶望的なんだけど・・・。値段はともかく、そもそもレンジが11mmしかないわけで用を足さない。オプション指定したとしても15mmなんだから、だめよあれは。だいたい装着するのがとっても難しいわけでさ、なんであんな構造にするんだろうねえ。ワイヤーの巻き方、あれ、なんとかならんの?幾何学的な誤差も気になるじゃないの。

問題はいつの間にかすり替わり、買えない物に多くのケチをつける方向に行ってしまってます。通常なら、よくぞここまで言いたい放題言ってくれるでないの。この時期に。知るかそんな話、頭冷やせ。だいたいあれは輸入品だし、僕が作ったものでもなく、それに言いはしないけど、ウチが売ったものじゃ無いわけでね・・・・・反論はたくさん出来ますけど、それ言っても何の生産性も無いわけで、そもそも誰かに文句を言いたいだけで言う相手がいない、ってことなのは良く解る。

ただし、こちらの事情と一点だけ合致している話です。「デンドロメーターは、いつか作り直さにゃならんなあ」と漠然と思ってはいたのです。今回の話はその良いチャンスでもあります。要望を全部満たせば確実に買ってくれるという単純な話でもあるのです。いつの時も考え方次第で意味は変わる。しかも都合が良いほうに。

「よっしゃ、おまかせを。」

言っちまいました。この段階で何のアイデアもなし。納期は3月末。そして、このとき2月25日夕方、そこそこ晴れ。そろそろ腹減ったってころ。さらに、他に年度末制限の案件が3件。うち設計関係が2件。連日ちょこちょこと納品、出荷が続く日々ってころ。条件は良くは無いですねえ。

我ながらアホだ。

さて、まずは、物性値の資料を開き、CADソフト開き、なんとなく絵を描き始めます。何でだろう?なかなかスムーズに進む。

3時間後、だいたい出来上がり。おっ、デンドロに要求されるいろんな問題を解決できた手ごたえを感じる。いつものように、その図面に反論を試みるものの・・・・出来ない。いいでないの。

これ、たまに経験するあれですね。昔やった仕事、昔できなかった仕事、昔やったけどなんかの課題が残った仕事、そういう案件で起こるあれですよ。人間の脳は勝手に考えるという経験が何度もあります。課題さえ認識させておけば、自動的に答えを出そうとするみたいです。人間の脳って。多分これは僕だけじゃなくって、人間誰しもそうなんじゃないのかなと思います。

ただし、いつ答えや正解が得られるかが能力次第なんだろうなと思いますけど、今回の案件では、だいたい7年ぶりの同じ課題ですからねえ。能力は低いことも証明されてしまった。

もちろん、設計だけ終わっても物は出来ないわけで、部品の調達、加工屋とのやり取り、それぞれの納期、および組み立て、ということになるので、それから3週間後の3月18日に無事出荷となりました。めでたし。

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そして、この特注品、上記の我侭がことの始まりなので、安価な価格設定になります。知り限りでは電気式デンドロメータでは世界一安価なものなので、日本の研究者の強力な武器になるはずです。

分解能は0.1μm、測定レンジは29mm。自分でも気に入りましたので通常取り扱い品リストに加えます。正式な販売開始は2016年4月です。

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詳細はこちらで確認ください。
http://www.environment.co.jp/product/prdct.html#Anchor738944

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2016年02月26日

果樹呼吸チャンバー

果樹呼吸チャンバー

海外からの受注で5年ほど昔に果樹呼吸の計測専用にチャンバーを作成させていただきました。最近になってその同じ用途で、多少仕様は変わるものの果樹用チャンバーの受注いただいたのですが、さすがにまったく同じものを作るというのは面白みが無く、また自分自身の成長を感じさせないので、一部仕様変更したという記録です。

全体はこんな感じ。
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昔と同様にカメラ用の三脚に固定して、サイズは果樹のサイズに合わせて製作する、ガスのインレットとアウトレットを装備すれば良いというところは同じ。今回追加した仕様は2箇所。ファンの追加、および蓋に一工夫あります。

ファンは汎用品ながら25mm角という小さなサイズを追加しました。汎用品なので防水能は無く、おそらく湿度で壊れると予想されます。その理由で、コネクタで脱着できるようにし、つまり交換を容易にしています。こうすることで数百円/個のファンを使い捨てできるように工夫しました。なのでファンの納品は10個。
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もう一つの蓋の一工夫の話です。枝から果樹が短いヘタを介してぶら下がっているわけで、そのヘタの長さは一般的に短く、10mm前後しかないというもの。

蓋そのものの上面はフラット、2分割、割った面にスポンジによる密閉を確保するまでは良いのですが、そのスポンジが存在するゆえに、蓋の厚さはある程度必要になる。一方で、蓋留めナットはそんなに数を増やせないがOリングで気密を確保せねばならず、という理由で、蓋の肉厚は8mmは欲しいとなります。これが制約。

この制約のまま設計側の都合を押し込むと、10mm程度のヘタに対して8mmの肉厚を持つ蓋を挟み込むという作業、これはなかなかユーザーに対して酷な作業を強いることになるのは目に見えています。多分ヘタが取れてしまう。さて、どうしよう。

思いついたアイデアはV溝を蓋に施すということでした。何日もかかってしまいましたが答えは悲しいほどシンプル。
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この溝が蓋のあわせ面(スポンジを貼る断面)の肉厚に変更を与えることなく、しかし、枝をこの溝に沿わせることでヘタの勘合部分にゆとりが生まれる。果樹がぶら下がっている枝がある程度直線的であればという制約はありますけど、まあ、経験上、大体の果樹の根元がそんなに曲がりくねっているわけではないので。

見てのとおりのなんとも簡単な仕組みなのですが、すごく効果的というお話でした。

日本環境計測国産部門担当HK
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2016年02月23日

ダイヤトーンというスピーカー

ダイヤトーンというスピーカーを知っている方はもうそろそろ年配かなといえるお年頃でしょうか。
このスピーカーのメーカーは、その昔、純国産で輸入勢と競い合い、原音の忠実な再生という方向に突き進んだ歴史を持つ数少ない会社でした。で、今はもうスピーカー事業から撤退してしまっているんですけどね。結局売れなかったということは明らかです。(厳密には今でも細々と受注生産は受けてはいるけど、ハイエンドのみです。)何故だろう。いろんな理由があるんでしょうけれど、社会的、もしくは人為的な面もあったのかなというお話です。

このスピーカーはいまさらながら再評価されてきつつあります。2010年前後からデジタルアンプがお手軽な価格で購入できる時代に入り、スピーカーの駆動力、つまり馬力があるアンプなのに安価という時代に入り、あらためてダイヤトーンを鳴らす人が気付いた。なにかとパワーを求めるスピーカーだったんだなと。アンプの馬力があればきれいに良く鳴るもんなんだなと。メーカーは駆動力のあるアンプを前提に作っていたんだなと。すばらしいもんだったんだなあ。知らなかったなあと。

当時、駆動力のあるアンプを購入できる一部の方々のみ知る音が、現在になってやっと聞ける環境になって、そして初めて評価がなされたという流れです。いやしかし、待てよ。当時の評価が良かったかというと、そうでもなかったよなあという記憶がよみがえります。

なんでかな。

1970-90年代当時にその実力を出した音が聞けた一部の方々として代表的な人種はというと、まずお金持ち。アンプに100万超え(その上はきりがない)、を支払う度胸は普通は余りない。というか買わないほうがまともでさえあります。あとは雑誌の評論家、こちらは事情が違い出費無くそういうのが使える立場。逆に請求する。前者の声は実はとても小さくて、そもそもマニアでお金持ちなんて人付き合いが狭まるわけですし、その方々の評価は他者には伝わらないです。問題は後者、声だけは大きい。読者には後者の話が主に聞こえてくる構造になってます。雑誌買った段階で負けですね。

当時彼らがやったことは、ダイヤトーン他、国産品の良いところはちょっとだけほめて、主に悪いところを細かく探して、それを声高に公にすることがお仕事のメイン。一方、輸入品に対する評価はどうだったかというと、良いところは大きくほめ、悪いところは最悪の表現でも「好みが分かれる」というまとめ方。しかも平気で密閉とバスレフを比較したりして、そもそも到達目標が違うのだから同じ土俵ではない。アホか?ですよ。
これですね原因は。当時の印象がさほどでもなかった記憶というのは。

そういうことを繰り返していたので、それを信じて自腹で雑誌お勧めの輸入スピーカーを購入したユーザーたちは、やっぱり、なんか評価と違うなあ、こんなもんなのかなあという体験を繰り返します。そのほうがいいのです、複数売れるわけですし。その結果2000年を境にどうなったのかな?このマーケットは、と振り返ると、雑誌は廃刊祭。ものはまったく売れず。そりゃそうでしょう。高いばかりで性能が出てない。生産国と湿度が違うので、素早く劣化しまくるし。不景気ウンヌンが原因としてはあるけれど、こういう人達がそうしてしまった部分も少なからずあるはずだと、個人的には考えています。

同じようなことは他のマーケットでもよく目にします。車、バイク、自転車、時計、いろいろ。そういう目で見てみると、一流になった会社というのは、よくぞ、立派にものづくりを継続し、かつ、最適化を繰り返してきたもんだなあと、しかも、仲間内に敵が(根拠なき海外製品崇拝者がそこそこいるという中で)潜んでいるという状況下で、なおさらだなあと尊敬してしまいます。どちらかというとメンタルな部分でのタフさが尊敬の対象です。

最近気が付いたんですが、どうやら自然科学関係で使うブツに関しても、そういう尺度で物言う方々がいらっしゃいます。条件を一致させずに比較評価結果を発表するとかそういう方向です。悲しいけど、先のスピーカーと同じ国産つぶしですね。

もしかすると、国産で自然科学関係の物つくりの勢いがとっても劣勢な現在というのは、こういうメンタルな、人為的な問題が日本には根深く存在していて、心が折れてあきらめたという先人たちが多かっただけという、そして、その結果が現在であるということが言えるのかも。もし、そういう理由で、このジャンルのものづくりが途絶えたのであれば、それはもう、救いようがないばかばかしい理由なので、日本で自然科学系のものづくりは最初からやらないほうがマシということになってしまいます。他にいくらでも仕事はあるのだから。そう考えると、どうやら先人たちはサボっていただけでもないのかもしれないのです。

知らないだけで、まだ多少はチャレンジャーな若手は日本にいるはずだと思います。そういう方々は希少な存在です。ぜひ大事にしていきましょう。あらゆるジャンルでものづくりとは競争と二律背反です。国同士の争いのごく一部といって言いでしょう。弊社としても心から応援しますし、そういう方々の助けになる行動はある程度できるようになってきましたので、心が折れそうだったらコンタクトしてください。共闘させていただきます。

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2016年02月17日

薪ストーブ

薪ストーブ

今年の冬も、残すところもう少しですね。毎年ながら冬は忙しい人生を送っているのですが、その主な理由はまず、年度末。11月ごろから3月までが、それ以外の時期に比較して圧倒的に忙しいというもの。これは、もう、一種のイベントのようなもので、自動的に体が動いて粛々と処理できるようになりました。さすがに17年もやってるとねえ。

そしてもうひとつが薪の採取。田舎ではそこそこの家庭で薪ストーブがメイン暖房になっていたりしますが、ここ福岡でも同様です。排気煙がある程度生じるので、田舎向きと言い切れます。田舎の中のまた田舎のほうでは、この木いらんから切ってくれという依頼が多々あり、そこそこ自給自足できたりするのです。僕の場合はある村ではタキモンヤって呼ばれており、いったいこの人たち(副長老以下を指す。まだ長老というポジションがあるんです。)は僕の名前を知ってるのだろうか?と思うことさえあります。

夏場はもう、どうしても虫とか蛇とかそういう生き物に遭遇することが増えるので、必然的に冬は薪狩りというサイクルになります。トラックに乗ってチェーンソー持って現場に行き、伐採、玉切、僕の場合は現地で割りまで行ないます。それが雨が降らない限り土日ごとに繰り返すというサイクル。なので、月曜日は細かい作業はできません。チェーンソーの振動の余韻などなどで手が震えて作業できないのです。そうすると火曜日以降が細かい作業に割り振られ、作業がまた立て込むという具合。

そして年間およそ4立米ほどのストックを作って、乾燥を待ち、来年燃やす。

去年の末、Dutch WestのコンベクションヒーターFA224はもうずいぶん使ってきたのでお疲れ様ということで引退させました。そして新機種の導入、どれにしようか?という悩ましい、しかし楽しい。今回は触媒式ではなくクリーンバーンがいいかなあ、という基本的な選択をしたのですが、なんと国産の鋳物でできた薪ストーブなんてのがあることを知ってしまい、そりゃ、国産というだけで、とっても魅力的なわけで、しかし、また悩みが追加されることに。

昔に比べて市場はこれでもかってくらいに多種多様な薪ストーブがあふれており、経験者でさえ悩むばかりで進まない。こりゃ、初心者は悩みがもっと多く、深いんだろうなあと想像できます。

そもそも、どのメーカーも良いことしか書いてない。そりゃそうでしょう。そして、価格.COMの口コミなんかで人の感想を聞ける類のものでもない。耐用年数が車より長いわけで、数種類の薪ストーブを使った経験者というのがそもそもほとんどいない。じゃ取り扱い店に聞くのがいいかというとそうでもなく、店が取り扱っている機種の中から買ってほしいので、ネットの情報とレベルは同じになってしまう。もしかすると店の都合が影響するので、もっと悪いかも。最近は薪ストーブの雑誌なんてのもあるみたいなんですが、こういうのは自動車関係とパターンが一緒だと仮定すると、公平な評価軸を持っていることは決して無いと想像してます。(読んでないので、違ってたらごめんね。たまには車関係でもまともなのはあります。現代の車の売り上げに差しさわりの無いくらい古い車関係はそうです。)総じて、薪ストーブに関しては、公平な情報が不足していて購入者を悩ませています。言い換えると売り手主導型の情報ばっかりで、客目線の情報が無い。

そういう状況下にある購入者は、結局、どこかで勢いあまった決断が必要なんですが、僕の結論は岡本のAGNI-Cという機種にえいやっと決めたのでした。FA224と同じ触媒式ではあるけれど、メーカーいわく、クリーンバーンと触媒の両方を搭載した・・・という、そういう変なのはこれしかない。どうしても興味がわきました。

結果この国産のストーブはどうなのよという話ですが、こういうのはモロモロの事情で5年以上は使ってみないと語れないとは思います。でもまあ、ひとまずの感想程度ということですと、FA224との比較にて、まず燃費がすごく良い。おおよそ6割の消費量(2ヶ月弱の経験値)に抑えられてます。サイズが大きいのでたくさんの薪を投入できるのですが、それを実にゆっくりと燃やせる。だからといって熱量が少ないわけでもなく、従来どおり室温24度程度を確保できている。空気調節の機構と密閉が良いのかなと感じるところです。同時に薪をくべる回数が減りますから、FA224のときは5〜6回/日だったのが、2〜3回/日ですみます。ここはその日の外気温に依存しますが。

次に、クリーンバーンの機能と比較的大きな窓があるので、炎を見て楽しめます。これはFA224ではまったく無かった楽しみ方なので、単純に嬉しい。ただし、毎朝の窓拭きという作業は増えました。

さて、細かなところはどこまで伝わる話だったのかはよく解りませんが、このストーブに限らず薪ストーブの存在について少し。

課題1 購入までは思いっきり資本主義の価値観に右往左往させられねばならない。

課題2 購入後は冒頭のように資本主義とは無関係な、体を動かしただけ薪を得られる。そこにはお金よりもむしろ体力とか忍耐力とか人脈(コミュニケーションの能力)とかの人間の基本が試される。

この両方の課題をこなしても、結局得られるものは暖かさと炎の鑑賞だけ。なんだか罰ゲームみたいな話です。

ただし課題2は薪を購入すればそれで完結します。その場合は他の暖房手段が選択でき、そのほうが安価なのでよりばかばかしくなります。

現代暖房器具としての多くの選択肢がある中で、薪ストーブとはなんぞやと問えば、課題2を楽しみたいのか、嫌なのか。になります。極論ですよもちろん。買う買わないはささやかなことです。買った後の分かれ目で性格や性質を問われるシロモノです。

あと、バイオマスだから環境にやさしいとか、そういう指標があるけれど、頭では確かにそうだと理解は出来ます。しかし実感として、その考えはどうもしっくりこないのも事実です。だって、やっぱり、モノ燃やすと二酸化炭素は出るし、その他いろんなのが出ていることが目に見えて解りますからねえ。

念のために、今回はめずらしく仕事とはまったく関係の無いお話でしたが、薪ストーブを弊社で売っているということではないので、誤解して注文なんかしないでください。

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2016年02月08日

プレヒートって何?

プレヒートって何?

MIJ-01データロガーの販売を開始して1年弱ですが、その間にいろんな質問に対応してきました。そんな経験からこちらが勝手に一般的と思っていたことでも、そんなことは無いのだなと思える事項に気が付いたことも多々ありました。
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そのひとつがここで解説するプレヒートでした。もともとの語源は定かではないのですが、Pre Heatという二つの英単語であり、予熱って意味だと推測します。センサーに対してというのは間違いないので、センサーの予熱という意味だったんでしょう。こう表現すると、センサーにヒーターが入っていて、そのヒーターの予熱を行なう機能という解釈ができ、しかし、一方で、現在ではヒーターが内蔵されていないセンサーでもプレヒートというシーケンスを使っているわけで、初心者では、もはや、何のことやら・・・? わけわからんことをこのおっさんは言ってるなあ。となるのは当たり前ですね。で、おっさん側も同様に、何故意味が伝わらない?と途方にくれるわけで、話が進まない。

なので、もう、ここで、なんの権限も無いのに、勝手に定義してしまいます。

元々の意味は予熱。なはずなんですけど、現代における意味は以下が加わった、どっちかというとこっちのほうがメインかなと思えますので、こう定義します。
1 センサーの応答速度だけロガーの読み取りを待つ時間。
2 センサーをなるべく短い時間の運転に抑えることで、電池を節約する。
3 諸々の理由で、間欠動作をしたほうがよいセンサーか、パラメータである。

1は一般的にはセンサーの仕様書に書かれています。応答時間、応答速度、Response timeなどの単語で表現されている時間のことです。たとえば、それがX秒って書かれていたとして、それでも、その意味は2つに分けられます。一つは電源を入れてからX秒後に出力が出る。これはマイコン内臓のセンサーに多い表現方法で、センサー内部で積算平均や移動平均他、なんらかのノイズフィルターとしての演算処理を行なっているセンサーの場合です。あとはマイコンの立ち上がり時間がかかるとか、そういう意味も総合しての応答速度です。もう一つは、単純にセンサーの応答が鈍い原理であるときもそういう表現になります。

この話はわかりやすい例として、湿度センサーなんかが挙げられます。湿度というパラメータはよくある原理ですと、感湿膜(って大げさですが、水を吸って吐く素材ってだけです。)に水蒸気が平衡したときの容量変化を電気的に感知するわけですが、ここでいう応答速度は二つに分け易いです。乾湿膜が接触している気体との間で平衡に要する時間Tr、その値が積算平均化され、ノイズが少なくなるまでの時間TRの和が全体的な応答速度T(Tr+TR=T)という解釈です。よく出来た湿度センサーはそもそもTrがやたら早く、平衡状態が安定しているのでTRも少なくてすみます。例としてHMP155Aなんかがそれに該当します。このセンサーの場合プレヒートはT=0.1秒で十分です。また温度出力もT=0.1秒で事足ります。一方、HD9817なんかはT=1秒。温度もT=0.5秒必要です。総じて、応答速度というのはセンサーの種類、同じパラメータであっても機種によって大きく異なるという事実を認識しましょう。そして、その起源がマイコンの演算処理に関する時間、ノイズフィルターである場合には、計測値がものすごくおかしな記録になる可能性があるので、特に注意しましょう。

続いて2の説明。上記2種のセンサーを使ったとして、消費電力がどの程度違ってくるかを考えます。たとえばそれぞれ8個接続したときの差を考え、かつ外部電源を接続せず、アルカリ電池4本のみで動かしたMIJ-01データロガーを使った場合を見てみましょう。レンジが広いのでシングルエンド接続で十分、温度と湿度の2chアナログが1つのセンサーから出てきますから、8個だと16chを使います。インターバルを10分としましょうか。インターバルが10分というのは10分に一回データを読んで記録するという意味を示しています。

HMP155Aでは全チャンネルが0.1秒ですから16chの読み取りに1.6秒かかります。その時の電池が持つ日数は178.6日。

HD9817では湿度が1秒、温度が0.5秒、16chの読み取りに12秒かかります。その時の電池が持つ日数は51.4日。

結構大きな差が出ますね。注意として、上記2種のセンサーは同じパラメータを計測するという意味では比較が出来るのですが、価格が2倍以上の差があるのも事実なので、一概に後者が悪いという表現ではないです。なんでも良し悪しです。

3について、土壌水分センサーで説明しましょう。サンプルが同じまま、つまりセンサーを埋設しっぱなし、かつ常時電源入れっぱなしで土壌水分センサーを使ったとします。妙なことが生じます。塩分の析出です。TDRやADRその他、高速度で発振している測定方法の場合に生じる現象ですが、センサーの周りに塩分が析出、というか集まってくる現象があり、その場合、センサー近傍の塩分濃度が妙に高くなってしまいます。そうすると塩分濃度の変動が測定値に影響して、正しく計測したとはいえない値になっていきます。

こういうのをセンサー毎にいちいち確認するってのは、めんどくさいですね。なので、この辺のセンサーの都合や、計測原理の都合から、あとは経験値という塩コショウをフリカケテ説明したのがこちらのページになります。

http://www.environment.co.jp/product/Logger/WiringandSetting.html
基本的にはMIJ-01を使った前提で作文していますが、その他のデータロガーを使っている場合であっても、参考になるでしょう。

こういう3つの理由と、そして、本当に予熱が必要な例として、ガス分析計、ガスセンサーなんかは光源やディテクタが本当に予熱の意味が大きく、ものによっては電源投入から30分は予熱運転が必要なものも多々あります。ただし、ここまで長い時間は待てないので、通常は常時電源入れっぱなしで使ううべきという判断になります。無理やりこの例も入れて、合計4つの理由で、データロガーとセンサーを組み合わせて使う場合には、このプレヒートという動作を理解していただくことは、なかなか大切なことなんです。

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2016年02月03日

ドローン+iPhone5s+Flir One

当社には関係ないのかなと思っていた最近話題のドローン関係の仕事です。まあ例のごとく、多くの人には参考にならないカスタムの話になります。

空撮というのはドローンの存在理由の大きなひとつでしょうか。気持ちは良くわかりますね。空からの眺めってやつをカメラ越しでも良いから自由に見てみたい。ってことです。ただ、そういうのは弊社がかかわらなくてもなにも問題ないわけです。

今回の依頼は、ドローンに赤外線カメラを搭載して空撮したい。というテーマです。それって、もう市販されてるじゃないのよ。と言われるとそれまでなんですが、いつものように予算の制約があるわけで、じゃ安価な組み合わせで実現するしかないのです。あとは、まあ、出始めの機材は高いだけってのがあるので、価格が落ち着いてから買うのも正解という見方はあたっているので、今じゃないんだよなあ買うのは、ってことも含みます。

打ち合わせの結果、以下の条件が確定されます。同時に使用する部材が決定されますね。

<目標>
1 いずれは落としてしまったり壊してしまうので、そうなったときにひどく後悔しない価格に収める。
2 1のためには機材は安価にする。最低限のカスタムに納める。

<機材>
ドローンはPhantom 3 Standard
IRカメラはiPhone5s+Flir One

いずれも最安値の機材になります。かつ、iPhone5sは中古で行きましょう・・・涙ぐましいけど効果的です。実際新品はばかばかしいです。こういう用途では。せっかくFlir Oneが安いのだから。

えらそうに書いてるんですが、実は2016年1月現在の段階で、スマホを触るのが初めてというのは事実なんです。実はここが一番の問題でした。なにせ、起動からわからんというスタートでした。次にApp store。何じゃそりゃ?よちよちというか、よぼよぼな話ですね。

話を戻して、どうやってこれらを合体させるか、しかも安価にという制約の中で。というのが設計方針ですね。

スマホ用のホルダーを最初は探してみました。しかし、なんと言うことか、まともなホルダリング機能を持ったものについてはどれも重い。軽やかに飛ぶ、かつ、電池の持ちを確保するにはペイロードは200gがターゲットらしいのですが、iPhone5s+Flir Oneの段階ですでに143グラムの実測値。こりゃもうホルダーの重量は60グラムしか残ってないわけです。

で、仕方なく作りました。いつものようにNC切削ですね。今回は比重がなるべく軽い素材が好ましく、ポリプロピレンを採用。肉抜きはなるだけたくさん、しかし、あまりに細かい肉抜き加工はお金がかかるので、シンプルに、強度を残しつつという作戦です。

平たく言うと「あまり仕事をしないような工夫=お金がかからない」という式は成り立つのです。

結果60グラムジャストの部品に収まりました。iPhone5s+Flir One+この部品で合計203グラム。ごめん。3グラムオーバーはPhantomにがんばってもらいましょう。

写真で妙に目立つオレンジに見えるのはベルクロです。Flir Oneは iPhone5sのLightning コネクタに刺さっているだけなので、そこが不安。両面テープつきのベルクロを使ってFlir OneとiPhone5sを締結しています。軽いからこれが良かったわけです。
DSC00605.JPG

DSC00609.JPG
他には使ったねじをチタン製にするとかの小さな工夫、iphoneはがちがちに締結せず、でもずれないようにエプトシーラーを使って圧力で保持する、iPhone5s+Flir Oneの組み合わせでは重心が若干変な位置に変わってしまうのでその調整しろを残す、ドローンそのものの加工はしない、などの見えにくい工夫をしています。

さて、お客様のところでいつ飛ぶのかは聞いてないんですが、そのうち耳にするでしょう。きっと年度明けでしょうねえ。結果はある程度予測できるのですが、解像度を求めるのはこの組み合わせでは期待しないほうが良いです。ざっとした熱画像を見れればいいねって向きです。

コストパフォーマンスを追及した赤外線カメラ搭載ドローンというテーマは完了した、というお話でした。

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2016年02月02日

解っている方しか買わない・使わない土壌水分計

解っている方しか買わない・使わない土壌水分計

WET2センサーという名の土壌水分センサ。多くの方が目にしたことも無く、買ったことも無いセンサーだと思います。実際そのくらい売れないセンサーです。そして、多くの場合、買ってくださるのはリピーター、もしくは、そのお友達のみという不思議なセンサーでもあります。

WET2.jpg

さて、この二つの事実から解るのは、仕様を理解している方にしかこのセンサーの需要は無く、逆に解っている方にはこれしか選択肢が無いという、そういうポジションになってしまったセンサーです。(どおりでなんか気になるわけですね。どっかの会社みたい。)

とは言え、品名から解るように、元祖はWETセンサーという名前でした。そしてWET2に変更になるほどのロングセラーでもあります。少ないながらごく一部に需要があるわけですね。

では、どうしてそういうポジションになってしまったのか?このセンサーの大きな特徴は、体積含水率VWC、温度Temp、塩分ECの3パラメータが一気に測れるということ。しかし、これは表向き。実は、この3パラメータすべてについて、センサー毎に校正を手動で実施し、出荷しているということの方が実は重要な特徴です。VWCだけとか、そういう個別校正を行ったセンサーは少々ながら他にもあります。しかし、3パラメータを全部人間が校正というのは別格です。

VWCと温度については、よほど変なセンサーで無い限りはまあまあどのセンサーでもそこそこの計測が可能です。しかし土壌のECについては、多くのセンサーでは当てにならない値を出すことが多く、このWET2くらいしか全うな出力を出さない現実があります。その差は何かというのが上記、個別校正ということになります。

一方で、ECのみの計測で何かものが言えるのかというと、それはとても困難で、EC、温度、VWCの3パラメータが全部そろって、ようやくECが語れるんです。逆も言え、VWCをきわめて正確に計測しようとしたとき、塩分を含む土壌が前提であれば、ECを計測しないとVWCの計測の補正ができないという事情もあります。この辺の事情はとても深く、土壌物理学会でも年配の方しか議論しないエリアです。物質の誘電率、その温度係数、他云々がスタートの話です。

まとめると、養分、ECなどのパラメータが土壌側に加わるだけで、VWCの計測はかなり厄介になる、その場合、十分なと言える精度を確保しようとすると、個別校正しか道は無いとの判断を行なったのがWET2。ということになります。

一方、養分、EC濃度が特に高いわけでもなく一般的といえる土壌では、こんなセンサーの出番は無いわけです。ですからそういう環境ではECなんかむやみに計測しなくていいんです。

こういう流れで設計、仕様決定がなされたセンサーなので、そりゃ解る人、特定用途で使う人、意外は用がないですね。とどめにセンターピンの内部に温度センサーを組み込んでしまったもんですから、組み立て作業もあきれるほどめんどくさいです。でもね、応答速度を考えると理想的なので、そうしているのです。

さて、このセンサー、一点設計が甘いところがあります。ケーブルがニードルの反対側中央から出ています。ここがやっかい。他のプローブもだいたいこんな配置でケーブルが出ているんですが、胴体を持ち易くできているので文句は無い。

一方このセンサーの形状は実に持ちにくく、HH2(ハンディ読み取り器)と組み合わせて多点の計測を行なうときは特になのですが、挿入時にケーブルを曲げる力が同時に加わってしまいます。そして最後は断線します。写真のように持って土壌にさせるわけが無いんです。DSC00612.JPGDSC00614.JPG

その対策は、5年ほど前から弊社で行なうことが可能です。対策方法は写真を見れば一目瞭然ですね。ただ、そもそも売れないこのセンサーの場合、その対策を喜んでくださる方がいったい何人いらっしゃるのかって疑問が当然出てくるわけですが、現在のところ40人超えたくらいなのかなあと思います。激しく少ないですねえ。

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蛍光測定の現地測定会!!

お客様の御依頼で現地測定会をして参りました。
場所を測定対象は申し上げる訳に参りませんが 海岸近くでのサンプル採取後の
測定データの解析を担当させて頂きました。
KashimaPAM.gif

測定機器はPSI社のFluorcam HandayTypeと他社さんのPAMです。
デモ用の機材があれば お試しでの測定も当然参加させて頂きます。
それ以外でも 以前購入した機材を活用したい場合 測定の方法やデータの解析を
検討して欲しいなどの要望もございましたらご相談下さい。

また既存の製品を現場に合わせたカスタムなどもご相談頂けたらと思います。
図の様なカメラ用防水ケースも作成致します。
水草や海藻 培養時の藻類などの計測に活用できます。
WaterproofPAM.gif
二次元画像を利用すればこの様な綺麗な画像データが入手でき いつでもデータを呼び出して異なる角度で解析が何度でも可能になります。PAMimage.gif

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2015年01月13日

データロガーとマルチプレクサを発売開始します

MIJ-01 DataLogger and MUX32/64 Multiplexer
MIJ01pic.gif
MIJ-01 Datalogger

MUX3264pic.gif
MUX32/64 MultiPlexer

フィールドで使える多チャンネル入力のデータロガーの開発が終わりました。屋外で計測なんてやってみようかなっと思いついた方は例外なく経験してしまう3つの悪夢、設定や操作がなんでこんなに難しい?電源ってどうするよ?おいおいこんな金持ってるわけないだろう?というのがありますね。もう、この段階で普通はめんどくさくって、やっぱりやめとこう。予算申請して来年うまくいけばやろうかな。いや待て、予算の問題が解決したとして、いったい誰がやるんだこんな仕事。こう考えてしまう貴方は正しく、そもそも、データロガーの操作が難しいが故に多大な時間を使うことは、研究というカテゴリに属する方々にとって全く意味がない事だと言い切れます。単に機械の方が、もしくは機械の仕様が悪いってだけです。本当は得られたデータの解析に時間を沢山掛けて頂くのが筋ってもんです。難しい機械を使いこなせる喜びっていうのは良く解るのですが、実はそんな感覚は趣味であり仕事ではありません。また、設定が複雑なほどミスの発見も困難になりますし、ではプロにやってもらえば?という段取りも、設定の変更ごときで時間とお金がかかりますからそれはそれで不幸です。特にトラブル時などは復旧までに無駄に時間を食います。自分で設定しておけば自から普及できるので、大きなメリットです。

それでもなかなか多数の方々が日々お金と努力をつぎ込んでやるっていうのが観測です。その理由というか動機というのは、観測データにはその価値が在るってことです。今、ここで、こういうパラメータを計測しちゃったもんね、というデータは、過去に遡ることはできないという制約が在る限り、2度と計測できないってことが確実に言えるんです。そこが価値。ところが、こういう作業に向いている人ばっかりじゃあないってところが問題で、嫌々やる事になった人はどうしても存在してしまいます。そしてハイレベルなもしくはこういうのが好きな方から何でこんな程度のことができんのだ?しかもそんなつまらなそうな顔をしてって事で、その世界からスポイルされてしまいます。まさに不幸を呼ぶ仕事の1つと言えるでしょう。

ここで今回のロガーの出番です。こういう問題の全てを解決することは出来ませんが、まず安価、これは説明の必要がないメリットです。一般気象要素を計測する範囲はこれ1台在れば事足りるのに、でも高いねえとは言わせない価格。次に操作が簡単。センサー類の配線も慣れれば工具不要で実施でき、なんと言っても専用ソフトウェアELOGの操作性は中学校レベルの英単語力と、パソコン操作慣れなくてねえというおっちゃんレベルでも(たぶん)操作できてしまいます。しかも無償で上のリンクからダウンロードできてしまいます。ちなみにロガーが手元になくっても、ELOGで設定して、その設定ファイルをPCに保存することはできますので、試してみてください。ロガーが接続されていないと動かないとか、弊社から認証を受けないと動かない、なんてナンセンスな制約はしていません。最後に低消費電力です。実はここが最も重要で、数ヶ月以上の長期観測をしようと思うと、いつの場合も電源どうしようとなり、20キロ越えの電池、ソーラーパネル沢山、ひいては電力会社に頼んで延々と商用電源を引いてもらう、なんてひどい目に合うか合わないかはここで決まります。このロガーだとアルカリ単三電池4本でDIFF-8ch時に300日以上持ったりします。

もちろん完璧って物はありませんから、万能ってわけではないけれど、この道16年目の弊社が判断した「フィールド観測におけるモロモロのやっかいな事情及びその対策」ってところから優先順位を定義し、形にしたのがこのデータロガーです。優先順位とは以下の通り

1.搭載乾電池のみで長期観測可能なこと
2.アナログは熱電対レベルのμV単位から、分析計レベルの5Vまで読めるレンジ
3.アナログは差動で最低8ch
4.センサー駆動用プレヒートはDIFFの数だけ装備
5.風速計のAC波は2ch、雨量計のカウンタは4chは装備
6.シリアルも搭載する今後WXT520みたいなセンサーが増えてくると考えて
7.いまどきオンボードメモリーで容量制約はナンセンス。スロット式メモリーを装備する

以上の7点が主要な仕様。以下が付帯する仕様。
8.精度と上記仕様以外はとことんコストカット。おしゃれである必要はないからいらないものは付けない
9.初回購入なのにオプションを購入せねば使えない売り方はしない。コレ買うとこういう機能が増えるよって流れのオプションは極小にすべし

上記が優先され、実現すべき仕様でした。特に1&2が大きな課題でした。精度1mVなら1ヶ月で終わったでしょうし、電源を別供給、4,5,6が無ければ今の1/2程度まで小型化できたでしょうけど、それじゃあ意味が無い。

総じてハイエンドなユーザーのみならず一般の方々に使っていただきたく思いますし、使えるように開発しています。ここで一番の問題は、ソフトウェアELOGをなるべく直感的に使えるようにすることでした

一方で、激しくハイエンド、フルスペック、ハイパワー、ハイレベルな何拍子も揃った研究者を相手に仕事してきましたから、どうしてもそっちよりの性能を考えてしまう、つまり迷いが形になったってのがマルチプレクサMUX32/64になります。1発でDIFF32チャンネル+同数のプレヒート、どうよ?っていう方向は全く万人向きではないことは解っているけれど、やっぱりこういう遊びもやってみたくなります。だけどこれはオプションなので必要なら使ってねってポジションの製品です。

2014年11月末の段階でプレリリース版にあたる初期ロットは口コミで完売し、納品が完了しました。(長いおつき合いを頂いている方々、ありがとうございます。)そして2015年2月1日には量産ロットを出荷開始の予定です。このようなロガーですが、少なくとも10年は継続して販売していく予定ですので、末永くご活用ください。これを持って完成の報告とさせていただきます。2014年11月末日。
詳細はこちらで確認願います。
http://www.environment.co.jp/product/Logger/MIJ01MUX32.html

日本環境計測国産部門担当HK
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2014年03月13日

土壌呼吸測定の奇抜な例(デモンストレーション)

土壌呼吸測定の奇抜な例(デモンストレーション)

今回は関東の某研究所さんでガス装置のデモ依頼を受けまして
PICARRO社の装置を準備させて頂きました。
PICARRO1.jpg
当該機種2301-fはCO2,CH4,H2Oを任意の間隔で連続測定します。
http://www.sanyo-si.com/product/?category=51;product=297

野外での測定も可能ですが今回はデモという事もあり屋内で外気を引き込みながらメタン・CO2濃度の測定を試みました。
電源を入れたら数値が安定するまで30分弱でセッティングも完了です。
PICARRO2.jpg
チャンバーの開閉を20分間隔にしたので1時間で3サイクルの設定です。メタン/CO2の関連性を示すグラフも見られたので納得頂けたのではないかと思います。

今までもこれからも、弊社はガス分析に限らず様々な装置を準備して測定のお手伝いを致しますのでお気軽にご相談下さい。チャンバーの設計や作成も致しますのでこちらもご相談下さい。

それにしても某国製の自動開閉チャンバーが水に弱くてモーターが壊れるという話は面白かったですね。砂丘限定ナンですかね””

日本環境計測輸入部門担当TM
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2013年11月29日

バナナの円周長計測について(at オーストラリア)

バナナの円周長計測について

今回はなんとオーストラリアからの記事投稿です。ICT Internationalって社名は植物関係の方なら一度は聞いたことがあるでしょう。水ポテンシャル測定装置のPSYがよく知れた機器ですね。そこになんと1名だけ日本人スタッフKK氏が在籍しており、アジアマーケットを担当している都合で日本にもよくいらっしゃいます。そんな方からの投稿になります。

ついでに、本ブログは「有意義」な情報と判断できる場合、どんな方からのどんな情報でも受付します。弊社からばっかりだと情報が極端に偏ることも問題だなあと考えてるときでしたし。しかし、庭にバナナって、日本では見たことないなあ。ところ変わるとあるんですねえ、そういうことが。次回は是非マンゴーのなにかしらの測定が見てみたいです。EMJ-HK


バナナは草本の単子葉植物で、木本の樹木とはその生長がだいぶ異なり、内側から葉を生成し幹部が肥大していきます。樹木の樹皮に相当するものは古い葉の表皮(茎?)になります。
image1.jpg

一般的に樹木は春から秋にかけ幹部を肥大させ冬場はその成長が停滞します。また最近の自動計測デンドロメータの発達により、日変化の観察ができるようになり、幹が太ったりやせたりを繰り返しながら成長していることも観察されるようになってきました。
では、バナナはどんな反応をしているのでしょうか?

測定者の個人的な好奇心からバナナがどのような生長をしているか観察してみました。測定者の自宅(オーストラリア シドニー)に植えられたバナナ(測定時 高さ2m 幹周り70cm)にDBL60デンドロメータを設置して14日間観察してみました。
image2.jpg

設置直後の1月18日(南半球は夏)は当地の最高気温を更新した日で、測定器の温度センサーは55度を記録しました。その後、数日間は30度を下回る日が続きましたが、その後も日中の最高気温が40度を超える日もあり、測定期間中はかなり暑い時期でした。ここで取得したデータを見ると面白い変化が観察されています。
image3.jpg
温度変化は日射のある日中が高く、夜間が低い山型です。幹部の成長量(円周長の変化Circumference)を見ると多くの日で日中は収縮し夜間に肥大していたことがわかります。

この装置は温度と周囲長変化を同時に計測しているので時間軸は正しいです。この測定ではこれ以外のセンサーを設置していないので詳細はわかりませんが、おそらく日中は蒸散活動により幹部の水分が失われ、夜間に損失した水分を補うため幹が太っていたと思われます。

また日中に収縮がみられた日は最大気温が35度を超える日ばかりなので、蒸散速度が速すぎたため、根からの水分供給が足りず幹部が収縮したのではないでしょうか。バナナの蒸散量や蒸散速度計測をしたことはありませんが、葉が大きい分、その量も多いと考えます。

参考までですがこのバナナは14日間でおよそ15mm成長していました。

ICT International Pty Ltd
http://www.ictinternational.com
アジア地区担当 KK



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2013年11月28日

植物工場の機械化・自動化の現在

植物工場の機械化・自動化の現在

植物工場という言葉が一般化してきているように感じます。全国の大学・研究機関でモデルケースとして様々な取り組みが試されています。特に首都圏では私大も含めて多数の施設があります。

先日 東京ビックサイトでアグロ・イノベーションが開催されました。国内外のメーカー・大学・自治体がブース展示して 自動で苺の摘み取りをする機械から 銀杏の殻を割る機械まで色々とあり面白く拝見してきました。

葉野菜やトマトなどが多い中 さすがご近所九州大学の冬虫夏草はダントツでパンチが効いていました。

さてここからが本題です。栽培システムは各メーカーさん独自の商品展開されていますが、植物の生態情報や生育情報を検出するシステム化された装置はあまり見られませんでした。各大学では低コスト化された装置や自走式の装置の開発なども進められており、今後の結果に期待したいと思います。

植物の成長具合の指標のひとつとして光合成活性能力があります。まあ簡単に言えば成長にかかせない太陽光(人工光)の吸収・エネルギー効率の面で成長や健康状態を把握する訳です。PlantFact1.gif

植物個体1株づつを計測するには手間がかかりますよね“” 
その解決法として画像診断の手法があります。サーモグラフィーによる熱画像、分光器による波長測定、クロロフィル蛍光画像による光合成イメージ画像がありますが、いずれも大きな面積を一度に計測するのは現状は難しいです。それではその対処法として下記システムをご紹介します。
PlantFact2.gif

最初のシステムは設備組込式の計測システムです。稼動方法は2通りあり コンベヤベルトで測定箇所まで移動させる方法とXYZ軸でプログラムされたロボットアームが生育場所まで移動する方法です。測定面積は80×50cm角が最大面積になるそうです。
PlantFact3.gif

ヨーロッパでは農薬メーカーさんをはじめ既に導入されているそうです。測定シーケンスもソフトで管理され オートメーション化が進められています。品種別の管理法も確立されると面白くなると思いますよ。

次は路地栽培で活躍できそうな自走式です。PlantFact4.gif
しかし自走式とはいえオペレーターが一緒に移動しないとならないみたいですが、将来的には開発が進むと思います。問題点があるとすれば装置製作がヨーロッパの会社、サイズがかなり大きいので、バカにならない送料がかかります。到着後も、国内で組立て、調整などあるので手間はかかりますよね。日本国内でシステム化した方が安心できると思います。

日本環境計測輸入部門担当TM
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2013年11月05日

LAIの計測 人力セルフレベル!

LAIの計測 人力セルフレベル!

MIJ14onHel.gif

そろそろ皆さんの今期の測定も終わりに近づいているかと思われます。
まだデータが足らない方は、もうひと分張り頑張って下さい。

野外測定で日射や光量子の測定をする際 センサーを水平な状態にする必要がありますよね。皆さんはどうされていますか?

前の章で述べている通り 各メーカーさんはセンサーにオプションで水平基台が販売されています。(ちなみに弊社では組込み済です。)

移動しながら多点での測定をする場合など 三脚や1脚を準備して測定する毎に設置し、測定するのはなかなか大変かと思います。傾斜地や未踏の森に分け入る場合など尚更大変ですよね。

長年の感で分かるという達人もいるかと思いますが 若手にそれを要求するのは酷ですよ。その場でデータは確認できないので宿舎に戻ってデータを吸い上げてみたらもの凄い事になっている可能性も否めませんし。

そこでこんな方法もありますよというお話です。
(長期でがっつりと定点観測される方は、「日射計PARセンサーなどの水平器と水平出し作業が招くしみじみとした日暮れ」2013年10月25日を参照してください。)

とあるお客様が実際に行われている作業風景が冒頭写真の装備です。弊社のような会社にお付き合い下さる研究者はとっても自由というか、発想の自由度が高い方が多いというか、やりたい放題な方が多いのは確かです。逆に論文見てその通りに定型的に行動する、なんて方は極端に少ない。まあ、そうでないとウチなんかには用がないわけですが。

ヘルメットに弊社の分光方式のLAI計測システム、これ↓
http://www.environment.co.jp/product/prdct.html#Anchor1276177
を固定し、ロガーはリュックに入れて 両手フリーな状況を確保しています。

MIJ-15 LAI sensor ですが、LAIを分光という手法で計測する原理です。元々、LAI葉面積指数を定点観測、つまり1年中同じ場所にデータロガーと一緒に設置しっぱなし、無人でLAIの季節変化を測定することを主眼においたセンサーです。なので携帯、移動は考えてない。ところがやっぱり、移動計測する必要がある場合もあるんですねえ。PARとNIR2つのセンサーが出す出力の比がLAIに相関を持ちますから、枝や幹の影には応答せず、クロロフィルにのみ反応します。なので、比が重要で入射角特性はさほど気にしなくてもよいのですけど、やっぱりある程度は、ってことになります。

R/FR型の場合と、このMIJ-15とでは測定する波長のレンジが異なり、後者はブロードな波長で光を捕らえますから対外ノイズ(この場合は迷光や反射など)に強いデータが得られます。

ここからが測定のミソで、このお客が経験から発案した独自の手法。ロガーの測定インターバルを2秒くらいに設定して 両手を広げて360度を2分くらいかけてその場で回ります。

人間のジャイロ機能は凄いものでキチンと水平が取れるそうです。そして、データをアベレージにすればかなりの再現性を伴った数値が得られるそうです。
興味がある方は少ないかも知れませんけど、是非おためし下さい。

ちなみに学生さん曰く 頭が重いので測定終了後は肩がこるそうです。

あとヘルメットに目と眉毛があるのは先生の遊び心です!!

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2013年10月28日

PARセンサー内蔵のUV/IRカットフィルターの劣化要因と陰陽

PARセンサー内蔵のUV/IRカットフィルターの劣化要因と陰陽

Siフォトダイオードを使った光合成有効放射センサーでは、Siの感度波長域が200〜1100nm在るために、PARの定義である400-700nmのみに感度を持たせる際、UVとIRをカットするフィルターを用います。

そしてセンサーとして見たとき、経年劣化によってその出力が徐々に減少していき、光に対する直線性は保てるものの、個別に決定された検量線、校正係数が変化してしまうという現象が生じます。

その主な要因は具体的には、UV/IRカットオフフィルターの金属蒸着膜の劣化であり、劣化の要因は水蒸気、水であると。金属の酸化なもんですから現象はとても単純です。

では、フィルターの劣化は具体的にはどんな具合なのかというと、そんなのを調べた論文なんて見あたりません。

弊社には幸い(?)にもそういう壊れた色んな測器がユーザーから送りつけられてきます。この場合、所詮ジャンクなわけで、分解するのに抵抗は全くなく、平気な気分でいろいろな症状を確認できるのですよ。

多くの場合、弊社で販売した測器ではないことが多く、ユーザーの意図としては、「おめえんとこ国産でいろいろ作っているわけだから、こういうひどい壊れかたをするブツは作るんじゃねーよ。だから、これ見て学べ。」という、そういう優しいメッセージではないのかなと想像してます。だって、メッセージも連絡もメモすらないわけで。

では典型的なUV/IRフィルターの劣化を確認してみましょう。分光器にかけると、こんな感じの結果を得られます。
UVIRFIL.gif
一目瞭然ですね。透過スペクトルの形はセンサーとしてオーバーオールの特性ではない事に注意。UV/IRフィルター単独の透過スペクトル。この透過した光がSIに到達する構造です。

PARの仕様書に書かれている呪文の1つに、「年間ドリフトが×.××%程度生じるので、年一回程度で送り返してね。再校正して送り返すってサービスやってるからね。そんでもって、そんときの料金はこのくらいなんで、よろしくね。」というのがあります。

ここで言いたいことはもう解りますね。これだけ分光感度特性が変化した物を再校正って、幸せになれるのか?

まともな判断として、これはゴミです。ついでに、ゴミの判定基準は新品時の出力の-10%を越えた物は全部潔く捨ててしまってください。たとえそれを再校正して使っても、あなたの論文に使える確度を持つデータは決して得られません。だって、手元にあるそれは、PARの定義からずれてしまった分光感度なのですから。特に赤の領域が過小評価されて、相対的に青が強すぎる感度になっています。

LED光源なんかを使う植物工場の場合はもっと悲惨で、赤はメインの照射光ですから、LEDが劣化したのか、センサーが劣化したのかわけ解らなくなってしまいます。

追記すると、劣化の方向がプラス側だとすれば、それは他の原因が考えられます。拡散板の劣化の可能性もありますが、電気的な故障の可能性も含んでいます。捨てる前に出来る範囲で点検するのは良いと思います。

「劣化を防御する方法は無いのか?」という事は当然考えますよね。でも残念ながら、ありません。劣化を防ぐには水蒸気、水をシャットアウトする構造でなくてはならず、それはそういう設計をしてから製造するしかなく、ユーザーでは手の打ちようがないのです。ただし、お金をかければ別ですよ。ガラスドーム日射計の筐体に入れてしまう強者もごく少数いらっしゃいますし、それはとても早い正解だと思います。

「フォトダイオード日射計」2013年10月07日で掲載した内容の通り、アクリル拡散板を採用した時点で、設計者は吸湿性(=透湿性)を認識した上で採用しているわけで、内部に乾燥剤を入れたりしても対策にはならず、結局のところ推定寿命長くて2年、修理不可能という設計、仕様で製造しているという話になります。

世界を見れば湿度の低い場所が在ることにはありますから、そういうところで使う時には、寿命は延びるでしょうけど、日本を含むアジア、熱帯で使う場合は寿命が設計より縮むわけです。たとえ室内で保管していてもです。

じゃあ、ウチではこの問題にどう対処するのか?というのが本題です。以下の水を入れない対策2つ、それでも入る水の対策1つ、そして最後の手段1つという計4種類の対策。

1.水蒸気と水を中に入れない手段として、PTFE製の拡散板を採用しています。PTFEにした理由は耐候性や紫外線の透過性能なども在るのですが、一番の理由は、エンジニアリングプラスチックの中で、吸水性が0というのは、PTFEとPFA程度でしょう。後者は透明度が高くて、光の拡散が少ないのでセンサー目的には使えず、そうするとPTFEのみが残ります。

2.Oリングからごく微量透過する大気中の水蒸気の対策として、ガス透過係数の低いU種NBR(普通よりちょいと硬いやつ。普通は1種)を選定。バキュームグリスを忘れずに。U種の水透過率は「低い」と言えるまでで、0ではない。

3.ということは、それでもやっぱり入って来る水、しつこいですね。なにせ大気中には常時水蒸気が存在し、雨も降る、だから、乾燥剤としてモレキュラーシーブを封入します。粒径1mm程度の1粒あたりでMIJ-14のデッドボリュームに30℃、60%RHの水蒸気が入った場合、DP-50℃まで乾燥出来る計算ですすが、これを約100粒を内蔵。

4.理想的には半年に1回、甘くて1年に一回は乾燥剤を交換していただきたいのですが、そうすれば、水がないからフィルターの劣化も起こらない。しかし、ご存じのように、そういうメンテは忘れてしまう事が多々ありますよね。例えば5年ノーメンテだと、いくらなんでも劣化しないと言い切れないわけですが、ここで、最後の手段、もし、フィルターが劣化した場合、そこだけ交換可能です。

DSC00385.gif
電気関係とフィルターを除く主要構成部品の写真。旋盤加工品が多いです。
すみません。フィルターは撮影目的程度では封を切りたくないんです。組み立て直前に封を切ります。

「修理できるできるって言うけど、一体なんぼかかりまんねん?」と思いますよねえ。
「そりゃあ懐次第でっせ。」とは言いませんからご安心を。ウチは時価のすし屋じゃないです。こちらに予想される主な修理内容と校正費用を掲載しています。http://www.environment.co.jp/study/MIJ-14Repair.pdf
腰上と腰下で校正の必要の有無の分岐はどうしても生じます。

話は飛びますが、PTFEを採用した段階で、あたりまえですがPTFEのデメリットともつきあわねばなりません。プラスチックのくせに射出成型ができない。これは切削で対応出来るのですが、やっぱり高めになる。もう一つがやっかいで、接着剤でくっつかないという嫌な性質。くっつくと謳う特殊な接着剤も在るには在るけど、耐候性、寿命が短くて使えない。なのでOリングで締結するしかないのです。これは明確にコストアップを招くデメリットなのですが、ここに、「修理できる」という概念を持ち込むとメリットになるとも言えます。

フォトダイオードを使った光センサーの類は、えいやっとエポキシ系接着剤で筐体内部を埋めてしまい、拡散板も接着剤でくっつけてしまうという構造が多くの場合採用されているのはご存じの通りです。だから修理できない使い捨て仕様になってしまう。

一方で、弊社のセンサーはそういう構造とは無縁なので、修理が出来る。しかしながら自動的に製造コストはざっと5倍以上はかかってしまいます。だから本当は販売価格を今の1.5倍にはしたいけど、でもねえ、多くに使っていただかないと意味がない。

値引きが難しいと言うデメリットは、どうか、理解してください。販売価格を高めにして、値引きして販売する事よりも、販売価格そのものを下げる事の方が仕事なんじゃないかと思うからです。こういう数が必要な類の製品は。

メリットはデメリットと対である。陰と陽ですねえ。

日本環境計測国産部門担当HK
http://www.environment.co.jp/
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2013年10月25日

日射計PARセンサーなどの水平器と水平出し作業が招くしみじみとした日暮れ

日射計PARセンサーなどの水平器と水平出し作業が招くしみじみとした日暮れ

「おたくのね、PARセンサーを使ってるんだけど、これ、3本のネジで水平出し、2本の付属ネジで固定って書いてあるじゃない?それ、やり方がわからんのよねえ。あと、なんで先がとがってんのよ?危ねーじゃねーか。そんでもって、これ、抜けねーぜ。どうなってんのよ。」

意外な問い合わせである。本心はね、見りゃ解るだろ、そんなもん。と思うのだけど、やっぱりねえ、そうとは言えず適度に解説を始めるわけです。結果、20分を消耗してしまう。

ウチの製品を買ってくださる方の大半は、「よく解っている人」なのを良いことに、「そうでない人」、もしくは「これからそうなろうとしている人」、もいらっしゃるはずで、そういう事を確かに忘れている事があるなあと実感させられました。その理由で、このタイトルです。

光関係の測器には水平を確認するものが最初から付いていたり、オプションで付けたり、という違いはあるけど、なんらかのそういうものが使われています。名称なんか知らなくても、その使い方や意味は見ただけで明確なので、気にしてないのが普通ですし、詳細を知る必要は全ての人に対しては無い、と思います。が、せっかくなので、正式名称を公表します。

「丸型アイベル水平器」と呼ばれています。

無駄に学べますねえ。僕も買うまで知りませんでした。割と色んな用途で使われておりますけど、例えば昔のレコードプレーヤーの高級品、最近でもCDプレーヤーの水平出しに使う方も居ますし、(どっちもマニアですね。)、もっとメジャーなところではカメラの三脚に使われてますね。

色んな仕様の物があるので他社製品には当てはまらないのですけど、弊社の光センサーに装備されている水平器の仕様は以下になります。

外径 φ12mm
高さ 7mm
材質 アクリル
感度 R114
液色 無色
基準 底面基準

もちろん「国産の」特注品です。何故国産を強調するかって言うと、さかのぼること5年ほど前、中国製をただ安かったという理由だけで採用したときに、液体が全て蒸発してしまったという痛い目にあったからです。なんとその確率は1年以内55%以上、2年以内100%という素敵な数字を記憶しています。この蒸発は、屋内保管であっても生じる現象だったのは忘れもしません。この理由で、海外の部品は、致し方なく使うしかないとき以外は、決して積極的には使わない決心をしたのでした。

普通は気泡が中央にくるようにセッティングして、固定する。それだけ考えておけばよいのです。ただ、たまに調整が難しいときがあり、例えばタワーの上に設置したら、タワー自体が風で揺れるもんだから、日射計の水平も当然ながら定まらないって場合などに出くわします

こういうときは現実を鑑みて完全な水平をあきらめるのですが、ここまできてやっと浮かんでくる心配事があり、一体何度のエラーが生じているのだろう?と、やっぱり思うわけです。そして家に帰ってからもそのことが気になって眠れず、かつ、そういうわけわからん事で悩んでいる自分が許せない、なんて気分になるのは健康によろしくないのです。ここで白黒つけましょう。

まずは、水平が出たときの気泡の位置。ど真ん中です。極めて理想的。
level00.jpg

次に0.5度の傾き。赤い線と気泡の外周が重なったところになります。
level05.jpg

次に1.0度の傾き。気泡が1/3赤い線からはみ出たところになります。
level10.jpg

これが上記仕様の感度R114の場合の見た目と角度です。ついでに言うと、1.0度を超えて更に傾けても、気泡が素直な動きじゃなくなります。それはレンジが狭いんでないの?と思うかも知れませんが、実はここには設計者からのメッセージが込められていて、「性能を出し切るには1.0度未満の調整をお願いしますね」と言っているのです。

もう少し正確に表現しますと、「こっちゃあねえ、入射角特性を結構努力して向上させてんだから、そりゃあ、涙ぐましい時間を過ごしただけのことはあるってなもんよ。だけどね、最後の最後に設置が甘いと、全て台無しにしちまうってなもんだ。そういう事なもんだから、どうか、どうか、せめて水平±1度未満には調整しておくんなまし。」となります。

実際の目標値は、赤い丸の中に収まっていればOKと考えてください。僕のようなマニアはひたすらど真ん中を目指します。

さて、その調整はどうやるかというとですね。コッチの方が案外知れ渡ってないかも知れません。適当にねじ回してみれば案外それで出来たりしますから。

図示します。
neji2.gif

例えば、オレンジを右に回すと気泡は左上側に動きます。他の色も同様です。こうなる理屈は、ネジを右に回すと、回した分だけネジが底から出っ張ります。その部分が持ち上がるわけです。そうすると気泡は上に行こうとする。たとえば、写真の状態の気泡を真ん中に寄せようとする場合には、黄色を右回しする、が正解になります。

一番大事な事は、気泡は上に行こうとする。これです。調整時は気泡になった気分でネジを回してみてください。不思議と、とっても素直に動いてくれるはずです。どこまで気泡になりきれるかが勘所です。

さて、水平器と水平出しの手順が理解できたところで、弊社の水平出し用のネジ3本の先は何故とがっているのかについて、まずは現物確認を
togarisakineji.gif

こんなものです。
次に図解しましょう。上図が普通のM4ネジを使った時、下図がとがり先M4ネジを使った場合です。
levelMIJ.gif

普通ネジの場合、ネジの半径2mmだけ支点が動いてしまうことが解るでしょうか。そして、この支点の動きは気泡が中央付近に近づくほど頻繁に、いきなり生じる特徴を持ちます。

この動きが実にやっかいで、実際に操作してみると、「あとちょっとで気泡が真ん中に来るねえ。終わったら一息入れるか。」と比較的安泰な気分になりつつある時なんですけど、そのとき、ほんの少し、ほんの少しだけネジを回すと、気泡がグワンとまるで音を立てたように大きく動き、んおっ?という気分になってしまいます。

一回目は良いんですよ。んおっ、となるだけだから。しかし、その後も同じ事を繰り返してしまうことになるのが常で、最後は、「もういいや。この辺で。やるだけのことはやったもんね。」か、「日頃の行いが悪いのかなあ。まあいいや、今日はひっそりと一人で飲みたい気分だな。こういう場合はカウンターがいいかなあ。」か、「なんだコノヤロウ、喧嘩売ってんのか?テメーっ。上等じゃねーか。表へ出ろ。」となるか、その辺の、つまりあまり良い気分では無い、空虚で、次にあきらめて、しみじみとした気分になります。そして気がつくと空はもう夕暮れ時。もうたそがれるしかない。

そりゃあそうでしょう。水平を出す目的の装置が水平を出せない装置になってしまっていて、それを見抜けず買ってしまったことが原因だから。

そして、一番の問題は、気泡は傾いたままというオチ。
でもそれは「あなた」のせいではなく、「ねじ」が悪いと断言します。

では、とがり先ネジを使うとどうなるか。実に気分が良く、短時間で完了できるわけですね。そんで気泡は真ん中に来る。支点が動かないからです。

そしてこのとがり先ネジ、実は旋盤で、一本ずつ切削加工して製造しています。なので、見た目より高価な部品。そうすると、こういうネジは是非とも無くしていただきたくない。そういう思いから、ネジが抜けないように設計しています。抜こうとするとネジ頭が遮光リングに干渉する設計なんです。こんな按配。
togariStopper.gif

こういう理由があるので、イジワルでそうしているわけではないことを、どうか解ってください。

日本環境計測国産部門担当HK
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2013年10月23日

日射計の温度特性と家庭用ホットプレートと諸行無常

日射計の温度特性と家庭用ホットプレートと諸行無常

前回は、日射計の応答速度のお話でしたが、今回は温度特性について記述します。あらゆる測定器について温度特性と呼ばれるエラーの1要因が仕様書に記載されている(まともな測器の範囲で)のですけど、それって何よ?という方も多いと思います。ユーザーからするとそんなのは考えたくもないし、本来はそんなのを考えなくても良いレベルまで、製造側が「作り込み」をすべき所です。

一方で、製造側からすれば、それはめんどくさいし、妙に難しいし、最後のとどめは、開発と製造のコストが上がった分、販売価格を上げる必要があるけど、8割のユーザーにはその意味を理解してもらえず、姿、形、目的が同じように見える競合品の方が安ければそっちを選択するという自らに不幸な結果を招く、つまり、関わるとあまり良い事がないという特性の1つです。

だからこういうのは、手を抜こうとすると、こういう条件の下でこういう精度ですよ。という記述で終わらせてしまおう、目立たないような記載で、と考えてしまう事も解らなくはないです。

では、それを理解する、もしくは理解しようとするユーザーにとっては、どの程度の意味と考える価値があるのか?を日射を例にしてお話ししたいと思います。

先の記事で掲載したISO9060を再表示します。ISO9060.png

温度特性の項目が上げられていますね。±2、±4、±8%という順番で定義されています。センサーに定常光を照射し続けた条件で、50℃の変化が生じたときの出力変化の割合を示しています。動いちゃいかんだろ、そんなもん、と思うでしょうけど、動いてますし、そういうのを無意識か意識しているか関係なく使っているのが現実なんです。

具体的には-20〜+40℃くらいの範囲での試験結果が多く、これは、昔のフロン冷媒型の環境試験器の性能のうち、低温寄りのスペックに該当しています。実際にこの温度変化で特性が変化するのはサーモパイルのみですから、その付近の温度を計測しつつ、X軸に温度、Y軸に出力をプロットすれば、温度特性のグラフが描けます。

この50℃のレンジは実はとても的を得ていて、日本でもだいたいこの程度年変動すると考えて良いです。実際はそんなに無いじゃないのよ?と思われるかも知れませが、気温の変化ではなくって、日射計の温度ですから、夏は40℃越えますし、冬は場所にもよるけど0℃未満になることも多々あり、特に放射冷却がきついときのサーモパイルの温度は、黒色ということもあり、とっても冷えてます。

そして、その温度変化は日変化と年変化の両方がひっきりなしに生じています。この辺で、この特性の重要さがおわかり頂けるはずです。言い切りますが、この特性はとても重要なのですよ。

弊社でもこういう試験は環境試験器で行いますが、実際の所とてもめんどくさい試験です。試験結果の再現性を確認するために複数回の試験を行ったり、光源そのものの時間変動をフィードバックしたり、冷却時に結露が試験の邪魔をしたりするので、その対策をする治具を作ったり、センサーの筐体が持つ熱容量次第で、試験器の温度変化の勾配を検討したりなど、など、という塩梅です。

こういう話はノウハウもあったり、そもそも明るい気分にならない類の話です。ここまでがんばらなくても、かつ、お金が無くても、かつ、人に頼らなくても、楽しく、笑えて、ちょっとだけスリルを味わいながら試験できる方法があります。その実施例をSiとGaAsP型フォトダイオードの温度特性の測定について記述しましょう。こういうことをかつてやったなあという、回顧録でもあります。

それぞれの感度波長帯は一般的に、Siが300〜1100nm 、GaAsPが380〜690nmです。偶然にもGaAsPはPARの定義にほぼ同じなので、PARによく使われますね。Siはご存じだと思いますが日射計によく使われます。

ここでおもむろに家庭用ホットプレートを登場させましょう。これはあれですよ。ホットケーキ、お好み焼き、ちょっと気が利く場合はたこ焼きも焼けますというあれです。お持ちじゃない方はリサイクルショップか、粗大ゴミで入手しましょう。そういう出の悪いブツでも、経験上90%の高い確率でちゃんと動きます。今回の用途では焦げ付き予防のテフロン加工が剥げていても全く問題ないです。捨てられる原因は主にこれです。

このときは、各センサーに熱電対を組込み、90℃まで加熱後、放置、自然冷却される過程を記録しただけ。そのときの写真がこれ。
Hotplate.gif

なんとも素敵な光景。とてもまともな人間がやる事じゃありません。

計測の間は定常な光を連続的に照射する必要があったので、それには一つのハロゲン光源を2分岐の光ファイバーで各センサーに導光する手法を採ってますが、普通はそんなものは持ってないですから、古くて使わなくなったプロジェクターで広範囲に光を照射するか、車用のハロゲンをバッテリー駆動するのも良いでしょう。注意するのは1点だけ、点灯後30分程度は暖機運転してから試験してください。あらゆる光源は、バルブの温度で出力が変動するからです。30分も待てば気温、放射との熱平衡が完了しますから。

ホットプレートの温度コントローラはバイメタル式、つまりON&OFFの制御が一般的です。そして、そのやり方は結構テキトーで、だいたいこのくらい、という表現になります。

センサー側に温度計を仕込んで、その温度を見ながらコントロールするわけですが、プレートの温度とセンサーの温度には大きな時間差があります。だから、例えば、3分加熱、電源を切り、その後のセンサーの温度変化を20分確認する、という具合に、何度かにわけて、そのときの室温、使っているホットプレートの能力、調子の悪さ、プレートとセンサーの熱結合の按配などで決まる時定数を確認しながら、加熱時間を秒単位で決めていく事が肝要です。

設定と結果の関係はリアルタイムだとは言い切れない場合が多いので、こういうことになります。なんだか麹菌を育てる杜氏のような話になりましたが、あっちは結果がもっと長い時間の後に出てきますから、ホットプレートのほうがだいぶマシです。

経験上センサーの温度が120度を超えると、何かがおかしくなったり、自然冷却後もセンサーの特性が変わってしまったりします。これを破壊と言います。

実際に180℃を越えてしまったとき、気泡レベルの液体が気化か膨張したせいで、破裂させてしまったことがあり、爆竹程度の音がしました。この辺がスリルというか、醍醐味でしょうか。結構楽しんで頂けるはずです。

さて、こういう形でチープに実施した試験の結果を示します。
tempGaAsPSi.gif

結果として温度特性は、Siが-0.03%/℃、GaAsPが+0.097%/℃。さて、ここで、先のISOの基準を同じ指標に換算してみましょう。±2、±4、±8%/50℃は、±0.04、±0.08、±0.16%/℃。

Siを見てみるとセカンダリースタンダードの枠に入ってしまいます。なんにもしなくても。GaAsPでもセカンドクラス程度は満たしています。

ただし、ここでの試験の条件として、Siの受光波長帯のフルレンジにおける温度特性であり、日射計に使う場合はこういう特性、PARに使う場合は、そのウチの400〜700nm範囲での温度特性を論じるべきと言えますから、Siはこうである、という乱暴な言い方はできない事に注意せねばなりません。波長毎の温度特性を求める必要があるということです。

こういう試験レベルでは楽しい、とだけしか思わないわけですが、その延長に何が見えてくるかというと、CMP22というハイエンド、別格、唯一無二に位置する100万円の日射計。その温度特性は+0.017%/℃ at –20 to 60℃というとても良い値を出します。150年の歴史の成果、温度特性がリニアなサーモパイルに非リニアなサーミスタの組み合わせで、実用温度域の温度特性を極めた経験技です。

うかつにも、かないっこないなあと当初は思ったのも事実でしたが、それでも、この数字を乗り越えなければならないわけです。安価に、安易に、という項目を更に付け加えて。特に日本の職人はそうでなければ存在理由が無くなります。

さてここで、うちの職人はどうしたかというと、受動型温度補償回路P.T.C.C.(Passive Temperature Compensation Circuit)を開発し、販売中の全ての光電型(K2型と呼んでいる)に搭載しているというのが回答で、±0.01%/℃という値を出していますが、まあ、その背景にはとてもめんどくさい、時間がかかる、そういう類の回路の調整を行ったわけですが、量産時は何も考えないで、組み込めばよいだけ、という設計をしています。このような結果になります。
PTCCresult.gif

そうまでしてでもですよ。結局は50℃の変動で0.5%は誤差が生じるのです。完璧はない。

日本には諸行無常という言葉がありますが、この世の現実存在はすべて、姿も本質も常に流動し、変化し、一瞬といえども普遍性を保持することができないって意味らしく、それはものづくりの職人の場合には痛感する場面が多々あります。

諸行無常の物体たちは、それぞれについて解明すれば、性格というかクセがあり、そのクセは再現性があったりするわけで、そのことを理解し、ひらめき加えて、それらを仲良くなる方向に組み合わることで、統合する。そうしてやっと、ある1パラメータだけが「常」になるという工夫、これが「精進」なんだろうなあと考えたりするわけです。PTCCはその代表的な作業でした。

最初から「在る」物性とは関係なく、ただただ、人の都合に合わせているだけなんですけどね。

そう感じてしまうタイミングは、ねじを回したり、はんだ付けしながらなどの、頭を全く使わない場面が多いんですけど、そういう瞬間が「無我」だったりするのかなあ。だとしたらもっともっと考えない時間を増やすべきですねえ。

無我じゃなくって馬鹿になるって。

日本環境計測国産部門担当HK
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2013年10月08日

日射計の応答速度に関する考察

日射計の応答速度に関する考察

前回は、新規開発したSi日射計の評価と、その限界についてを述べ、2つの異なる原理で日射という同じパラメータを計測し、その差は異なる誤差要因がそれぞれに内包された結果だけが目に見えてくるものであり、特定の誤差要因(この場合はスペクトルエラー)のみを評価するという事は、とっても難しくなってしまうという内容でしたが、今回はその一例として、応答速度について述べます。

何故応答速度?と思うかも知れませんが、弊社の光センサーの場合については、入射角特性、温度特性については、熱型とおおよそ同じか、もっと良いというところなので、残る評価可能なパラメータがそれしかないという理由です。

もちろん先に述べたように、熱型特有のエラーもありますが、それは評価方法も含めていまいち確立されていないので。

以下は曇りの日の8分間の抜粋データ、インターバル1秒、瞬時値の記録結果になります。抜粋の根拠は、変動が激しく生じた部分になります。


ErrorMIJ_CMP.gif
Location:EMJ roof top Fukuoka-city (N33.687215,W130.442657)
Time:2013.10.3 9:40 to 9:48

通常の業務的な日射の観測は実際のところ、インターバル10秒から10分、瞬時値の記録というのがその範囲でしょう。これは熱型を使う場合、その応答速度未満で計測しても意味が無くなるというのが理由です。その瞬時値に含まれる応答速度を起源とするエラーについてのお話になります。

ここで使用したCMP21はカタログによると5秒(95%応答)ですから、比較的早い方と言えます。対するMIJ14RADは0.3μsec(99%応答)になり、おおよそ0.3/5000=6×10^-5、5桁の相違です。

測定値が急に下がったときに、エラーがマイナス側に振れ、測定値が急に上昇したときに、エラーがプラス側に振れるという特徴が見えます。ここで言うエラーとはMIJ14RAD÷CMP21です。

次に、エラーと勾配W/m2/secの関係を見てみましょう。

Error_DeltaW.gif
驚くことに、とても素直な関係にあります。応答速度の相違によるエラーと断定してよさそうです。さらに予想と異なり、±10W/m2/sec程度の変化でも5%程度の誤差に相当しています。この程度の変化は実際の日射強度の変化においても、頻繁に見る範囲です。

Error =0.0036×ΔW+1.0
Error:CMP21/MIJ14RAD
ΔW:CMP21の1秒間での変化した出力(W/m-2/sec)

式にすると、なんだか論文風に見えてしまいますねえ。第二項の1.0は勾配が無いときのエラーという意味で、1.0はエラーが0を意味します。

エラーの定義をMIJ14RAD÷CMP21ではなくて、MIJ14RAD-CMP21にしても同様な相関関係が得られ、以下になります。
Error_DeltaW2.gif

Error =1.6953×ΔW+4.6103
Error:MIJ14RAD-CMP21(W)
ΔW:CMP21の1秒間での変化した出力(W/m-2/sec)

意味するところは同じですが、絶対値を補正していて第二項が4.61。意味はわかりませんが、第一項が今回の解析範囲でも±45W程度に相当するので、その1/10と考えると誤差範囲なのかなと思います。もし、上昇速度と下降速度に差があったとしても切片は関係ないですし。

あ、今気がつきましたが、4Wというと熱型の出力が0.03mV程度なので、ロガーが拾ったノイズレベルという見方が良いかもです。


フォトダイオードの熱型に対する優位性を示したかったんですが、確かに示せてはいると思います。しかし、どっちかというと、熱型の応答速度起源のエラーをフォトダイオードで補正できそう、という方向が面白いかもしれません。だって世の中、既に熱型があふれていますから。そして高度なレベルの観測では1%未満のエラーを追及してもいますしね。瞬時値に10%以上のエラーが含まれていて、それを補正できれば、それはうれしいことじゃないかなあと思います。ま、曇りの日だけの話ですが。

曇りの要因が水蒸気や雲であれば、今回の勾配の変化は、主に雲の厚さに依存していると思われ、雲の透過スペクトルの形は変わらず、透過の度合いが変わるだけと考えられます。そうすると、応答速度の違いによる熱型の瞬時値に含まれるエラーの補正が出来る可能性は示せるかなという意味です。8分間で、他の条件(入射角、温度特性など)や、センサーの状態などもそう変化していないと思いますし。

総じて言うと、前回の「フォトダイオード日射計」で評価した、曇りの日のエラーは、これはフォトダイオードのエラーを表現したつもりでしたが、熱型のエラーを表現してしまった。というほうが正解かなあと思います。前回は10秒平均値を5分インターバルでデータ取りしていますので、今回よりもエラーが低く見えるというだけ。したがって、日積算値の年変動でしか評価方法は残っていません。これはとても時間を要するので、この話の続きは先になります。


話を戻して、こんな数字遊びは、どちらかというと僕を含むマニア向けか、微気象、森林のギャップの計測やPV向け、つまり高速度で計測せざるを得ない場合のお話です。飛行機に搭載してという場合は、もはや熱型は思いっきり不利でしょう。PV向けの場合はリファレンスセルと呼ばれるものを基準にすることがありますけど、それは入射角特性、温度特性などが無茶なので、太陽光強度を計測しているというよりも、小さな太陽パネルを置いてみた、というくらいの意味しかないでしょうから、確度という意味ではとても意味があるけども、精度という意味で、もしくは環境においたとき、という評価では意味がなくなります。

そういう理由で、熱型のほうがよいという文脈もネットだけでもよく目にしますが、今回の考察で、そうとも断言できないもんね、という根拠が示せたと思います。少なくとも10秒超えの応答速度の熱型は、問題の方が多いかもしれないという話を以下に。

少し一般論に戻して、一般的には日積算値がミニマムの値なので、もっとシンプルに、ただ瞬時値を積算するだけでも、ここでお話しした補正、もしくは応答速度の問題をクリアにする事が可能です。

この方向の場合、付け加えるならば、5秒未満応答速度の熱型に限っての参考例(ソレしか持ってないので)としてですけど、10秒平均値ではエラーは半分にもならず、100秒越えで1%、600秒で0.5%になりえるとは言えます。これはグラフで表現します。
Ave.gif

ただし、大前提として、今回の考察は1秒のインターバルが元になっているところが注意です。10Hzで評価するとエラーはもっと大きくなるでしょう。地表に達する実際の太陽光線の周波数解析が先になり、変動周波数の分布を確認してからインターバルを設定しないと本当の意味での考察にはならないと思います。ここは論文じゃないから勘弁してね。これ書いているのは研究者じゃなく、ただの職人ですから、ものづくりが一番の目的なんです。

一般向けに言えることとしては、応答速度が10秒以上のファーストクラスやセカンドクラスをお使いの場合(中には30秒かかるものもあります)で、日積算以外の値をパラメータにしている研究の場合は、曇りの日や人工的に遮光するなどの場合、とっても注意が必要だとは言えます。

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2013年10月07日

フォトダイオード日射計

フォトダイオード日射計

先の記事で、既存のフォトダイオード型日射計の問題点の解説を行いましたが、今回は、その続き。

アクリルの拡散板は、PTFEの拡散板を作ったら解決しました。以上です。本当にそれで以上なんです。何故かというと、紫外線劣化無し、酸やアルカリの劣化無し、吸水率0%、もはや何も問題を起こさない物質です。一点のみ、物性に過度な特徴があり、そこのお話は後ほど。

もう一つの波長応答特性について、Si日射計の中身、Siフォトダイオードは図のような波長に応じた感度が代表的です。

sisensitivity.gif
参考までに晴れ、くもりの時のスペクトルも表示しています。Siは300から900nmにかけて感度が上昇し、その後1100nmにかけて上昇するという特性を持ち、太陽光線は500nmをピークに山形となります。晴れとくもりのスペクトルの大きな違いは900nmあたりで分割でき、900までは晴れの方が相対強度が高くなり、900以上は低くなるという性質を持ちます。

この事から、Siを使うと晴れと曇りでオーバーオールのスペクトル感度が変わってしまうため、誤差が生じ、「熱電堆式の方が感度がフラットなので、その誤差が小さい」という表記は「Si日射計+スペクトルエラー」とか「シリコン日射計+スペクトルエラ」と検索すると、20000件以上(日本語だけでもね。ちょっと異常。)、同じ事書いてるねえという事が解ります。一体何人がコピペした表現なのか?驚きです。なんか理由があるんだろうか?

つまり、先のISO9060では受光波長域がSiは狭いとされ、感度のスペクトル強度を見ればフラットでないからダメ、そういう事になります。ただ、そんなことは百も承知、それ以外のデメリットが無いという部分に着目するのが今回の開発です。しつこくいきましょう。

ここで可能性を考えてみます。波長範囲はどうにもなりません。物性ですから。一方、感度がフラットではない、というのは調整できるか?できますねえ。PAR作るときには、そんな技術は基礎です。

で、そういうことを行なうとどういう結果になるのか?
誰もやってないので、解りません。

ではやってみましょう。その結果がこちらです。

晴れ
compariClear.gif
くもり
compariCloud.gif

PROTO1がカスタム品、PROTO2がスペクトルをいじらないタイプ。基準はCMP21(50万円超え)の通風ファンが無い仕様のもの。インターバル5分、平均化10秒の条件。

なんだかとってもあっさりと、しかしまあまあ良い結果と言えるでしょう。

本当は、ここから先の調整をやりたいと思っていたんです。しかしながら、開発しているSi日射計がスペクトル以外にエラーの要因が無視できる所まで完成させているため、逆に熱電堆式のエラーの要因の方が数多くなってしまうため、ここから先はどっちが正解なのかが良く解らないという問題が出てきてしまいました。特にゼロオフセットエラーは、ISO9060では通風ファン付きの条件で、って書いてあるし、じゃあ、ファンがないとどの程度出ているのかとなると、そんな論文は見あたらないし、というわけです。

唯一数字が上がっているのは、±7W@200Wファン付き時って書かれている数字だけ。でもそんなのはきっと200Wの時だけ出るって意味じゃないし・・・。

行き止まり。ですね。

しかし、これだけでは、なんだか残尿感しか残りませんねえ。なので、積算日射量という概念に逃げてみます。

それ、何?という方も多いと思われますが、文字の通り、日射の積算した値です。どうするかというと、記録したデータを全部足して、プロット数で割って、平均値を出し、それをプロット数だけ掛けて、以上です。ただ、WではなくJを使うことの方が多いので、これに60×60×1000します。

するとこうなります。
comparisigma.gif

結果として、もうこの程度のエラーは現場では本当にどうでも良いですね。Siのスペクトル感度の最適化は、効果があるとの判断もできるし。

実際のところ、ガラスドームが汚れたら、この程度は直ぐに出るエラーです。鳥の糞は何故かよく命中するんですけども、そういうときはこんなもんじゃあないです。

こういう流れと理由から、これ以上の評価は出来ないと判断しました。ただし、チューニングの継続はやっていこうと、実際継続しています。

ただ、今回は20000件という数字がとっても心に引っかかりました。英語では7000件未満程度なので、人口比ではもっと異常な値。日本人はそんなにフォトダイオードがキライなのか?と。じゃあ、SIの良いところを記載しても多勢に無勢なので、問題なく言い放題じゃないのと思いましたので、次回はそういう部分を遠慮気味に少しだけ。

なぜ遠慮しなければならないのかというと、世の常で、多勢に無勢な場合、無勢側は理屈抜きでボコボコにされてしまう運命だからです。これは人間の本能であって、理屈じゃなく、アカデミックな場所であっても普遍だからです。

しかし、2万件のリンクをたどると徐々に本音が見えてきますね。フォトダイオード型はサーモパイルに比較してこういうだめなところがあるので、後者を買ってね。という脅し文句ですね。これは。ただのセールストークで、真意は高いほうを売りたいだけというのが本音でしょう。そんなのにつきあっても時間の無駄。忘れましょう。

次回は、上記のグラフや計算結果は、熱型が持つ問題が表面化しているとも言える部分についてのお話です。


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2013年10月04日

熱電堆式日射計とフォトダイオード日射計

熱電堆式日射計とフォトダイオード日射計

なんと5年。

振り返ると2008年からお日様と格闘している事に最近気が付いてしまったのだけど、熱電堆式の老舗Kipp&Zonenの歴史が150年なわけで、それは大した時間じゃないのかなあとも考えられ、頭の中で仕事の遅さを良いように解釈している次第。

ただし前提として、日本の隅っこに位置する完全に零細な弊社が開発なんていう、つまり自由な時間とお金が出て行く、普通は大手しかありえないような贅沢なことができるのか?その理由は、弊社からなにかしら購入してくださるお客様から頂く利益が原動力であることは確実な事実です。感謝のみしかありませんし、実際に「そろそろ新しい何か、出てんじゃねーの?まだか?」という声は頂くわけです。

お買い上げいただいたときには声だったり文章だったりはしはしますけど、「ありがとうございました。」と言いますが、実のところ、ウチの場合は、その後にもっと重要な言葉が隠されており、

「ありがとうございました。今回の利益は○○○の研究開発費用に当てさせていただきます。」

もっとそのときの気持ちを具体的に表現すると

「ありがとうございました。今回の利益はうちで使う環境試験器の購入費用に当てさせていただきます。どうしても今回の試作品のテストにはこれがないと性能試験に支障が出てしまうんです。お買い上げいただきました品の使い道や研究テーマとはまったく関係がなくて申しわけないのですけども、完成の暁にはきっと喜んでいただけると、仮にそれがお客様自身じゃなくても、知らないどこかの研究者にはそう思っていただけると、そう思う次第です。」

となります。「仮にそれが・・」この辺が心苦しいから、全部は言えないってことは多々あります。

だから、とっても自然な流れで、開発の範囲は決まってきます。お客様が喜べるものになるのか?できれば対象が広いととても良いんじゃないの?という尺度だけです。ただ問題が・・・、

スーパーニッチなのにスーパーリッチじゃあ決してない、そういうマーケットなので、「対象が広い」の実現は無理だと思います。そうすると、少数の「ワカル」人に対してだけの満足度を上げる、という方向になり、これは零細でもやれることは多いですし、そのへんだけが面白い、楽しい仕事なんです。

そういうのの一部として、これまでPARセンサー(光合成有効放射センサー)に没頭してきたわけですが、特にJAXAのGCOMプロジェクトはそれを加速させ、その再開発、再改良に拍車がかかり、評価する側、確度を追求する人々と関わりができて、楽しかったのですけども、2013年3月に受動型温度補正回路の開発が終わってからは、まあ、だらだらとしたトピックスにならない程度の改善程度しかすることが無くなり、そろそろ次は日射を計ってみようじゃないか、という気分になったのもこの頃です。

実はPARの片手間で既に2012年4月から着手はしていたので、仕上げ、味付けという作業を繰り返し、その味付けのさじ加減は思ったより難しかったのは確か。

歴史を振り返ること40年程度、PARも1960〜1970年初頭には、熱電堆式日射計をベースに、400-700nm範囲のみ光を通すワイドなバンドパスフィルターをその上に載せてPARセンサーとするという手法が開発され、それを使った観測や評価はレポートが残っています。熱量ベースPARなんて呼ばれています。ただし、波長の最適化を行う前の段階、基礎と呼べる部分が、今の尺度から見るとめちゃくちゃで、入射角特性、温度特性、応答速度、長期ドリフトなど、複合的に数多くの誤差要因が含まれたデータであった模様で、観測できた、と言えるレベルではなかったようです。

何故そんなみっともない記録が残ってしまったのかというと、その当時の国産日射計のレベルが低かった、つまりカスタムベースのスペックが低ければ、なにをしても結果の向上はあり得ないという、あり地獄にはまっていたんですねえ。一方で国策に近い理由で巨大な予算が動いていたので、海外製品をカスタムベースにするわけにも行かず、と担当者はきっと胃が痛かったはずです。

この時代から見るとサーモパイル日射計はここ50年で大きく改良され、現在は平均的にとってもよろしい性能になっていると言えます。特に近年の日本の事情として、エネルギー問題の対策としてソーラー発電(PV)というマーケットを巨大化させたことを背景に、それと同時に日射計の需要も増加して、という時代が現代日本と言えます。もちろん、日射計が民間でたくさん売れるなんてのは異常な事なので、一部の人から意図的に作られたブームやマーケットは直ぐに終わる運命で、どうでも良いとは思います。PVがって意味じゃなくて、それに乗っかるマーケットがって意味です。

さて、今回は、「Siフォトダイオードをベースにした日射計の開発、基本特性の向上、受光感度の波長依存性の最適化とその効果の検証」というPARよりは、多少メジャーなテーマを設定でき、それはつまり簡単に言うと、「Si日射計=簡易日射計と言い切って良いのか?」という表現でいいかと思います。若干の特許からみの作業内容なので、詳細を書けない事もありますが書けるとこまで。

日射計の定義としてISO9060はよく見る規格表です。
ISO9060.png

他のセンサーと印象が異なり、さすが国際規格だなあと思える項目が多いですが、よく見るとこの規格は「熱電堆式であること」というのが大前提になってますね。つまり熱電堆式しか知らなかった、もしくはそれしか無かったという背景が読みとれます。だからこそ、その弱点を良く知っている人々がこの規格を作り、弱点に対しての規格を作ろうという方向性を感じます。良心的ですね。

黄色に示した項目が日射計特有のものですが、ぱっと見てわかるとおり、Secondary standard 以外の規格なんて、誤差がつもると訳が分からない程度にひどく、こんな性能のものは測定器として売って良いのか?と思える程度に甘すぎます。そのくらい、熱電堆式で精度良く作るのは難しかったと言うことだと解釈できます。

また、この表を作った人は熱電堆式は絶対測器ではなく、相対測器である。という事を良く理解しているなあとも思います。どこの天才でしょう。

絶対測器を作るのはとってもめんどくさく、また、その運用管理は恐ろしく手間を要すのが前提になってしまい、日射に関して言えば銀盤式日射計やオングストローム日射計がそれに該当し、それらは僕も見たことさえない物体なほどレアなものですし、日々の通常業務で使えるわけもない原理です。イロイロと問題はあるけれど、現地運転がそれに比較すれば楽、管理も楽、おまけに安くできる、と、そりゃあ相対測器とは言え、みんなが使えるのはとても良いことなのです。

こういうところが、ざっとしてはいますけど、日射計の背景だと思います。で、ようやくフォトダイオードのお話に入ります。

黄色の項目は、実はフォトダイオードはなんにもしなくてもクリアしている、もしくはよほどヘタこかなければ、越えているという事が言えます。つまり、物性としてそういうものであり、改善するための努力は不要と言い切れます。じゃあ残る、年間ドリフト、波長応答特性に注力すれば良いと言えますね。具体的に言うと、応答速度はマイクロ秒、ゼロオフセットAは皆無、ゼロオフセットBも皆無、非直線性も0.0X%未満、方位角特性については、光学設計次第ですが、弊社の場合は問題なし、温度特性も設計者次第ですが±0.01%以内、傾斜角特性は問題ない、という具合です。

年間ドリフトの項目は、既に世に出回っているフォトダイオード型日射計のごく一般的な悪評として、全然ダメ、耐久性が全くない、そういう声は良く聞きますし、僕もそう思っていました。ところが前記したPARの開発で良く解った事ですが、フォトダイオードそのものは全く劣化しない、劣化するのは拡散板とフィルターであると言い切れます。ただし、プラスチックパッケージの安価なフォトダイオードが用いられている場合には、当てはまりません。CANとガラスウインドウでハーメチックに密閉されたフォトダイオードの場合にのみそう言えます。何故かというと、プラスチックパッケージの透明樹脂が熱と紫外線で変色してしまうからです。近年の自動車のヘッドライトのカバーが変色するのはよく見かけますね。これと同じ。

フィルターの劣化については、PAR独特の構造によるもので、日射計用途のものは通常はフィルターが入らないので劣化しようが無い。つまり、拡散板の劣化のみが問題であったと言えます。これはアクリルの紫外線劣化、もしくは吸水性によるもので、前者は単独で、後者は内部に水が入って悪さをしてしまうという事になります。アクリルを使ったセンサーの場合、それ以外の箇所での防水を行っても無駄とは言いませんが、延命程度の意味しかないです。

残る波長応答特性については、Siフォトダイオードは300〜1100nmがその範囲であり、残念ながらフォトダイオードの物性として、クリアできない項目になります。

この辺で問題定義を終えましたので、次回はその対策についてのお話にします。

日本環境計測国産部門担当HK
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2012年02月24日

<続> 光センサの拡散板と遮光リングの相互的な位置関係、形状及び材質、入射角特性に関するお話

<続> 光センサの拡散板と遮光リングの相互的な位置関係、形状及び材質、入射角特性に関するお話

前回、拡散板の形状を確定するまでのお話で、フルフラット、つまり筐体のエッジとレベルが一緒というのが最悪な特性を持つと言うこと、その補正を目的として、エッジ面からの突き出し量を調整して追い込めるが、その際、拡散板の形状は平板でも球面でも大した違いは無く、どっちでも好きな形状を選べば良い、一方、その補正が可能な範囲は80度迄が限界だと、そして、それが理由でもう一言付け加えると、一般的に各メーカーが80度までの入射角特性データしか公開しない、その理由がココにあると、そういう事までがはっきり解りました段階です。

今回は入射角80度以上の特性の補正です。前回のグラフで縦軸の数字を見ていただければ解るのですが、±50%レンジで振り切ってます。これは論外な数値です。また、80度未満で理想を追うと、80度越えのレンジではプラス方向、つまり過大評価になってしまう傾向が見える。そりゃあそうです。フルフラットで過小評価する分を過大評価に持ち込んだ訳ですから、お釣りがどこかにでてしまう。今回はココをクリアするお話。遮光リングの出番です。遮光リングと呼ぶのか呼ばないのかは、良く知らないのですが、勝手に命名してます。

ここまでで、日射計には遮光リングが付いてない理由を理解いただけたと思います。フルフラットの黒体では反射が極小なので、過小評価にならないからです。もし、熱型で付いてるのがあれば、そんなセンサーは買ってはいけません。逆に遮光リングが付いていない光電タイプの拡散板付きセンサーも、その辺を考えてないか、コストと妥協したかのどちらかと言えます。

早速遮光リング付きと無しの比較データをご覧下さい。
DiffwRing.jpg

Y1軸が前回同様のエラー%、Y2軸がIDEALなコサイン特性にどの程度追従出来ているかを示します。

結果、遮光リングを装着すると、無限大に大きくなる80°以上の範囲での過大評価方向のエラーを抑制する方向に働き、同時に過小評価が最大20%出ていることも意味しています。で、現状の僕にはココまで、アイデア尽きたと言う段階で、結果という次第です。遮光リングに変形ギザギザを刻んで80-90度範囲をもっと突き詰める手法も考えましたが、切削費用が嵩むのが一つの理由、もう一つは遮光リングの別の役割を有効にしたかった、この2つの理由でココまでで止めました。樹冠内部でよく使われるPARセンサーを考えたとき、あちこちからやってくる反射光の影響を抑制するという役割も無視できないと判断しました。

余談ですが、Y2軸を見たときに、エラーが増える80度以上において、IDEALも、実測値もどちらも出力が当然ながら1/10に落ちています。こういうテストを実施するときの装置の光源は、なるべく遠方から時間的に安定した直線光を回転台に乗ったセンサーに照射するのですが、こういう光はあまり明るくできず、角度が増す毎にSNが悪くなるという問題が出ます。前々回でお話ししたSNのお話と同じ。各メーカーが80度までしか公開しないもう一つの理由として、シグナルがあまりに弱くなり、計測限界付近だったという事情もあるかも知れません。その点ではMIJ-14弐型シリーズはとっても楽でした。

同時に思ったのは、光関係の論文で、あらゆる問題をクリアできる魔法の呪文か?と思えるように登場するソーラーシミュレーターって機械の、一級品と呼ばれるレベルのを弊社も持ってはいますけど、この類のテストには全く用を成しません。放電型の光源は、実は、時間的に安定した光を得る事に対して、苦手としています。買う前に誰か正直に言って欲しかった。

放電なわけですからそりゃあそうでしょうと、今なら言えます。波長スペクトルの分布を太陽光に近づけたという意味では素晴らしい機材ですけど、応答速度が速いセンサーでこういう使い方をする場合には、特にアラが目立ちます。熱型であれば、100%応答に60秒程度は要し、アラが見えにくいので、逆になおさら注意でしょう。

このテスト以来、ソーラーシミュレーターって単語が論文に出てきて、かつ、キャリブレーション、テスト、入射角、なんかの単語と一緒に並んでいたら、疑問の目で見てしまう癖が付いてしまいました。いまどきそんないい加減な報告なんかは、上がってきてもリジェクトされると思いますけどね。

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2012年02月22日

光センサの拡散板と遮光リングの相互的な位置関係、形状及び材質、入射角特性に関するお話

光センサの拡散板と遮光リングの相互的な位置関係、形状及び材質、入射角特性に関するお話

備忘録にもなってしまうのはメリットだなあと思いつつ、忘れても困らない案件ばっかりの年度末は、なんの価値もない事が頭を占める季節です。寒いし。

前回に続き、また光センサーのお話の小出しです。拡散板という単語でピンとくる方は、それだけで、あらゆるジャンルにおいて、マニアかもしれません。だいたい男の趣味に使われることが多い単語で、カメラ他の光学機器、照明器具、バックライト付きのディスプレイなど、まあ、だいたい色で表現すると黒物の世界でよく使われる部品。要するに、光を拡散する板です。で、だいたい白い色したものが多いです。

何故白かというと、白は可視光を反射し、吸収しない性質を持ち、それゆえ、可視光範囲での拡散板の定番は白になってしまいます。板の中を光が透過する際に多重反射を沢山起こして欲しくて、そうすると、黒じゃ無いなあというイメージはつかめると思います。なので、白だと理解しましょう。

光のセンサー類で拡散板を使うのは、光電素子を利用した機材に限られ、熱型のサーモパイルなどでは、まず使うことがありません。実は、ココが設計上とてつもなく、相違なんです。

日射計でよく使われるサーモパイルの場合、熱が伝われば応答しますので、光を効率良く熱に変換する事が肝要で、かつ早く応答しなければならないという話になります。そうすると、熱容量を小さくして、吸収しやすいように真っ黒にしたくなる。もっと言うと、黒で発泡体なんてのは完璧だとなるわけです。実際、良く作り込んだ日射計の黒板は発泡とは言いませんが、つるつるではなく、でこぼこになっており、これは同時に反射も押さえる役目も持ってます。

光電素子の方に話を戻して、何故拡散板が必要なのかという理由ですが、素子は通常キャンと呼ばれる窓付きのカンカンに入っており、(その理由は不活性ガスを共存させて、酸化を防いだりしている為です。ここの段階で本来はサーモパイルより長期耐久性に優れています。)そのカンカンの設計は、最初から入射角特性に制約が出てしまうという事情があったりします。

ここで言う入射角特性というのは、一般的な生活の上で光電素子が使われる場面を想像すると、カメラの露出補正のフィードバックや、人感センサー、テレビなどのリモコンなど、基本的に我々マニアが想定するお日様の光が入射するときにセンサーと成す相対角度と言った事とは全く関係がない範囲では、十分に常識的な範囲で納得できる特性を持ちます。が、これではお日様相手だと全く歯が立たない。

ここで、拡散板を光電素子の前に設置するのですが、白色の板で選ぶと、普通に思い浮かぶのが、白色アクリルです。で、アクリルは耐候性が汎用の上では非常に高いと言えるのですが、これまた我々用途には限界があります。一般的に紫外線防止剤が混入されており、その理由は紫外線劣化が起こるからとも言え、光を計測する用途では、どうしても劣化の速度が速いと解釈するしかないレベルなんです。ですが、これがまた、接着性に優れており、金属相手でもなかなか強力に、かつ、容易に接着できてしまう便利な素材なんです。

こういう理由で、古くから、光のセンサーには白色アクリルが定番となっており、今に続く仕様で、本当言うと僕も使いたい、使った方が楽、コストが安いと魅力は感じます。ですが、今回は出来ることは全てやってみる、が方針なので、こんなものは使わず、PTFE(通称テフロン)を採用しました。

このテフロン、正直やっかいです。機械加工の面で言えば、鏡面仕上げが難しい。接着性で言えば、まともな接着は不可能。値段では、とにかく高い。反面、耐候性、安定性、耐薬品性(酸性雨対策)、撥水性、吸水性は、これ以上理想に近い素材はない。これら無敵の特性が無ければ使わないのですが、使うしかないと判断しました。

次に、形状です。筐体の縁を基準に、1.フルフラット、2.円柱凸型、3.球面型の3タイプがあり得る形です。凹型は水やゴミがたまるのであり得ない。全ての形状が既出であり、オリジナリティは出せ無いなあと思いつつ(しかし、後ほどオリジナリティは出せる事が判明)、それぞれの形の意味を考えました。

DiffType123.jpg
1.フルフラット、これは一番素直な形ですが、黒体以外の物体は全て反射率を持つことを知らないか、無視している形状と言えます。白色の拡散板で光を反射しないものがあればこれも良いのですが、そんなのはありません。2.凸型、これは意味があり、1で問題となる部分を補正する事を考えた形状です。3.球面型、これも意味があり、雨滴を留まらせない、乾性沈着を減らす。ここまでで1以外は良いと判断できます。こんなものの実測値なんてどこも公開しないので、実際にデータを取ってみる訳ですが、結果はこういうことになります。

DiffETCwoRing.jpg

1. フルフラット、赤
2. 円柱凸型、緑1mm凸、オレンジ1.8mm凸
3. 球面型、青

ここまでで解ることは、1.フルフラットと3.球面型はほぼ同じ特性。特記事項85°以上でフルフラットが最悪。2.円柱凸型については出っ張りの寸法で80°までの特性は理想的な特性まで調節可能。

まともな設計開発者であれば、ここで考えるわけです。円柱凸型であれば、平板アクリルをレーザーカットすれば仕上げも不要で綺麗な仕上がりを望めるし、そもそも特性もなかなかによろしいではないか。おっと、ここで忘れちゃあいけねえのが3.球面型のデブリを減らせる特性です。これはメリットです。
そういうわけで、試してみました。4.球面型+凸型、グラフでピンク。

DiffType4.jpg

どうよ、これ。よろしいではないですか。とっても。ま、実際は1.3mmを出すまでにそれなりの数の拡散板を製作した背景はあります。(製品版はあと0.05mm刻みで理想を追ってます。)

まだ拡散板ネタはしつこく続きます。が、次回に。

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2012年01月21日

樹冠下での光量子フラックス、PARの測定に関する相対的なノイズ、オーバーオールでの分解能

樹冠下での光量子フラックス、PARの測定に関する相対的なノイズ、オーバーオールでの分解能

知ってる人は知ってるんですが、このところ、国内某プロジェクトの一環にて、PARセンサーのイイのを作るぜって話があり、良し乗った、って事で、えらい時間をかけておりました。世界最後発の弊社は、末席ですから、もちろん手弁当です。出来上がったのは「MIJ-14PAR弍型」です。
http://www.environment.co.jp/study/MIJ-14Ver2.1CatalogManual.pdf

今回は、開発に関するお話の一部です。

シンプルな機械ほど、一つの部品が果たす役割が大きく、素材の吟味、試行錯誤による形状決定など、仕込みに時間がかかります。料理と同じなのかなあと想像しますが、僕は料理はしないので、はっきりは言えません。PARセンサーの開発話は、一気に書くと本ができそう(関係する人物たちの個性も含めると尚更。)なので、まずは電気的な部分の、更に、センサーのS/N向上策、その結果が出す計測の分解能に絞ってお話します。

一般的なPARセンサーの光電関係の内部構成は、SiやGaAsPなどフォトダイオード(以下PD)を検出器とし、その出力となる数十nA単位の電流を数百Ωの抵抗器でIV変換し、2000μE受光時に10mV弱の電圧になるように調整されています。

10mVという数値は、PDの特性から制約を受けた経験値で、上限です。なんも考えなかったら、抵抗器をもっと大きなものに変更することで、大きな電圧を得ようと考えますよね?だって、その方が、ロガーに繋いだ時に実際の分解能が上がるから。

でも、それをやってしまうと出力の直線性が得られず、上の方でサチッてしまいます。そこで、経験的に20mV程度までが限界であるわけです。で、安全を見ると10mVにセッティングしようと、作る側はそう思うわけです。

この理由でユーザーフレンドリーな、もしくはフールプルーフを考えたPDベースの光センサーでは、抵抗を内蔵してしまって、ユーザーにその辺を触らせないようにしていたり、ケーブルエンドに抵抗を装着していても、熱収縮チューブなんかで触れないようにしています。あまりフレンドリーでない場合にはモロに電流出力だったりしますので、この場合は繋ぐ抵抗値は気を付けて下さいね。

その制約を受けたセンサーを、よく使われる10〜13bit分解能のデータロガーに接続して使うとどうでしょう。10bit=1024、13bit=8192分解ですから、±20mVスケールに設定すれば、7.8μE、0.97μEの分解能になります。

さて、日中でもとっても暗い樹冠下で、ピークが20μE程度を想定すれば、10bitは使い物にならない。13bitでやっと使える。14bit(0.488μE)は必要だと、そういうことになってしまうのが、計測する前から判明する問題です。ロガーが搭載するADコンバータの性能ではなく、ロガー全体での実効値です。

一方、PDの暗信号を考えると、先の抵抗によるIV変換後の値で、±0.005mV程度が代表的であり、これは±1μEに相当する為、普通のPARセンサーを使う限り、ココが限界となります。実際は±5μEのノイズが乗るセンサーもあります。

結局、抵抗器を用いたIV変換を行う限り、樹冠下でのS/Nが良いPARセンサーを作ることは困難です。なぜかというと、例えばですね、フルスケールで論じると、ノイズが占める割合は±0.005/10=±0.05%という数値になるのですが、樹冠下ではフルスケールがその20/2000つまり、1/100になり、しかし、ノイズは同じ、結局5%ものノイズとという事になります。かつ、先のdigitの問題を考えれば、これまた5%刻みに相当するわけで、樹冠下で20段階評価のデータにしかならない。これでイイというユーザーが居るかと言えば、たまに居ますが、大概そうは判断しません。全天下での計測ならば、何を使ってもこの点は問題はないんです。しかし、そもそも全天下でPARの計測なんて意味がどれほどあるのか?という疑問や意見は、とても同意でき、そんなのは日射計を置いておけばいいんです。PARセンサーを使う前提では、勝負所は樹冠下でしょう。少なくとも解析して考えて、論文書く前提ならば。

今回、PARセンサーに専用設計のオートゼロアンプを搭載する事で、センサーそのもののノイズレベルは±0.01mV = ±0.01μE(製品保証値±0.05μE。ここは供給する電源がクリーンか否かが効きます。電池が最強です。)、出力は2000mV at 2000μEを達成しました。このS/Nであれば、センサーのノイズがデータロガーのそれを上回りますので、ノイズと分解能はロガー依存になります。
つまり、素直に配線した場合、±5Vレンジ、10bitで9.76μE、14bitで0.61μEの分解能まで。しかし、ちょっとした工夫で樹冠下用セッティングと言いますか、そういう事が可能になります。

複数入力を持つロガーに対して、センサーの出力を2分岐し、1方を±5Vレンジへ、1方を±20mVレンジに設定した入力へ接続しますと、前者は先に記載した分解能で、後者は10bitで0.039μE、14bitで0.002μEの分解能を得られ、14bitはオーバースペックとなります。総じて10bitでも十分となります。この場合±20mVレンジ側のデータは、20μEを越えたときにレンジオーバーで計測不能になりますが、そのときのデータは±5Vレンジのログを読めばいいわけです。ロガーのオートレンジが賢く動いてくれれば良いだけのことですが、現実的にはあまり賢いのが無いので、こういう方法もありというお話でした。
詳細は、上でリンクしたpdfの7ページに記載してます。

なんだか、わかりにくいなあと感じられる場合、高級オーディオの考え方と同じでして、音のひずみを少なくしようとすると、単独プリアンプが付いているのが良いなあと言う考え方と同じだと解釈して下さい。今どきはそのほうが解りにくかったりするかなあ。

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2012年01月11日

土壌水分センサーとシロアリ、もしくは土壌水分センサーと水道のネジの規格

久々に役に立つ情報です。特に、このタイトルにピンときてしまう人生を歩んでいる方には。日本に何人居るんだろうって話はともかく。

土壌水分センサーは普通は埋設して使います。つまり、センサーとケーブルは直接土壌に接触しているわけですが、この時、いろいろな生物がそこには居るわけで、計測する人間側にとって問題となるのは、動物がケーブルをかじったり、熱帯ではシロアリがケーブルのみならず、センサー筐体も食べてしまったり、そういう出来事が良く生じます。例えば、デカゴンのEC-5などの土壌水分センサーシリーズで使われているゴム部分やケーブルのシースは好んで食べるようです。

ANTEATEC5.jpg

この状態までに半年未満が目安です。何故ってのは解りませんが、好きな味なのかなあ、よっぽど腹減ってたのかなあ、などと想像します。不思議なことに黒ゴムと黒ケーブルのみが食されて、内部の青、白、赤などのシースは食べないんです。

一番重要な計測結果については、「欠測」つまり、データが取れなかったねえ。でも、これ、しょーがないねえ。というお話に至ります。当然修理できる設計ではないので、写真のようになったセンサーはゴミです。

土壌水分センサーを良く販売する身なので、こういう事に直面する事が多々あるのですが、センサー自体は食べられないのを紹介できるけど、ケーブルが問題って話になります。ここではその対策の一方法を紹介します。

SM300VSANT.jpg

全てはこの写真が語っていますが、Delta-T社のML2x、SM300、SM150のケーブル側にはネジが切られています。このネジ、本当の使い方は、オプションのパイプを接続して、かがみ込まなくても地面に突き刺せるというのが目的です。逆に、その程度なので、滅多に使うことがなく、こんなところに無駄にコストかけやがって、という気分にさせてしまうわけですが、ここから先を読んだ貴方には、別の意味が出てきます。

このネジ、英国規格で3/4 inch BNPという、ココ日本では、わけのわからない規格ですが、なんと水道用蛇口のネジ規格G1/2(立水栓のあれ)とぴったりです。個人的にイギリスやアメリカで買ってきた、格好いいけど安価な、でも漏れる頻度が高く、交換部品も入手しにくい水栓金具達は、何故かことごとく、すんなりと、日本の給水ネジにフィットするなあとは思ってましたが、結局日本の水道は元々英米規格のまねなんだなあと、そして、それが故の偶然で、土壌水分センサーのネジ規格イコール日本の水道のネジ規格という事実に行き着いたわけです。良い塩梅なパイプサイズはVP20です。

写真のエルボ、パイプ、ネジ付きジョイントなどの塩ビ部品類は、その辺のホームセンターで買えてしまいますから、塩ビ用接着剤、コーキング剤、ノコギリ、シールテープを準備すれば、現場で特殊な工具も要らず、かつ安易にセットできます。

現場で加工できるというメリットは、とても重要で、なぜなら、センサー設置の為に穴を掘るわけですが、思いも寄らない堀難さだったりすることがあり、計画通り行かないこともしばしばなんです。なので、急遽予定変更して、設置深さを変更する時など、現場でパイプの長さ調節が出来るのは、とても意味があることなのです。

妙にアクセスが多い情報らしいので、少々記事を追加です。
塩ビパイプ関係の部品は、非常に安価です。写真に載っている部品を全部買っても、接着剤込みで、千円ちょっとです。接着剤は用途を考えると、一生使えるのではないかと思います。一度ホームセンターに行って下さい。どこが安いとか、そういう事を全く考えなくても、その場でお小遣いの範囲で購入可能なはずです。

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2011年11月17日

カスタマーセンター

えらい長い間、ブログをお休みしてました。
死亡説が流れる前に、ショーモナイお話を一席。

いつものようにリンリンリンと電話が鳴る。
「まいど、環境計測。」

「日本環境計測さんのカスタマーセンターはこちらですか?」

んっ???

一瞬間違い電話かと思いつつ、しかし、今、確かに、明らかに、ウチの社名を仰ったよなあ。似た社名の会社がどっかに存在して、それと間違ってるのか?

ととまどいながらも、第一声をやっちまいました。

「はい、こちらカスタマーセンターのKと申します。お問い合わせ下さりありがとうございます・・・・・・。」

こーいうのを一回やってみたかっただけです。

誤解無きように表明します。弊社は零細です。しかも、ドが付く、ド零細です。

なので、これまでも、これからも、ずっとカスタマーセンターは置けません予定です。

でも、やっぱり・・・

次回は「再○館製薬です。」言ってみたくなってきた。


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2009年12月17日

GN-P部品は自分でハンダ付けタイプ

GN-P部品は自分でハンダ付けタイプ

PCBって聞いたことありますか?
Printed Circuit Boardの略称で、つまりプリント基板です。

よく見るのが部品が既に実装された、アノ姿ですね。ってわからんか。
家電品を分解したらお姿を見せてくれる、例のあの緑色した板のことです。

当然ながら電子部品が乗っかってないと、正しく動くもんじゃあないわけなので、PCBのみって状態は、正しい生活を営んでいる庶民という立場からは、ソノ姿を見ることはまずないのです。
今回、無謀にも、あえて、とあるジジョーから、PCBのみっていう状態のブツを発売します。タイトル通り、「自分でハンダ付けタイプ」なんです。
granie01.jpg


しかも、「自分で割りましょうタイプ」でもあります。
granie02.jpg

何故こんな手抜きな事するのかってえとですね。、グラニエセンサーのこれまでと現状及びこれから先どうなっていくのであろうか??というものを謙虚に見つめ直した結果、「グラニエセンサーの清く正しい生き延び方はこうである」という、ある結論に至ったわけなのです。

それは、可能な限り商品化しないという結論です。

だいたいの場合、僕の立場からすれば、性能が良くなった、便利になった、耐久性が上がった、かっこよくなった、安くなった、エトセトラのあれやこれやで、つまり、ポジティブな方向に「仕様」を追い込んでいき、その代わり、これだけのお金頂戴ね。っていう商品を作ったり、組み合わせたりするのが基本のシノギなわけなんですが、注射針と電線と、瞬間接着剤や、アルミパイプと言った材料から製作できてしまうこのセンサーは、小学生の夏休みの工作の課題としても確立できるレベルのシロモノであるわけです。しかし、その一方で、費用対効果は想像を絶しており、このコストで、これだけの研究発表が出来てしまう、というそのメリットたるや、イカに!! と言える物でもあります。

当然、技術に堪能な方々がプロとして製作出来ないわけでは決して無く、海外、国内にそういう手作りが得意な会社が、何社か商品として世に出しているのも現実です。これはこれで正しいのです。

一方で、面倒とは言え、自作できるという特徴は、捨てがたい特徴なわけで、他にこんなにお金のかからないセンサーなんて無いに等しいわけですから、その特徴を活かす道を残すのも、これまた正しいのです。

グラニエ計測システムを確立するには、2つの大きな「面倒なコト」に遭遇します。センサーの製作、電源ボードの製作です。前者は今後もがんばって作ってください。と、言い切ります。
1個作ると、数百円が数万の価値に化けると思えばやる気も湧くってもんです。後者は今回このPCBでクリアになりました。フレキシブル基板を買うのとあまり差が無い価格で、手間は推定1/20になります。

膨大な研究費がないと研究が出来ないって道もあるにはあるし、そういう方向に年々進んできているのも確かなんですが、予算が少なくても、立派な研究、観測が可能という、そういう道も正しいのです。

こういう訳で、僕の勝手な判断ですが、半端な状態でのリリースの方が、多くの方にとって、素敵な未来を迎えられるのではないかと信じるのです。

作り方は?って方は、こちらを参照ください。
http://homepage1.nifty.com/kumabox/granier2.htm

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2009年10月14日

無水ソーダライム (Dry Soda Lime)

無水ソーダライム (Dry Soda Lime)

まず、このタイトルの意味がわかる人はマニアを自覚してよいと思います。

赤外分析計では、当然ながらターゲットとするガスによる赤外線の吸収を検出して、計測を行っているわけです。

その内部にはディテクタ(PbSeが多いですね。)、バンドパスフィルターとか、チョッパーモーターとか、なんやかんやの部品が入っていて、それぞれその役割を果たし続けているわけですが、こういう部品を収納する部分にもCO2やH2Oが存在していると、それはつまり、パス以外の場所で赤外を吸収してしまうということになるので、とても都合が悪いのです。

この主要パーツ格納庫というイメージの部分にはそういったガスを吸収してしまう薬品を常套手段として使います。CO2には無水ソーダライムを、H2Oには過塩素酸マグネシウムというのが一般的です。

数年前、私を含む一部マニアな方々にショックな出来事が起きまして、なんと無水ソーダライムがこの世からなくなってしまったのです。(理由は今もって不明。だけど事実。)

入手が容易なソーダライムと何が違うのかと言えば、無水ソーダライムは含水率4%未満、ソーダライムは20%程度です。
後者と過塩素酸マグネシウムを同じボリュームに存在させますと、その水分でマグネシウムが溶け、分析計内部はてんやわんやになってしまうのです。(だから早めに交換すると言う手もあるにはある)

無水ソーダライムの代わりにアスカライトというCO2吸収剤もあるにはあるんですけど、これが高価すぎる上に、これ自体が溶けてしまうというやっかいな代物。やはり無水ソーダライムが安全なわけです。

ふとしたことから、特注で作ってしまうことに成功しました。薬の特注って人生初めてだったんですけど、そういうのを作れる会社は作れるんですねえ。いとも簡単に。

で、弊社に3キロもの無水ソーダライムが入荷予定です。

僕が使用するのは300g/year程度なので、9割があまりってことになります。

自分で分析計のメンテなんかはできてしまう、マニアの方には販売できます。(逆にそういう自信がない方は買わないほうが無難です。こんなのは)

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2009年10月08日

野外でのクロロフィル蛍光測定法!

野外でのクロロフィル蛍光測定法!

最近、小型クロロフィル蛍光測定器の測定に関するお問い合わせをよく頂きます。
今回は頂いた質問とお客様から伺った対策についてお話させて頂きます。

一番多いのは暗処理の時間と方法です。
サンプルや生育環境により変わってくるので一概には言うのは難しいですよね。
教科書とか文献には15分とか書いてあります!と、よく学生さんから聞きます。
それは定説なのでしょうか?

確かに10分程度暗処理したら充分だとは思うんですけど。
毎回お話させて頂くのは、それであれば試してみてはどうですか!と。
10分、15分、20分と処理した物も較べてみて、一番効果があった処理が、そのサンプルの最適な暗処理なんではと思います。
ご自身で導き出した結果が、真実なのでないでしょうか。

また暗処理の方法についてもご質問頂きます。
Optiscience社の商品やHansatech社の商品にはリーフクリップというアクセサリーが標準装備されております。これは洗濯バサミみたいな形状のクリップのヘッド部分に測定器を密着させて計測します。ただし安いものではありません。

OPTIleafclip.jpg
OPTIのリーフクリップ

EMJleafclip.jpg
EMJのリーフクリップ(とある分光器用に製作した一品削り出のお品。ファイバーを接続する仕様)


アルミ箔で葉全体を覆う方法をお試し頂いたお客様もいたのですが、何故か葉にダメージを与えてしまうそうなんです。
プランター等であれば、人工気象室とかに置いておけれるんですけどね!

次に多いのが、いつ(何時に)測定したらいいのかという質問です。
これも難しい質問です。
先ほどと同じで環境次第で変動すると思われるので、何とお答えしたら良いのか“”
ここでは、お客様から伺ったお話を紹介させて頂きます。
日中、夜間で測定をされたそうです。(暗処理を行った状況下での測定です。)
日中は暗処理をしていてもFv/Fmが低い数値しか検出されないそうです。
色々な原因があるのでしょうが、結果としてそうだとおっしゃられておりました。
これに対して21時頃に計測した数値は期待していた数値に近かったそうです。
樹液流もこの時間になると止まるそうなので、その辺りも関係してるのでしょうか。

強光阻害を研究される方であれば、日中計測する必要があるでしょうし、最大値を計測されたいのであれば、日中は避けた方が良さそうです。
日中だとFo自体にも変化が出てしまうそうです。

正直なところ、何が正解という答えはありません。
色々な条件で処理をして、試されるのも研究の過程だと思いますので、その辺の条件検討も含めて楽しんで実験して頂ければ幸いです。

これについては、ご意見や情報、お待ちいたします。有効と思われる情報は掲載させていただきます。

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2009年07月27日

切削型土壌コアサンプラー

切削型土壌コアサンプラー

熱帯の土壌をサンプリングするんだけども、根がびっしり張って、石も結構ごろごろあって、土壌そのものも固いかなあ?結構ね。つまり、そういう土壌をサンプリングする苦労って、そこん所の事情、解るかね?チミ?
やっては見たんだよ、現地で板金溶接なんかでサンプラーのような形のモノを作ったりしてね。でもねえ。ハンマーでいくら叩いてもラチあかんのよ。入って行かんのよ。そもそも。で、結局現地の人を雇って縦穴掘って、そんで、横からサンプリングするのがベストという回答は最悪あるんだけどねえ。

という、お話です。まあ一般的な流れで行きますと、市販のサンプラーなんかを、「先生、これどうよ?よござんしょ?そこそこ高いけどねえ。仕方がないねえ。えっ、強制付属してくるこの樹脂ハンマーって2万越えるの?でも仕方がないもんねえ。」という、「これしか見つからんので、これ買うしかないね。後は知らんもんね。」仕事一丁上がりっ、という対応になるところなんでしょうけど・・・・余計なことをついつい言ってしまった次第です。「作ってしまいましょう。」

注釈:こうやって、土日が無くなっていく人生を過ごしています。

これが、今回のツクリモノの大きな流れ(演出大アリ)ですが、実のところ今回はボア直径が広範囲(φ50〜100mm)というおまけの条件が付いてますから、その辺で買ってきて終わりという対応はそもそも不可です。

最初に、土壌を切る部分、つまりドリルをどうするかで悩みました。結論は超綱チップが埋め込まれた、コンクリートを切削できるヤツがベストなわけだけど、そんなの単品で作ったらエライ金額になってしまうわけで、普通はSUSの切削品でゴマカシテシマウ部分ですね。今回は、大阪のハウスBMという会社http://www.housebm.com/
が良いの作ってるのを運良く確認。マルチリョーバコアドリルで内径φ63を、ドラゴンリョーバコアドリルで内径φ100を準備できることになりました。こういうのが簡単に買えるってのが、日本のエライ所です。上記品名でリョーバというのは両刃でして、片方の刃が減ったら、反対側の刃を使えるという構造です。そこはね、フーン良いじゃない。という程度なんですが、その構造が故に、このシリーズの最大の特徴が存在します。なんと、ドリル部分だけが筒状に取れます。これは素晴らしい。惚れた。

また、普通の用途では欠かせないけど、土壌サンプラーでは邪魔なセンタードリルも「クズ取りポン」機構のおかげで簡単に外れてしまう。もはや、ほとんど、このドリルは、土壌コアサンプラー専用としか考えられないわけです。

次にハンドルですが、これはあまり悩む事無く、MTB(マウンテンバイク)用のストレートハンドルに決定。近所で買えますし、アルミなので切断も簡単。ママチャリ用の鉄やSUS製を選定しないのは重量からです。

他は買えないので、設計して作って組み立てて出来たのがコレ。
SCS01.jpg

1. ハンドルは若干下向きに「へ」になってますが、これが実は料理で言う隠し味です。この角度があるので、鉛直方向下向きに力を入れつつ回すという作業時に、中心を保持しやすいという機能を持たせています。

2. マルチリョーバコアドリル。
コイツが一番仕事をしています。

3. 100mm延長ロッド
もっと深いところまで行きたい貴方へ。100mm 毎ですが、無限に延長できます。下がオス、上がメスネジになってるわけです。

4. コア抜きプレート
ドリルの刃が筒として外れた後、中の土壌コアを押し出すプレート。

5. ヘックスレンチ。
ハンドルを取り外したい場合の、ネジ回し。

組み立てるとこうなります。
SCS02.jpg

延長ロッドはこう接続します。
SCS03.jpg


リョーバの構造。道具無しでこうなります。
SCS04.jpg

コア抜きプレートはこの様に接続。
SCS05.jpg


ハンドルをバラすと持ち運びに便利。(かもしれない)
SCS06.jpg

結果、こういう具合に土壌コアが採取できました。
SCS07.jpg

穴側も、まあきれい。
SCS08.jpg


コアのボアサイズは、以下の通りに自由に選定できます。
マルチリョーバコアドリル実効内径(±2で表記。土壌ですし。)
φ53、58、63、68、72

ドラゴンリョーバコアドリル実効内径(±2で表記)
φ22、25、28、30、33、38、43、48、53、58、63、68、73、78、83、88、93、98、103、108、113

よく見る土壌コアサンプラーとの相違点は、上記した特徴の他に一つ重要な点があります。本サンプラーは切削型、つまり切り削ります。通常は切るだけです。

この違いを簡単に説明すると、鋸(ノコギリ)とカッターの違いです。前者はおがくずが出ますが後者では出ません。もう少し解説すると、分厚い物体の場合、鋸では問題ないですが、カッターでは刃が食い込むので刃先の摩擦から限界が存在します。

土壌を一気に100mmも掘るわけですから、その違いは明白で、使ってみた時に、力加減が大きく違うわけです。

あとは、熱帯でどういう結果が出るかはまた次回にでも。

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2009年07月13日

バラ線の半田めっき

バラ線の半田めっき

センサーをデータロガーに接続する作業って楽しいもんです。センサーの配線をよじって、ターミナルにネジで締め締めして、ロガーの設定、現地設置とそういう流れになっていく、作業工程一連の入り口です。今回は配線の末端部分のハンダ処理についてのお話です。

通常、というか、よく見かけるバラ線部分の処理ですが、指先でねじって、それでもって、以上終わりっ。ていうのが主流です。まあこれで本来は十分なんですけども、場合によっては、というより、弊社のお客様で多く見られる日焼けしてしまう観測サイトをお持ちの方々の場合、問題が起こる事があります。

機器が置かれた環境や使い方について、かなり荒っぽい現場が多いですから、長期間動作不良を起こさないという目的達成のために、ここで少しだけ手を入れる事をお奨めします。ハンダメッキです。銅線が直に空気に触れていますと、それはもう酸化という現象が生じます。銅の場合緑青が吹くというアノ現象です。で、結局接触不良に至るわけです。

さて、ハンダメッキというのは聞いたことがあると思いますが、要するに銅線にハンダをメッキしてしまうわけです。こうする事で銅線の酸化を防ぎます。ハンダが酸化しないかというと、それはします。しかし、銅ほど早くというわけではないところがみそです。あと、メッキせずに端子台に装着すると細かなバラ線のカスが周囲に落ち、それがよからぬ電気を通して、トラブルを招く事がありますが、これが防げます。

ニッパーとハンダ鏝を使って実施する事も可能ですが、ここではハンダ槽とワイヤーストリッパーを使ってみましょう。特にヘビーユーザーの方はこの2種の道具をそろえた方が、時間の節約になります。

1 ワイヤーストリップ
ワイヤーストリッパーの出番です。写真のようなその辺のホームセンターで売ってる工具を使うと、一瞬で終わる作業です。
handa011.JPG

こんなかんじになります。
handa001.JPG

ヘビーユーザー向けには自動ワイヤーストリッパーというものもあります。これです。
handa008.JPG

これの良いところはシースを写真のようにハンパに残せる設定が出来る事で、
handa009.JPG

この「切れてるけど残ったシース」を指でねじると、きれいに銅線のネジネジが出来てしまいます。で、最後に抜き取りするわけです。
handa010.JPG

2 ハンダメッキ
ハンダ槽の出番です。約350℃に加熱した槽があり、その中にハンダを放り込んでおきますと、ハンダの湯船ができあがります。
handa003.JPG

この辺でフラックスが登場します。液体で臭いがきつい物体です。これをハケでほんの少々、ネジネジ完了した銅線の先に塗ります。
handa002.JPG

ハンダ槽に投入します。メッキをしたい部分、つまりビニール被覆以外をほんの一瞬投入して引き上げます。
handa004.JPG

こんな具合に先が団子になるので
handa005.JPG


ニッパーで切り落とすと、こうなります。
handa006.JPG

最後に端子台に装着してできあがりです。
handa007.JPG

最後に、熱電対の場合、これはどう考えるかで結論が異なります。本当は2種の金属間で生じた微少な起電力を計測するというのが熱電対の真の姿(ペルチェと逆ですね。)なので、そこをハンダメッキなんてして良いのか?という疑問は当然あるわけですが、例えば、あるお客様の場合、ねじっただけで土壌深くに設置してしまい、その後、1ヶ月の間に不良率が50%を越えてしまって、結局何のために深く穴掘って設置したのか解らなくなってしまったことがあります。弊社担当のパラメータではなかったので関係ないと言えば無いんですけど、お気の毒にと言う他ありませんでした。

こういう事が起こるよりも、ハンダメッキでくっつけてしまえ、ってのが正解ではないかと思います。本当は、スポット溶接でくっつけて、そのあと、コーティングする方がよろしいわけですが、それはまた次回にでも。

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2009年06月28日

ランバージャックへの道 パート2

ランバージャックへの道 パート2

前回から引き続きで、本日からは茨城県北茨城市にサイトに移動してきました。
ここは長期生態観察のためにつくられた歴史あるサイトだそうで、開祖みたいな所だそうです。
現・東北大の中静先生を筆頭にして始められた研究を20数年経っても若い研究者が引き続き、この地を利用して計測をされているそうです。
樹木は100年単位で結果が分かる位にスケールの大きな研究だと云われます。
この歴史を絶やさずに円滑に継続させていくお手伝いをするのも我々の役目の一つなのかなあと感じました。

さてここでの計測は木の直径の計測を行いました。
今回私は野帳マンを仰せつかり、巻尺とノギスで読み上げた数値を漏れなく記載する作業でした。まあ心優しいパートナーですこと“”
作業はそう困難ではありませんでしたが、山の強敵アイツが現れました。
蜂です“”スズメバチじゃないとは思うのですが、一歩も動けないですね。
猪とか熊とか山は怖いところです。
海で鮫に会う確率よかよっぽど多いですもんね。

数時間の滞在でしたが、小川は本当に綺麗な場所でした。
清流が流れていて野生のワサビとか三つ葉とかが生えてました。
ここで親子丼食べるのもどうかと思いますけど。
機会があればまた来てみたいと思わせる場所でした。
一人じゃよう行かんですけど“”

TMsinrin04.jpg

TMsinrin05.jpg

余計な話ですが途中で、ペンダントロガーに雨水が溜まっているのを結構みました。
湿度センサーが付いているタイプだと水が溜まるみたいですね。
結露もあるのかもしれませんけど、簡単な対処法は菅原先生みたいに手作業で傘作ってあげたらいいのではないでしょうか。唐笠地蔵みたいなのを
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%94%90%E5%82%98%E5%B0%8F%E5%83%A7


慌しくも楽しいショートトリップでした。
昨今ニュースで、遺伝子組み換えだ、植物工場だと話題に事欠きません。
日本の国土の70%近くは森林だそうです。今回来てみて日本人は恵まれた環境に生きているんだなあと改めて思いました。IKEAとかニトリで安いって喜んで外材の家具買ってる場合ちゃうと思いますよ!
森林が荒廃したら地滑りとか土石流とか自然災害にどう備えるんですかね?

では最後にこれは何て植物でしょうか??
TMsinrin06.jpg
答えはギンリョウソウです。
葉緑体を持たない植物なんだそうです。
今度SPADで計測してみたいです。数値ZEROになるんですかね?
どなたか試されたことある方居たら教えてください。
国内には結構SPAD信者さん居てるんで、これでZEROやなかったらどうするんやろ??

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2009年06月17日

ランバージャックへの道 パート1

ランバージャックへの道 パート1

お久しぶりです。
東京支社で頑張っておりますTMです。
さて今回はお客様の研究のお手伝いで測定に行ってきました。
場所は福島県いわき市勿来!
http://maps.google.co.jp/maps?utm_source=ja-wh
内容は林内の温湿度、リター厚、リター上部、下部の温度、土壌水分の測定です。
私は放射温度計でリターの温度と水分計で土壌水分測定を担当してきました。
土壌水分センサーは弊社取り扱いのDelta-T社製SM200とHH2の組み合わせを選択しました。多点を移動しながら計測するのは、この組み合わせが最適と判断して準備しました。

TMsinrin01.jpg

TMsinrin02.jpg

屋外での活動は海では慣れておりますが、山は初めてなので装備の準備からして
大変でした。で、結局落ち着いたのが合羽と長靴にモスキートガードと軍手。
流石に熊除けの鈴は着けませんでした。


作業は7m、12m、15mのプロットがあり、杭で1m間隔にマスキングし、地道で人海戦術のみが有効な作業をスタートさせました。
当日は雨こそ降っておりませんでしたが、林内の湿度は高く通気性のない合羽を着た事に数分で後悔いたしました。サウナスーツより効果ありますよ!!
単調な作業が続く事と山に慣れていないのもあって、方位の感覚が狂い始めるので
声を掛け合いながら進捗させていきました。
初日は不慣れな事もあり予定の半分以下で終了。でもヘトヘトでした。

TMsinrin03.jpg

夜は勿来駅前の“みちのく”という居酒屋さんでお世話になりました。
早苗さんというママさんの料理も美味かったですよ!
同席した近くの温泉施設の社長さんにお酒奢ってもらいました。

屋外の作業では虫に悩まされるのが一番気になりました。
耳元でずっとブンブンいうてるのは苛々するし、集中力の妨げにもなります。
その回避の為にお借りしたモスキートガードが、逆に作業効率の妨げになるんです。
そこら中にひっかかるので、前に進むのに気を使うのが鬱陶しいんです。
海なら海パン一丁で平気で気楽なもんです。
虫は来ないですがクラゲに刺されたり、たまに魚がぶつかってきたりもします。

なので二日目は頭にタオル巻いて、顔に特製の虫除けスプレーかけて測定しました。
二日目という事もあり、チームプレーにも良いリズムが出てきて、計画を全て終わらすことができました。それでも8時間くらいはかかりました。
パートナーさん曰く素人さんと一緒なので楽な調査にしてくれたそうです“”


屋外では環境制御が出来ない事と、余りにも測定対象が広いので、何を真値とするかの判断基準が難しいです。
簡単な解決策はありえないので、とにかく多点でデータを集めるしかなさそうです。
また測定精度もかなりバラつきが出てしまいます。
根が張っている土壌では空隙が多く、数値が低く見積もられてしまいます。
また礫や腐葉土など不確定要素が入り込む余地が沢山あります。
測定ポイント1点に対し3点は挿入して測定をし、アベレージで求めるのが最良なのではと感じました。

1点目の測定ポイントが終了したので、翌日からのポイントへ移動します。
続きは次号で!!

最近流行の森林療法というのがありますけど、あれも滞在時間ですよね!
2〜3時間の山歩きなら気分爽快で帰れますけど、ずっと居たら逆に鬱になりそうです。山の中の静寂は想像以上に怖いですよ!

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2009年03月17日

CS616プローブって・・・

CS616プローブって・・・

このプローブ、土壌水分を計るんですけど、その出力の仕様が???です。

弊社のMIJ-12ロガーにこのプローブをなんとしても接続したいお客様がいらっしゃって、そこで気が付いたんですけど、出力がサイン波で出てます。

サイン波の周期が14〜40μSec程度まで土壌水分に応じて変化する仕様です。

こんな感じで、

CS61605.jpg
大気中の出力

CS61604.jpg
水中の出力


普通、センサーと呼ぶモノは電圧とか電流とか抵抗値とか、たまにシリアル出力とか、そういう出力を持っているわけですが、これは一般的なルールに該当しません。

そうか、だからセンサーって一言も書いてないわけですね。
Water Content Reflectometer
って書いてます。確かに。センサーじゃないって言いたいわけ??

どうしようもないので、これように作ったF/V変換器をMIJ-12の電源部に増設しました。
CS61601.jpg
MIJ-12の電源基板に2階建を増築て

CS61602.jpg

CS61603.jpg
良かった蓋も閉まった。

F/V変換というのは、周波数を電圧にコンバートするという意味です。CS616の出力が周期、つまりPeak to Peakの時間という単位ですから、これをそのまま1.400〜4.000VDCに変換してあげれば普通のロガーで読めます。

というわけで、MIJ-12は無事CS616の出力を読めるようになりました。

このプローブは消費電力が大きめなので、MIJ-12の電源基板からそのまま電力供給すると容量オーバーです。なので、電池から直接enable(オレンジ色)に接続したりと、組付けがとても面倒になってはいますけど。

周波数で出力するCS616のメリット、デメリットを考えました。
○ ケーブル長さの制約が少なくなり、300m程度OK。これは確かに良い。
○ 出力がTDR法の原理原則そのまんまなので、なんかうれしい。(と感じる人もいる)
○ そのまんまなので、基板に実装する部品点数が少なく、壊れにくそう。

デメリット
○ 電圧出力じゃないので、汎用ロガーと相性が悪い。
○ ロッドがやけに長くて、取り回しが。

作って気が付いたんですけど、その周期の単位は全然違うのですが、風速計の昔ながらのものってパルス出力と呼ばれている出力が出ますね。これも周波数です。風速計に1対1で汎用ロガーを接続する用途がメジャーかどうかは解りませんが、可能ではあります。

総評として、
CS616は仕様がとてもマニアックです。マニアの自覚がある方には出力が限りなく生データなので、面白みがありますけど、そうではない方はあえて、これを選定する理由がないです。1chロガーと接続する場合でもケーブル長さの自由度は意味が無くなります。独特の注意点として、白い樹脂部分を指で持っても出力に影響します。プローブを大気中に保持して基板のポテンショを調節する作業が入るんですけど、その際に気が付いてしまいました。白いところも全部土壌に埋めてしまうのが設置の勘所です。

あっ、キャンベルロガーをお持ちの方は平気です。なんの問題もないです。

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2009年02月25日

インクジェットのカスタム

インクジェットのカスタム

ここのところ不景気だってお話が方々から聞こえてきます。流行語なのか?と思ってしまうくらい。弊社の場合はというと、とっても好景気がない代わりにとっても不景気もない、とっても刺激のない経営状況なわけで、創業以来借り入れもないし、事務所家賃も不要、つぶれようがない経営です。

弊社の業務というのは、必要がないものは売ってないし、必要じゃない仕事もしないので、必要じゃないとお呼びがないから必要な仕事以外はしないという、流行とは縁のない業態です。労働エネルギーを最低限に消費するという意味ではエコロジーと言えるのではないかなあ。

開発なんかも最小限しか外部委託しないから、時間が有ればたいがいできてしまうわけですし。

話を戻して、不景気って言うと、次は節約(エネルギーではなく金銭の方)がテーマになるもんです。

ご存じのようにインクジェットはインクが意外と高額です。それだけならまだしも、インク交換の手間は、ヘビーユーザーにとって、めんどう以外の何でもないわけです。たまに何故かインクが漏れて来たりするしねえ。

レーザーは良い縁が無くて、何買ってもすぐ壊れるし。

今プリントしたいのに、勝手に止まったときのイライラというのは健康に悪い。そういう気分からもまこと切実に脱出したい。

弊社の技術を惜しげもなく投入して・・・・・というわけではなくて、仕事の気分が乗らない時ってあるもんですが、そういう時にインクジェットのカスタムを行いました。
inkjet.JPG
夢のフルカラー1万枚連続印刷可能なインクジェット、Tuned by EMJ


改造費は200円と2時間。カートリッジのダイアフラムにインク供給するノズルをチューブの先端に装備することが必要で、ボールの空気入れ用の針を100円ショップで買ってきました。外径が丁度いいので。チューブなんかはいっぱい持ってるし。安物の詰替用インクボトルをそのまま使ってます。

そう難しいカスタム(この単語、美しい響きです。)ではないのですが、費用対効果は絶大です。見た目はともかく。

Qアホか?

Aはい、認めます。

Q 1万枚なんて、誰もインクジェットに期待してないって

Aその通りです。

Q見せてくれ。

Aいつでもどうぞ。笑えます。

Q売ってくれ。

A売りません。こんなもの。自作してください。

ああ、またしょうもないモノを造ってしまった。

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2009年02月24日

グラニエ自作用アルミパイプ

グラニエ自作用アルミパイプ

世界のグラニエセンサー自作者(樹液流計測関係者)にとって、ショッキングな出来事が起こりました。外径3/16、内径0.014inchというサイズで、A3003を材料としたアルミパイプの供給が途絶えたのです。何処探したってありません。
altube.jpg
本当のところ、グラニエセンサーの存在は我々業者にとっては「自作がメイン」という理由で縁がない、つまり商売にはならないセンサーなのですが、それはそれでサップフローを計測する研究がテーマとして成り立つ限り、その計測は有意義と言い切れるわけです。で、その関係者とは弊社のお客様であったりするわけで、「そんなの知るか。」って気分にもなれないのです。

弊社の結論として、ビジネスとしての判断は明らかに間違っていますけど、大量製造する事にしました。一応弊社の場合、九大大学発ベンチャーって枠に入っちゃってまして、かつ、堂々の第一号創業(注釈:最初に造られたって意味。一番大きいって意味じゃない。)の会社という事になってます。そういう背景もあり、研究がこんなパイプ程度の事で滞ったり、絶滅したり、ってのは、どうにも我慢ならないと思ってしまうのです。

別に「大量」に造りたい訳じゃないんですけど、材質指定の上で、インチ規格のパイプを日本で製造するとなると、それは需要が全く無いモノを造るという事になり、何本とか何mとかそういう単位ではなく、「A3003でこれこれの規格で公差はこうで、それを30キロ分お願いね。」、というやりとりになってしまうわけです。そうしないと販売単価が馬鹿みたいな価格になってしまうのです。まさか、切削で造るなんて愚かな判断はエンジニアとしてはできないですし。

こういう訳で、2009年3月20日前後に、1.1m長さ、約6500本が弊社に入荷します。全国のグラニエファンの方々、生涯の間、安心頂いて大丈夫です。弊社はパイプ屋じゃないので、表向いて積極的な販売を行う事はありませんが、日本国内の需要をどう少なく見ても30年間以上は満たせる在庫が弊社にあります。

そして、全く苦にならない価格にしてます。

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2008年12月15日

白虹

白虹

光合成とは全く関係ない話ですが、2008年12月12日夜、福岡では白虹(ハッコウ)という現象が見られました。詳細はhttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9A%88
DSC03537.JPG

最近のデジカメは、ボタンを押すだけで、自動露出してしまうので、何も考えずに、おおっ、という写真になってしまいます。

このときの空は、写真とまんま同じように見えてまして、迫力のある景色でした。

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2008年09月18日

光量子センサー煮込みました

光量子センサー煮込みました

MIJ1400.jpg

弊社製PARの初期ロット12個が完成しました。型式MIJ-14、品名Quantum Sensorです。初期ロットは販売予定がないので、シャア専用色になってます。

このセンサーの設計は、やり尽くした実感が強く得られるものでした。まず、既存のセンサの弱点をまとめると、防水、長期ドリフトの2点、次に波長感度特性、入射角特性、最後に出力が小さいということになります。

対策は、筐体からケーブル直出しは漏水の原因なので、これをコネクタで封印すること。

MIJ1404.jpg

長期ドリフトの要因は、光学フィルタの劣化と断定しました。熱、水、酸素が劣化要因なので、水と酸素を除去する薬剤を封入する。2つの要因を削除すれば熱があっても劣化は防げます。

波長感度特性は400nm未満、700nm以上の波長をカットすること。要するにUV/IRカットフィルタを内蔵するということです。

使用するフォトダイオードの波長感度特性はPARの定義に合わないので、これを合わせるために色ガラスで補正する。

忘れちゃいけないのが、外部に剥き出しの拡散板です。ここは普通は紫外線防止剤入りアクリルを使いますが、劣化の一要因です。弊社ではガラスを使用しました。

MIJ1403.jpg

ここまで対策したら、その成果はどうなのよと思うわけで、しかし、確認するには1年程度待つしかないのですが、そこを強引に短時間でやってしまえないかと考えました。

そこで、

MIJ1401.jpg

えいやっと、やかんで煮込みました。その後、氷水に投入し、また煮込むを繰り返し3回です。

MIJ1402.jpg

その心は、防水のテストができれば、湿度、酸素のシャットアウトは出来ていることが確認できて、そうすると、ドリフトの要因は削除されたと判断できるんではないかと考えたわけです。

沸騰させれば内部は100℃になり、内部気体は膨張します。シールが甘ければ気体は外部へ漏れます。次に氷水で0℃になると、今度は収縮しますがその際内部は負圧になって、外部の水を吸ってしまう事になります。

実際、PARセンサが置かれる環境は-40〜60℃程度でしょうからその差は100℃あるわけで、このテストとさほど変わらない温度差環境です。年上一定温度の海中より厳しいわけです。防水の面では。


分光感度特性です。
MIJ1405.jpg

結果、浸水や、出力の異常は確認できなかったので、来月にもデビューさせます。量産モデルは黒の予定です。

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2008年08月22日

続・・・光量子センサー

続・・・光量子センサー

以前(って半年も前になるなあ)に光量子センサや照度センサについて、ごにょごにょ書き込みしたんですが、その後、おまえが作れって声が急増してしまったという事態に陥ってます。

これは予想が付かなかった反応でしたが、結局のところ、とても素直にまとめると、こういうご要望とかクレームなわけです。

某光量子センサが業界のスタンダードである。知らないヤツはモグリって呼ばれるもんね。って英文論文にはみんなで書いてあるらしい。(読んでないけど。)

当初はその価格にふさわしい性能と、これを買ったら世界標準を使っているという安堵感とか満足感とか優越感とかいろんな気分が味わえる。

しかしながら、1年以上使ってデータを確認してみると、あまりにもドリフト、つまり、この場合正しくは経年劣化が大きいではないか。

それはつまり年に一回買い換えろと言うことか。なめてんじゃねーぞ。

と、矢印をたどるに連れて、怒り指数は血圧と共に上昇し、最後は、もはや自分でも止められない逆上激情の怒濤のごとく意味無し八つ当たり型の話し方になってしまうわけです。(注:ここでは、弊社が売ってなくて良かった。と別の意味でこちらは安堵するわけです。)

少し落ち着くと、今使っているPARセンサが何処何処のメーカーで、それはつまり、論文で読んだから買ったのにね、そんで、信頼して買ったのにね、でもね、それが・・・・・・虚構だったのよ。・・・・と、フェードアウトする話になっていきます。

ここで、終わりかと思いきや、振り向きざまに(実際は見えないけど)最後の矢印が出てきます。

国産で、高精度で、ドリフトしないで、でもって安いのを作ってね。待ってるよー。

あっ、そうそう、でもね、業界のスタンダード品との比較はやってね。

と、ここで全てのストレスから開放されて、でも「業界スタンダード」のこだわりは捨てきれず、晴れ晴れとして電話が切れるんですけども、こちらにその分のプレッシャーがかかってしまうと、そういう事態が福岡の片隅の電話口で、今日この頃現実に起こっているのです。

そういうわけで、近日公開になると思いますので、その予告です。
写真がこれ、
prepre.JPG

7月にとある人に出会ってしまったことがきっかけで少々開発が寄り道になってしまい、特殊仕様の写真になます。2つのセンサーの組になってますけど、PARの場合には一個で使えます。

これは特殊仕様ならではの光景
prepreleaf.jpg

こんな具合に、
PARinsonic.jpg

熱湯と冷水に交互に投入して、超音波洗浄器に投げ込む事を繰り返すという、IP規格でもやってないような、そういう防水テストも終わりました。

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2008年06月25日

3分照度センサー

3分照度センサー

またつまらぬ物を作ってしまいました。
NY01.JPG

6月16日、NY様からご連絡を頂き、今手元にある出所不明の浜フォトのフォトダイオードを使って、照度センサーを12個作りたい、しかし7月始めに観測サイトに設置に行くので間に合うかなあ・・・・。

通常の物作りではいろんな事を考えて設計するんですが、今回は制約が多いです。

ここで、ご要望と設計思想のバランスを考えてみます。

1 今あるセンサの選定基準が曖昧(何故かそこにあったというだけらしい)
2 拡散板の準備は間に合わない
3 拡散板を設ける場合、その透過スペクトルとPDの感度スペクトルを使って光学設計を行わねばならない
4 そこまで行くと、入射角特性(コサイン補正)の設計もやりたくなってしまう
5 そうするとハウジングはそれなりに複雑な形状になってしまう
6 自作しようとされている事から予算の制約はかなり厳しい。

つまり、バランスはとれないということが明白です。しかし、ここで終わっては何も進みませんから、こういう場合にはかなり思い切った事をすべしという天の声が聞こえます。

1 1年持てばいい。手持ちのセンサーにとっては出番があるだけ生き甲斐ってもんです。
2 弊社で組立しなければいい。これはお客様にやってもらいましょう。
3 部品代を抑える。そういう設計をすると、価格も安く、加工屋さんの納期も早くなります。小さくシンプルな形状でハウジングを作りましょう。
4 要するに肝要なのは防水と水平が出しやすければよい。

完成品が上の写真です。見本だけは弊社で組み立てました。

組み立てて気が付いたんですけど、これは少数ながらまねしたい人がいるかも知れないと思いました。と言いますのは、個葉に沢山のセンサーを設置したいという方もたまにいらっしゃるのです。なので、ここで3分照度センサーの作り方講座です。

準備する物
1 お好きなフォトダイオード
2 同軸ケーブルφ3程度のもの
4 塩ビ製のハウジング(お好みでアルミも可。でもアルマイトはかけた方がいいです。)
5 300Ω程度の抵抗(電圧出力が欲しい方だけ)
6 ニッパー
7 小型の万力もしくはボール盤
8 セメダイン社のスーパーXクリア
9 透明レジン
10 はんだこて15〜30Wとはんだ

まずハウジングにフォトダイオードをスーパーXで接着します。この接着はセンサ背面にあるピンの防水も兼ねますから、慎重にしかし大胆に行います。
NY02.JPG

接着剤が仮留めできるまでに10分程度かかりますから、その間万力やボール盤で軽く圧縮します。写真ではセンサー表面を破壊しないように綿棒を鋏んでます。
(この時点で3分以上経過してますけど、ただのタイトルと言うことで・・・。)
NY04.JPG

同軸ケーブルをサイドの穴から通します。そして先端のシースを
切って、銅線を剥き出しにします。
NY03.JPG


ハウジングの背面の結線を行います。同軸のセンターをフォトダイオードの+側にしましょう。シールド側を−にします。
NY05.JPG

ハウジングの背面の面から配線が飛び出さない位置ではんだ付けします。フォトダイオードは熱に弱いので、なるべく短時間で行いましょう。

フォトダイオードの余分なピンをニッパーで切ってしまいます。
NY06.JPG

そうすると穴の中に全ての配線が入ってしまう構造になりますね。ここでレジンを流し込みます。レジンはなるべく流動性の良い物が向いてます。

以上でほぼ完成です。

もし、電圧が欲しければ、センサー側ではなくて、データロガー側に抵抗を入れます。

ハウジングの穴の中にも入るんですけど、抵抗というのはそれ自体が温度特性を持っていますから、センサー側ではなく、なにかしらの箱に入るであろうロガー側に抵抗を付けるのが賢いです。

それでも温度(気温)変化で抵抗値が変わりますけど、全部同じ場所にあると、どの抵抗もだいたい同じ影響を受けるので、センサー側に付けるより遙かにマシです。

注意:このセンサーについては、急場しのぎというか、手抜きするしかなかった背景がありまして、その程度の「ブツ」ですから弊社ではとても販売はできません。

かなり良い「ブツ」を開発中なのでお待ちくださいね。

なお、このセンサーはNY Sensorと銘々してます。そう呼んでください。

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2008年06月12日

PR2の校正とキャリブレーター

PR2の校正とキャリブレーター

デルタT社の製品を取扱い始めて約2年が経過しました。ここの土壌水分関係のセンサーは、頑丈で、精度が良く、かなり気に入ってます。(じゃないと販売できませんもんね。)

さて、土壌のプロファイルを計測するセンサーでプロファイルプローブPR2/4やPR2/6と言うのがあります。

こういうの
Profileprobe.jpg

このセンサは弊社が販売開始してからさほど売れてないのですけど、その理由に、1.既に沢山出回っている。2.前モデルのPR1の悪評がつきまとっている。が挙げられます。

1については、これはどうしようもないです。

2については、弊社ではPR1を販売したことがないので、なんともしようがないのですが、せめて出来る範囲でという事で、一時期、PR1 to PR2アップグレードキャンペーンを実施しました。

こういう流れから、弊社が販売した訳じゃないのに技術的な問合せや、修理の問合せが増えてきています。(なんで?)

どんな機械でも長年使用すれば、そりゃあ壊れることや、不調になることはあるものです。

しかしDeltaT社の土壌関係の製品では他機種ではほとんど修理の案件が皆無なのに、このプロファイルプローブについては問い合わせが多い事が経験的に解ってきました。

マイナーな、例えば、コネクタの接触不良やどこかの断線などは、まあ普通の機械並みという頻度ではあります。しかし気になったのが、PR2(PR1じゃない)を使っていても、調子が変、計測値がおかしい、といった案件が比較的多いのです。

そこで、弊社ではその対策として校正装置を作りました。正規輸入販売代理店だし、このくらいはやってもおかしくないでしょう。

問題点は、1mものプローブを均質な水分状態にする点です。どんな土壌を使用しても1mもの高さに積層すればその粒子の密度は重力によって分布してしまいます。横挿しではどうかというと、それでも重力で時間経過と共に同じ事が起こるでしょう。

過去の論文を調べましたら、森林総合研究所発行の
Kyushu J. For. Res. No. 55 2002. 3
「2種類の土壌水分計のキャリブレーション」小林 政広 酒井 正治
という論文が大きなヒントになりました。

良い点は、
均質な含水率のサンプルを作り出せる
挿入箇所の違いや挿入回数の影響を受けにくい

つまり、
土壌水分計の個体差チェックが可能
製造したサンプルの体積含水率が既知で有れば中間値を用いたキャリブレーションが可能

となるわけです。

何故にガラスビーズが良いかと言いますと、
水より十分比重が高い、水に浮かない。
粒径を整えやすい、これは粒径を指定して買えばよいだけ。
十分に固いので、積層しても密度分布が生じにくい。
導電性がないので、誘電率に影響しない。

なんと、プロファイルプローブの校正用サンプルにぴったりじゃないですか。

で、直ぐに材料屋さんに電話して、「ガラスビーズ150kgください。粒径これこれ・・・・。」

「はい、今日発送します。」

「??えっ、在庫って有るんですか?」

「もちろん。500kg常備です。」

「・・・・。」

驚きを隠せませんでした。

2日後に到着。思ったより、こういうものって、早く着くのねえ。

できたのが、こういうものです。

PR2cal01.JPG

水道の蛇口の近くってのがポイントです。

真ん中にプロファイルプローブ用のアクセスチューブATL1を挿しています。

PR2cal02.JPG

重量があるサンプルなので、アクセスチューブはなんの支えもいりませんでした。固定方法、悩んだんですけどねえ。挿す前に。

作った後で気が付いたんですけど、これ、すごく重いです。約150kgのガラスビーズと水と巨大な塩ビパイプですから、総重量は300kgを越えます。

見ての通り運べません。多分あんまり使わないので普段はとても邪魔です。それと、材料費が結構な金額になります。

ここで、既知濃度を計測する必要があります。ML2xシータプローブの出番です。このセンサは、比較的まともな価格ながら高精度なセンサで有名なものです。

沢山測っての計測結果は40.8±0.2%VWCです。安定した計測を行うにはセンサー根本付近にガラスビーズが十分入り込むようにという配慮だけは必要です。

丁度、本州のお客様から校正の依頼があったので、遠い英国まで送り返すことなく、PR2/6の校正を実施できました。

約2年ほどご使用になられたとの事で、確かにかなりずれており、6個のセンサーは±8%VWC程度、バラツキがありました。

校正は大気中で水分が無い状態でゼロ校正、今回作ったキャリブレーターでスパン校正を行います。

ゼロ校正時にもアクセスチューブに挿して実施することは大事な事です。

普通の水だけの状態でスパン校正やればいいじゃない・・と思う方も多いかも知れませんが、100%VWCの状態ではPR2の出力は1Vを越えてしまい、校正曲線が使えないエリアに突入してしまうのです。

そもそも誘電率を使う場合、その推奨範囲は100MHzという周波数を持ってしても、せいぜい50%程度まででサチッてしまうでしょうし、それ以上のセンサ出力を校正式に反映してしまうと、実用範囲の精度が落ちてしまいます。これはもったいない。

一応、弊社で有償にて校正承ります。

弊社で買ってない?

そういう細かいところは気にしません。田舎者は。

ただ、この装置、たまにしか出番がなさそうなので、既に持っているPR2を弊社に持ち込んで、「自分で」やってみたいという方がいらっしゃったら使って良いですよ。

沢山のセンサーを持っていたり、そろそろ校正したいなあという方は多いと思いますし。

問題は弊社の所在地です。地方なので、ほとんどの方には遠いかなあと思います。

使用料は・・・・・気前よく無料です。(ただし、上記「自分で」が重要。仕事の時間を使わせないでください。)

おみやげなんかは歓迎します。(決してMUSTではないです。)

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2008年06月08日

働くおじさん!!

働くおじさん!!

本日は弊社のお仕事のお話。

弊社は一部業務で海外メーカーの国内代理店であり、輸出入業務をしております。
ある意味メーカーであり、商社でもある訳です。

皆さん商社マンとかメーカー営業て言葉聞いたらどんなイメージです。

ファッション雑誌の「デキるサラリーマン特集!!」見てきました。と言わんばかりのスーツばしっと着こなして、そりゃあもう、寝る暇ないくらいに時間に追われて、でもリゲイン飲んで気合い入れたら大丈夫だもんね。

でも冷暖房完備。

そんなんステレオタイプばっかり沢山いたら気持ち悪いと思うのは田舎にいるせいでしょうか。

スーツ着てて商品買ってもらえるなら3枚くらい重ね着しましょか“”

担当してる研究室の学生さんがその格好見て、将来こうなりたいとは思いませんわな。まあそういう私も東京居るときは同化してたんですけどね・・・・。

track.jpg

この写真は先週、圃場に入れる土の運搬を依頼された時の1枚です。
こんなんスーツ着てたら出来ないっしょ=)) 

他にも観測タワー建てたり、量水堰造ったりと地元密着のお仕事に従事しております。

コレ見てこんなん嫌やと思う方もいるでしょう!でもお客さんと一緒に汗かいて仕事
してるのは楽しいですよ!BBQとかも参加しますし“”

経済効率から鑑みたらそりゃ非効率ですよ!1件にかける時間は最短にすれば、
それだけ多くの研究室廻れますもんね!酒屋の兄ちゃんみたいに!

東京の一等地に事務所構えて、家賃と光熱費で月100万円コースを稼がなアカンのも分りますけど、そんなん僕らは遠慮しときます。別にShowRoomとか無いですしね!!

お客さんと同じ目線で一緒に汗かける、そんな会社があってもいいですよね!

これからも世の中の大勢に逆らって、足踏ん張って頑張りますので応援お願いします。そうは言うても会社なんで利益ないと運営出来ませんのでお買い物もお願いします。

皆さんで国産品の普及と導入を後進の為に盛り上げていきましょう。

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2008年06月05日

ポロメータAP4の詳細って・・・

ポロメータAP4の詳細って・・・

最近お問い合わせ頂くことが増えたポロメータAP4ですが、なかなか詳細が解るホームページって、英文を含めて少ないことに気が付きました。

そう言うわけで、写真を交えて「こういう機械です」というページをアップロードしましたので、興味のある方は参考にしてください。

http://www.environment.co.jp/ImpPro/DeltaT/AP4/ap4.htm

こういうところが見てみたいという要望は、リクエストくだされば掲載します。


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2008年06月04日

JuniorPAMをMacで操作してみました

JuniorPAMをMacで操作してみました

ibook&juniorPAM01.JPG

肩身の狭い気分のMacファンに明るいニュースです。

どの機械のソフトも対応OSはWindowバージョン何以上から!等々こんなセリフを見る事が多くないですか!

まあ確かに世の中大多数に合わせるのが常識なんでしょうけど、もう少し融通利かせてくれよ“”というのが少数派の意見でございます。

海外製品の中には未だ頑固に通信はシリアル(RS-232C)の物も結構あります。そのシリアルに合わせてPC機種選定するってのも本末転倒な気が致します。この問題は大概の場合、シリアル-USB変換ケーブルで対処できますけどね。

さて本題に入りますが、とあるお客さんがジュニアパムを購入したんですけど是が非でもMacで動かしたいとのご希望です。じゃあ試してみましょうか“という事になりました。

そんなんウチに言われてもと思いますが、まあ面白いのでお付き合いしました。

まあここ数年動かしてないOldPAMの配線を結構な数経験してきたので、毒を喰らわば皿までって気分でやってます。便利屋さんみたいです。

結果ちゃんと動いてます!!
ibook&juniorPAM02.JPG

「マイクロ」の文字化けはWindowsでも同じなのでしょうがないとしても、動作は問題無いです。

手順は
1. MacBook、MacBook Pro、MacBook Airその他、なんでもいいからインテルマックを買います。
2. そうするとBootCampというエミュレータの様なソフトが付いてきます。
3. Windows XPが入ったOSを買います。弊社では、壊れて使わなくなったDellに付いていたOEMのXPを使いました。
4. BootCampのマニュアルに沿って、Windows XPをインストールします。
5. WALZのWincontrolソフトをインストールします。
で、このようにUSB経由で接続する。

ibook&juniorPAM04.JPG

作業は実際やってみますと簡単でした。

最近では普通にPC買うとVistaが強制的に組み込まれていて、XPが捨てがたい場合には困った状況になってますし、「WinXPが使いたい」という目的だけでもMacBookなら安いし買いでしょう。Vistaも入るらしいですが。

測定器に戻ると、この機械ファイバーがプラスチック製になってるんですね!
光が外側に漏れずにちゃんとサンプルに照射してるのか気になる所ではあります。

次回は別の測定器を使って反応が漏れずにしっかりディテクト出来ているか検証してみたいと思います。いつやるかは未定なので気長にお持ち下さい。

*弊社はWALZ社の代理店ではないので、Junior PAMの質問は正規代理店さんにどうぞ!!

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2008年06月03日

光合成研究会参加してきました!

光合成研究会参加してきました!

私個人としては毎年の恒例行事ですが、弊社としては初参加してきました。
今回は大会に参加すべくPSI社・社長Martinが来場し、最新機種Fluorcam800MfとPhotoBioreactorの2台を展示するという、いつにない力の入れようでした。

bio02.jpg

大会は30・31日の二日間開催され参加人数は100名弱位の規模でした。
名古屋大での開催は今回で二回目なので、何の心配も無く大会に臨むことが出来ました。

これも三野さんを初め伊藤先生の研究室の方のご助力があっての事です。この場を借りてお礼させて頂きます。ありがとうございました“”

長年参加しておりますと、殆どの方のお顔を見たことがあるか、お名前を聞いたことがあるようなFamily的な感覚がある研究会で居心地が良いです。
ただ今回は東大の入試説明とかフランスでのクラミドの研究会もあり、何名かの方は不参加でしたが、盛況な大会であったと思います。

本当はもう少し余裕があれば、古くからのPSIユーザーの方とMartinとで意見交換する場があれば皆様のためにもなったかと思いますが、彼も満足して帰りました。毎回の事ですが、Martinのお守りは疲れます。

今回もカラコピー機探して名大を彷徨っておりました。途中偶然にも山口大の荒木さんにお会いするハプニングもあり、戻った時にはヘロヘロでした。
800MfのCCDカメラもどうやら機種入れ替えをしている様子で、解像度もかなり改善されていました。今回のはGFPにも対応しておりますので、ご関心のある方はお声かけて下さい。いつでも参上致します。

余談)
大会終了後、知り合いのお客様と食事に出かけたのですが全然名古屋名物じゃないんです。何故かバリ料理とインドネシアのビール飲んでました。

ビンタンはバリ島にサーフィン行った時以来でしたが、水で薄めたみたいな味でした。
Martinともセルフ串揚げ食べてました。

食べる具材を好きなだけ取ってくるんですが、このジャンクな味が気に入った様子で何度も大盛りでニコニコして持ち帰ってくるんです。憎めない奴ですわ!!

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2008年05月28日

葉の分光透過率

葉の分光透過率

ひょんなことから、光量子センサーを新規開発することになりまして、現在設計の途中です。

数名の詳しい方々(実はお客様でもある)とお話ししていく内に、結局のところ葉の分光透過率(もしくは分光吸収率)を測るのが先、という結論に至りまして、早速庭にある樫の木他を計測しました。

と言いますのも、PARセンサの理想的な特性について、詳細な資料(論文)という物がなかなか入手できず、あったとしても1980年代が比較的新しい方、という状況だからです。

最も役立ったのは「Radiation and light measurement / Robert Pearcy」でしたが、その中でも既に1972年にMcKreeが計測した実例しか掲載されていない有様で、つまり、この辺の定義に関する議論はその年代で既に終わっていると、そういう事らしいのです。

でも、70年代に良い分光器が有ったかと言えば、本当かなあこのグラフ、手書きじゃないの?というイメージが払拭できないのも事実で、実測というわけです。

得られた結果がこれ、
leefSpectr.jpg

黄色いのは明らかに緑色に見えない葉を遊びで計測してるので、少し傾向が違いますが、他は観葉植物、お外の謎の植物も含めて、ほぼ同じ傾向にありました。へえーーーという印象です。

一点、McKreeと違うのは550nmの透過が強いです。

透過率(や吸収率。同じですが、)を元に波長毎のCO2 uptakeを考慮して、Photon energyに換算すると理想的な光合成有効放射束密度PPFDとなるらしいのですが、そこのところは読んでも計算方法などの詳細が解りませんでした。

しかしどんな演算を行っても、この550nmのピークがきれいに無くなって、400-700nmがリニアに増加というidealと呼ばれる感度になることは、不思議な感じは致します。

ideal.jpg


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2008年04月30日

PMSのお掃除

PMSのお掃除

連休の時期というのは、驚くほど蓄積された宿題や、修理案件などを一気に片づける(できれば)時期でもあります。弊社の場合。

今回はPMS instruments社プッレッシャーチャンバーModel 1000のオーバーホールです。

Model 600はよく見ますが1000はあまり見ません。
ですが、同じ構造です。

この機器は現場で天候に関わらず使用されるので、それなりに汚れが堆積してしまいます。

清掃前
PMS01.jpg

清掃後
PMS04.jpg

次は分解清掃です。
箱から出すと背面はこんな構造になってます。
PMS03.jpg

PMS02.jpg

とてもシンプルですね。全ての配管を取り外して分解清掃します。

チャンバーのガス入り口に1個と、ボールバルブの排気側に1個焼成フィルターが装着されています。ここは清掃ではなく、洗浄した方が効果的です。お持ちの場合、超音波洗浄が良いでしょう。

このフィルターが詰まると、加圧、排気の動作が遅くなります。

ボールバルブは構造が難しいことになってますので、慣れていない方は分解はおすすめできません。(そもそも分解するなとSwagelokは言ってますし。)

ニードルバルブ程度は部品の組み付け順番を守れば、素人でも大丈夫だと思います。

組立が終わったら、安全バルブのチェックを必ず行いましょう。何せ高圧ガスが流れる機器なので、安全を第一に考えてください。


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2008年04月28日

炭素固定&蛍光測定!!

炭素固定&蛍光測定!!

光合成活性とクロロフィル蛍光を同時に計測する方法は何通りかあります。

最初に思いつくのは光合成蒸散測定装置でしょう。

何社か国内の代理店(何故かここでも海外製品ばかり)が販売しているのですが、夫々の人工光源ユニットでちゃんとしたデータとして発表されいるのは件数少ないですよね“”しかも丁寧にもPAM用のアダプターが販売されているって事は、
メーカーが仕事放棄して後はWalzさんヨロシクって丸投げしてる感じすらします。

もう一つは酸素電極ユニットとクロロフィル蛍光装置との組み合わせという例もあります。

でもこれは非破壊での測定が無理なので、フィールド系の研究には不向きです。
あと酸素電極の測定精度にもやや難ありです。

じゃあ文句ばかり言わんと何か無いの?とクレームが着そうなので、そろそろ本題に入ります。答えはアルんですよ!!

夢の合体が!!

まず弊社で推している蒸散光合成測定装置に英国ADC社LCproがあります。

これに弊社代理店のチェコ共和国PSI社FluorcamHandyを合体させてみました。


去年くらいから英弘精機さんとタッグ組んでLCproの紹介してるんですけど、
安定性も良くデモでのデータも結構いいんですよ!お値段もお手頃ですし!!

じゃあこれに二次元クロロフィル蛍光装置を合体させたら格好いいんちゃうの!という安易な考えではじめたんですけど、意外と精度良く撮れたんです。

DSC02686.JPG

PSIADC.jpg

葉脈もバッチリ撮れてます!!

利点としては測定面積が稼げる事ですね!パムのファイバー径が1.5cm位ですかね?
それに対してFlourcam使うとチャンバーのガラス面全体をカバー出来るわけです。
光源も2000μフォトンは照射出来るので充分ではないかと!!

二酸化炭素濃度、湿度、温度を仮定値に設定して、安定させた状態でサンプルの
蛍光反応をきちんとトレースでき、且つイメージ画像を取得出来るのです。

一挙何得なんでしょうか!素晴しい!!

6400はお持ちの方結構いると思うので、それにドッキングさせたらいいのです。

すでにお持ちの方はガラス面の透過率を東京の代理店さんに聞いて下さい。
(何故に東京の会社ばっかり代理店なんですかね?富山とか秋田でもいいのに!これも地域格差なんですかね。)

広葉、細葉、針葉樹、アラビとチャンバーも各種取り揃えております。
アラビの場合は別の装置が必要になると思いますが。

気になる方は、一度デモでお試し下さい!!

あとエイコウの平方さんも頑張って紹介してきてね!!

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2008年04月16日

光を測る!

光を測る!  

光の計測で検索をかけるとそれは物凄い数がHITすると思います。

日射も家庭用の電灯もLEDもレーザーも光には違いありません。
我々の分野でも必要とされる種別は多岐にわたります。
全てに対応する機種をご紹介出来れば嬉しいのですが、なかなか難しいです。

その中で最近デモで見せてもらった機種が意外と幅広く使えそうなんです。

舶来物がでかい顔して威張ってる業界で、国産で頑張ってる英弘精機さんが製造販売してるMS-720!コレ押しです。

MS-720.jpg

簡単に説明致しますと軽量携帯型の分光放射計です。

最初はリモセンの用途だけかと思ってたのですが、被服材やガラスの透過や
様々なサンプルの反射率と多岐にわたる活躍を期待出来そうなんです。

測定波長域は350〜1050nmで、分解能は10nm(波長間隔は3.3nm)。

電源は単3電池4本で駆動し、データ保存も800データまで可能です。

またオプションでGPSを付ければ測定ポイントの情報もデータに織り込めます。
重量も720gなので屋外での使用にもってこいだと思います。

林内や樹間毎のプロファイルに限らず、ビニールハウスの被服材の遮光特性等々のデータも
得られます。

データはスペクトルだけでなく、PAR、μフォトン、照度も同時に測定できます。

前回取り上げた題材でクロロフィル蛍光測定器の光量子センサーで行う精度管理の危うさを述べました。

この機械であれば、測定器の光源の精度管理とか、LED光の照射強度とその波長も同時に測定できるので解決策になるかもしれません。

暗信号をカウント(校正)するための機械式シャッターが内蔵された点も評価できます。

Ocean Optics社の分光システムなんかは結構普及しているんですけど、これはフォトダイオードアレイの波長毎の感度調整が難しく、別途標準光源を買ったりする必要があります。またそれ買っても校正は難しいんですけどね。

でも、価格が安価なのでOcean Opticsも状況によってはお奨めできる場合もかなりあります。

こういう分光計は現在かなりのメーカー、種類が出回ってますがみんなディテクタは同じで、東芝かソニーのアレイを使っているケースがほとんどです。たまに感度を上げる場合に浜フォトのペルチェ冷却アレイを使う機種があるくらいです。

話を戻してMS-720ですが、一部気になるところが・・・・
検知部が本体上部を向いており高さが165mmあるので、小さめのチャンバーで測定している場合など対応が困難です。

PSI社のFluorcamの箱型ですと、底のプレートを外さないといけませんね“
ここは英弘精機さんの今後の努力に期待したいところです。

あと何点か改良をお願いできるのであれば本体に落下防止用のストラップを着けるとか、測定点を可視で認識する為のレーザーポインターとか、レベル出しの為の水準器を着けるとかしてくれると嬉しいですね“”

日本環境計測輸入部門担当TM
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2008年04月04日

牛方コンパスを汎用カメラ用三脚に固定

「牛方コンパスを汎用カメラ用三脚に固定」するアダプタを作りました。ただそれだけなのですが、面白い規格だったので、僕の忘備録代わりに記載します。

DSC02738.JPG
写真はウルトラローアングルの三脚なので、この組み合わせはどう考えても無いですけど。

DSC02740.JPG
どれがアダプタなのか解りにくい??
解らない人の方が正常です。

いいんです。解らなくて。そもそも日本中でも5人くらいにしか役に立たないお品です。

まずカメラ用のネジの規格は、1/4-20-UNCという規格でして、これは文字通り米国(インチ)規格のネジ。

牛方(Ushikataの方が名が通っている?)の方はと言えば、M18-24/in。

つまり日本のミリ規格とインチが混在しているという不思議な規格。こんなネジは見たこと無かったです。でも、これMade in Japanなんです。

牛方の三脚は、現場での使い勝手が悪いらしく日々進化してる汎用カメラ三脚に固定できたらうれしいな、という流れです。

自作派の方に詳細を記載しますと、P=1.0583、H=0.573です。

で、誰がこんなアダプタを使うの?

と言われれば、うちのお客様には重宝されるんです。

逆に、こういう変なもののオファーは弊社の場合とても多いんですが、

いいんです、これで。プロショップとして宿命を受け入れてます。

日本環境計測国産部門担当HK
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