2013年10月04日

熱電堆式日射計とフォトダイオード日射計

熱電堆式日射計とフォトダイオード日射計

なんと5年。

振り返ると2008年からお日様と格闘している事に最近気が付いてしまったのだけど、熱電堆式の老舗Kipp&Zonenの歴史が150年なわけで、それは大した時間じゃないのかなあとも考えられ、頭の中で仕事の遅さを良いように解釈している次第。

ただし前提として、日本の隅っこに位置する完全に零細な弊社が開発なんていう、つまり自由な時間とお金が出て行く、普通は大手しかありえないような贅沢なことができるのか?その理由は、弊社からなにかしら購入してくださるお客様から頂く利益が原動力であることは確実な事実です。感謝のみしかありませんし、実際に「そろそろ新しい何か、出てんじゃねーの?まだか?」という声は頂くわけです。

お買い上げいただいたときには声だったり文章だったりはしはしますけど、「ありがとうございました。」と言いますが、実のところ、ウチの場合は、その後にもっと重要な言葉が隠されており、

「ありがとうございました。今回の利益は○○○の研究開発費用に当てさせていただきます。」

もっとそのときの気持ちを具体的に表現すると

「ありがとうございました。今回の利益はうちで使う環境試験器の購入費用に当てさせていただきます。どうしても今回の試作品のテストにはこれがないと性能試験に支障が出てしまうんです。お買い上げいただきました品の使い道や研究テーマとはまったく関係がなくて申しわけないのですけども、完成の暁にはきっと喜んでいただけると、仮にそれがお客様自身じゃなくても、知らないどこかの研究者にはそう思っていただけると、そう思う次第です。」

となります。「仮にそれが・・」この辺が心苦しいから、全部は言えないってことは多々あります。

だから、とっても自然な流れで、開発の範囲は決まってきます。お客様が喜べるものになるのか?できれば対象が広いととても良いんじゃないの?という尺度だけです。ただ問題が・・・、

スーパーニッチなのにスーパーリッチじゃあ決してない、そういうマーケットなので、「対象が広い」の実現は無理だと思います。そうすると、少数の「ワカル」人に対してだけの満足度を上げる、という方向になり、これは零細でもやれることは多いですし、そのへんだけが面白い、楽しい仕事なんです。

そういうのの一部として、これまでPARセンサー(光合成有効放射センサー)に没頭してきたわけですが、特にJAXAのGCOMプロジェクトはそれを加速させ、その再開発、再改良に拍車がかかり、評価する側、確度を追求する人々と関わりができて、楽しかったのですけども、2013年3月に受動型温度補正回路の開発が終わってからは、まあ、だらだらとしたトピックスにならない程度の改善程度しかすることが無くなり、そろそろ次は日射を計ってみようじゃないか、という気分になったのもこの頃です。

実はPARの片手間で既に2012年4月から着手はしていたので、仕上げ、味付けという作業を繰り返し、その味付けのさじ加減は思ったより難しかったのは確か。

歴史を振り返ること40年程度、PARも1960〜1970年初頭には、熱電堆式日射計をベースに、400-700nm範囲のみ光を通すワイドなバンドパスフィルターをその上に載せてPARセンサーとするという手法が開発され、それを使った観測や評価はレポートが残っています。熱量ベースPARなんて呼ばれています。ただし、波長の最適化を行う前の段階、基礎と呼べる部分が、今の尺度から見るとめちゃくちゃで、入射角特性、温度特性、応答速度、長期ドリフトなど、複合的に数多くの誤差要因が含まれたデータであった模様で、観測できた、と言えるレベルではなかったようです。

何故そんなみっともない記録が残ってしまったのかというと、その当時の国産日射計のレベルが低かった、つまりカスタムベースのスペックが低ければ、なにをしても結果の向上はあり得ないという、あり地獄にはまっていたんですねえ。一方で国策に近い理由で巨大な予算が動いていたので、海外製品をカスタムベースにするわけにも行かず、と担当者はきっと胃が痛かったはずです。

この時代から見るとサーモパイル日射計はここ50年で大きく改良され、現在は平均的にとってもよろしい性能になっていると言えます。特に近年の日本の事情として、エネルギー問題の対策としてソーラー発電(PV)というマーケットを巨大化させたことを背景に、それと同時に日射計の需要も増加して、という時代が現代日本と言えます。もちろん、日射計が民間でたくさん売れるなんてのは異常な事なので、一部の人から意図的に作られたブームやマーケットは直ぐに終わる運命で、どうでも良いとは思います。PVがって意味じゃなくて、それに乗っかるマーケットがって意味です。

さて、今回は、「Siフォトダイオードをベースにした日射計の開発、基本特性の向上、受光感度の波長依存性の最適化とその効果の検証」というPARよりは、多少メジャーなテーマを設定でき、それはつまり簡単に言うと、「Si日射計=簡易日射計と言い切って良いのか?」という表現でいいかと思います。若干の特許からみの作業内容なので、詳細を書けない事もありますが書けるとこまで。

日射計の定義としてISO9060はよく見る規格表です。
ISO9060.png

他のセンサーと印象が異なり、さすが国際規格だなあと思える項目が多いですが、よく見るとこの規格は「熱電堆式であること」というのが大前提になってますね。つまり熱電堆式しか知らなかった、もしくはそれしか無かったという背景が読みとれます。だからこそ、その弱点を良く知っている人々がこの規格を作り、弱点に対しての規格を作ろうという方向性を感じます。良心的ですね。

黄色に示した項目が日射計特有のものですが、ぱっと見てわかるとおり、Secondary standard 以外の規格なんて、誤差がつもると訳が分からない程度にひどく、こんな性能のものは測定器として売って良いのか?と思える程度に甘すぎます。そのくらい、熱電堆式で精度良く作るのは難しかったと言うことだと解釈できます。

また、この表を作った人は熱電堆式は絶対測器ではなく、相対測器である。という事を良く理解しているなあとも思います。どこの天才でしょう。

絶対測器を作るのはとってもめんどくさく、また、その運用管理は恐ろしく手間を要すのが前提になってしまい、日射に関して言えば銀盤式日射計やオングストローム日射計がそれに該当し、それらは僕も見たことさえない物体なほどレアなものですし、日々の通常業務で使えるわけもない原理です。イロイロと問題はあるけれど、現地運転がそれに比較すれば楽、管理も楽、おまけに安くできる、と、そりゃあ相対測器とは言え、みんなが使えるのはとても良いことなのです。

こういうところが、ざっとしてはいますけど、日射計の背景だと思います。で、ようやくフォトダイオードのお話に入ります。

黄色の項目は、実はフォトダイオードはなんにもしなくてもクリアしている、もしくはよほどヘタこかなければ、越えているという事が言えます。つまり、物性としてそういうものであり、改善するための努力は不要と言い切れます。じゃあ残る、年間ドリフト、波長応答特性に注力すれば良いと言えますね。具体的に言うと、応答速度はマイクロ秒、ゼロオフセットAは皆無、ゼロオフセットBも皆無、非直線性も0.0X%未満、方位角特性については、光学設計次第ですが、弊社の場合は問題なし、温度特性も設計者次第ですが±0.01%以内、傾斜角特性は問題ない、という具合です。

年間ドリフトの項目は、既に世に出回っているフォトダイオード型日射計のごく一般的な悪評として、全然ダメ、耐久性が全くない、そういう声は良く聞きますし、僕もそう思っていました。ところが前記したPARの開発で良く解った事ですが、フォトダイオードそのものは全く劣化しない、劣化するのは拡散板とフィルターであると言い切れます。ただし、プラスチックパッケージの安価なフォトダイオードが用いられている場合には、当てはまりません。CANとガラスウインドウでハーメチックに密閉されたフォトダイオードの場合にのみそう言えます。何故かというと、プラスチックパッケージの透明樹脂が熱と紫外線で変色してしまうからです。近年の自動車のヘッドライトのカバーが変色するのはよく見かけますね。これと同じ。

フィルターの劣化については、PAR独特の構造によるもので、日射計用途のものは通常はフィルターが入らないので劣化しようが無い。つまり、拡散板の劣化のみが問題であったと言えます。これはアクリルの紫外線劣化、もしくは吸水性によるもので、前者は単独で、後者は内部に水が入って悪さをしてしまうという事になります。アクリルを使ったセンサーの場合、それ以外の箇所での防水を行っても無駄とは言いませんが、延命程度の意味しかないです。

残る波長応答特性については、Siフォトダイオードは300〜1100nmがその範囲であり、残念ながらフォトダイオードの物性として、クリアできない項目になります。

この辺で問題定義を終えましたので、次回はその対策についてのお話にします。

日本環境計測国産部門担当HK
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2012年02月24日

<続> 光センサの拡散板と遮光リングの相互的な位置関係、形状及び材質、入射角特性に関するお話

<続> 光センサの拡散板と遮光リングの相互的な位置関係、形状及び材質、入射角特性に関するお話

前回、拡散板の形状を確定するまでのお話で、フルフラット、つまり筐体のエッジとレベルが一緒というのが最悪な特性を持つと言うこと、その補正を目的として、エッジ面からの突き出し量を調整して追い込めるが、その際、拡散板の形状は平板でも球面でも大した違いは無く、どっちでも好きな形状を選べば良い、一方、その補正が可能な範囲は80度迄が限界だと、そして、それが理由でもう一言付け加えると、一般的に各メーカーが80度までの入射角特性データしか公開しない、その理由がココにあると、そういう事までがはっきり解りました段階です。

今回は入射角80度以上の特性の補正です。前回のグラフで縦軸の数字を見ていただければ解るのですが、±50%レンジで振り切ってます。これは論外な数値です。また、80度未満で理想を追うと、80度越えのレンジではプラス方向、つまり過大評価になってしまう傾向が見える。そりゃあそうです。フルフラットで過小評価する分を過大評価に持ち込んだ訳ですから、お釣りがどこかにでてしまう。今回はココをクリアするお話。遮光リングの出番です。遮光リングと呼ぶのか呼ばないのかは、良く知らないのですが、勝手に命名してます。

ここまでで、日射計には遮光リングが付いてない理由を理解いただけたと思います。フルフラットの黒体では反射が極小なので、過小評価にならないからです。もし、熱型で付いてるのがあれば、そんなセンサーは買ってはいけません。逆に遮光リングが付いていない光電タイプの拡散板付きセンサーも、その辺を考えてないか、コストと妥協したかのどちらかと言えます。

早速遮光リング付きと無しの比較データをご覧下さい。
DiffwRing.jpg

Y1軸が前回同様のエラー%、Y2軸がIDEALなコサイン特性にどの程度追従出来ているかを示します。

結果、遮光リングを装着すると、無限大に大きくなる80°以上の範囲での過大評価方向のエラーを抑制する方向に働き、同時に過小評価が最大20%出ていることも意味しています。で、現状の僕にはココまで、アイデア尽きたと言う段階で、結果という次第です。遮光リングに変形ギザギザを刻んで80-90度範囲をもっと突き詰める手法も考えましたが、切削費用が嵩むのが一つの理由、もう一つは遮光リングの別の役割を有効にしたかった、この2つの理由でココまでで止めました。樹冠内部でよく使われるPARセンサーを考えたとき、あちこちからやってくる反射光の影響を抑制するという役割も無視できないと判断しました。

余談ですが、Y2軸を見たときに、エラーが増える80度以上において、IDEALも、実測値もどちらも出力が当然ながら1/10に落ちています。こういうテストを実施するときの装置の光源は、なるべく遠方から時間的に安定した直線光を回転台に乗ったセンサーに照射するのですが、こういう光はあまり明るくできず、角度が増す毎にSNが悪くなるという問題が出ます。前々回でお話ししたSNのお話と同じ。各メーカーが80度までしか公開しないもう一つの理由として、シグナルがあまりに弱くなり、計測限界付近だったという事情もあるかも知れません。その点ではMIJ-14弐型シリーズはとっても楽でした。

同時に思ったのは、光関係の論文で、あらゆる問題をクリアできる魔法の呪文か?と思えるように登場するソーラーシミュレーターって機械の、一級品と呼ばれるレベルのを弊社も持ってはいますけど、この類のテストには全く用を成しません。放電型の光源は、実は、時間的に安定した光を得る事に対して、苦手としています。買う前に誰か正直に言って欲しかった。

放電なわけですからそりゃあそうでしょうと、今なら言えます。波長スペクトルの分布を太陽光に近づけたという意味では素晴らしい機材ですけど、応答速度が速いセンサーでこういう使い方をする場合には、特にアラが目立ちます。熱型であれば、100%応答に60秒程度は要し、アラが見えにくいので、逆になおさら注意でしょう。

このテスト以来、ソーラーシミュレーターって単語が論文に出てきて、かつ、キャリブレーション、テスト、入射角、なんかの単語と一緒に並んでいたら、疑問の目で見てしまう癖が付いてしまいました。いまどきそんないい加減な報告なんかは、上がってきてもリジェクトされると思いますけどね。

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2012年02月22日

光センサの拡散板と遮光リングの相互的な位置関係、形状及び材質、入射角特性に関するお話

光センサの拡散板と遮光リングの相互的な位置関係、形状及び材質、入射角特性に関するお話

備忘録にもなってしまうのはメリットだなあと思いつつ、忘れても困らない案件ばっかりの年度末は、なんの価値もない事が頭を占める季節です。寒いし。

前回に続き、また光センサーのお話の小出しです。拡散板という単語でピンとくる方は、それだけで、あらゆるジャンルにおいて、マニアかもしれません。だいたい男の趣味に使われることが多い単語で、カメラ他の光学機器、照明器具、バックライト付きのディスプレイなど、まあ、だいたい色で表現すると黒物の世界でよく使われる部品。要するに、光を拡散する板です。で、だいたい白い色したものが多いです。

何故白かというと、白は可視光を反射し、吸収しない性質を持ち、それゆえ、可視光範囲での拡散板の定番は白になってしまいます。板の中を光が透過する際に多重反射を沢山起こして欲しくて、そうすると、黒じゃ無いなあというイメージはつかめると思います。なので、白だと理解しましょう。

光のセンサー類で拡散板を使うのは、光電素子を利用した機材に限られ、熱型のサーモパイルなどでは、まず使うことがありません。実は、ココが設計上とてつもなく、相違なんです。

日射計でよく使われるサーモパイルの場合、熱が伝われば応答しますので、光を効率良く熱に変換する事が肝要で、かつ早く応答しなければならないという話になります。そうすると、熱容量を小さくして、吸収しやすいように真っ黒にしたくなる。もっと言うと、黒で発泡体なんてのは完璧だとなるわけです。実際、良く作り込んだ日射計の黒板は発泡とは言いませんが、つるつるではなく、でこぼこになっており、これは同時に反射も押さえる役目も持ってます。

光電素子の方に話を戻して、何故拡散板が必要なのかという理由ですが、素子は通常キャンと呼ばれる窓付きのカンカンに入っており、(その理由は不活性ガスを共存させて、酸化を防いだりしている為です。ここの段階で本来はサーモパイルより長期耐久性に優れています。)そのカンカンの設計は、最初から入射角特性に制約が出てしまうという事情があったりします。

ここで言う入射角特性というのは、一般的な生活の上で光電素子が使われる場面を想像すると、カメラの露出補正のフィードバックや、人感センサー、テレビなどのリモコンなど、基本的に我々マニアが想定するお日様の光が入射するときにセンサーと成す相対角度と言った事とは全く関係がない範囲では、十分に常識的な範囲で納得できる特性を持ちます。が、これではお日様相手だと全く歯が立たない。

ここで、拡散板を光電素子の前に設置するのですが、白色の板で選ぶと、普通に思い浮かぶのが、白色アクリルです。で、アクリルは耐候性が汎用の上では非常に高いと言えるのですが、これまた我々用途には限界があります。一般的に紫外線防止剤が混入されており、その理由は紫外線劣化が起こるからとも言え、光を計測する用途では、どうしても劣化の速度が速いと解釈するしかないレベルなんです。ですが、これがまた、接着性に優れており、金属相手でもなかなか強力に、かつ、容易に接着できてしまう便利な素材なんです。

こういう理由で、古くから、光のセンサーには白色アクリルが定番となっており、今に続く仕様で、本当言うと僕も使いたい、使った方が楽、コストが安いと魅力は感じます。ですが、今回は出来ることは全てやってみる、が方針なので、こんなものは使わず、PTFE(通称テフロン)を採用しました。

このテフロン、正直やっかいです。機械加工の面で言えば、鏡面仕上げが難しい。接着性で言えば、まともな接着は不可能。値段では、とにかく高い。反面、耐候性、安定性、耐薬品性(酸性雨対策)、撥水性、吸水性は、これ以上理想に近い素材はない。これら無敵の特性が無ければ使わないのですが、使うしかないと判断しました。

次に、形状です。筐体の縁を基準に、1.フルフラット、2.円柱凸型、3.球面型の3タイプがあり得る形です。凹型は水やゴミがたまるのであり得ない。全ての形状が既出であり、オリジナリティは出せ無いなあと思いつつ(しかし、後ほどオリジナリティは出せる事が判明)、それぞれの形の意味を考えました。

DiffType123.jpg
1.フルフラット、これは一番素直な形ですが、黒体以外の物体は全て反射率を持つことを知らないか、無視している形状と言えます。白色の拡散板で光を反射しないものがあればこれも良いのですが、そんなのはありません。2.凸型、これは意味があり、1で問題となる部分を補正する事を考えた形状です。3.球面型、これも意味があり、雨滴を留まらせない、乾性沈着を減らす。ここまでで1以外は良いと判断できます。こんなものの実測値なんてどこも公開しないので、実際にデータを取ってみる訳ですが、結果はこういうことになります。

DiffETCwoRing.jpg

1. フルフラット、赤
2. 円柱凸型、緑1mm凸、オレンジ1.8mm凸
3. 球面型、青

ここまでで解ることは、1.フルフラットと3.球面型はほぼ同じ特性。特記事項85°以上でフルフラットが最悪。2.円柱凸型については出っ張りの寸法で80°までの特性は理想的な特性まで調節可能。

まともな設計開発者であれば、ここで考えるわけです。円柱凸型であれば、平板アクリルをレーザーカットすれば仕上げも不要で綺麗な仕上がりを望めるし、そもそも特性もなかなかによろしいではないか。おっと、ここで忘れちゃあいけねえのが3.球面型のデブリを減らせる特性です。これはメリットです。
そういうわけで、試してみました。4.球面型+凸型、グラフでピンク。

DiffType4.jpg

どうよ、これ。よろしいではないですか。とっても。ま、実際は1.3mmを出すまでにそれなりの数の拡散板を製作した背景はあります。(製品版はあと0.05mm刻みで理想を追ってます。)

まだ拡散板ネタはしつこく続きます。が、次回に。

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2012年01月21日

樹冠下での光量子フラックス、PARの測定に関する相対的なノイズ、オーバーオールでの分解能

樹冠下での光量子フラックス、PARの測定に関する相対的なノイズ、オーバーオールでの分解能

知ってる人は知ってるんですが、このところ、国内某プロジェクトの一環にて、PARセンサーのイイのを作るぜって話があり、良し乗った、って事で、えらい時間をかけておりました。世界最後発の弊社は、末席ですから、もちろん手弁当です。出来上がったのは「MIJ-14PAR弍型」です。
http://www.environment.co.jp/study/MIJ-14Ver2.1CatalogManual.pdf

今回は、開発に関するお話の一部です。

シンプルな機械ほど、一つの部品が果たす役割が大きく、素材の吟味、試行錯誤による形状決定など、仕込みに時間がかかります。料理と同じなのかなあと想像しますが、僕は料理はしないので、はっきりは言えません。PARセンサーの開発話は、一気に書くと本ができそう(関係する人物たちの個性も含めると尚更。)なので、まずは電気的な部分の、更に、センサーのS/N向上策、その結果が出す計測の分解能に絞ってお話します。

一般的なPARセンサーの光電関係の内部構成は、SiやGaAsPなどフォトダイオード(以下PD)を検出器とし、その出力となる数十nA単位の電流を数百Ωの抵抗器でIV変換し、2000μE受光時に10mV弱の電圧になるように調整されています。

10mVという数値は、PDの特性から制約を受けた経験値で、上限です。なんも考えなかったら、抵抗器をもっと大きなものに変更することで、大きな電圧を得ようと考えますよね?だって、その方が、ロガーに繋いだ時に実際の分解能が上がるから。

でも、それをやってしまうと出力の直線性が得られず、上の方でサチッてしまいます。そこで、経験的に20mV程度までが限界であるわけです。で、安全を見ると10mVにセッティングしようと、作る側はそう思うわけです。

この理由でユーザーフレンドリーな、もしくはフールプルーフを考えたPDベースの光センサーでは、抵抗を内蔵してしまって、ユーザーにその辺を触らせないようにしていたり、ケーブルエンドに抵抗を装着していても、熱収縮チューブなんかで触れないようにしています。あまりフレンドリーでない場合にはモロに電流出力だったりしますので、この場合は繋ぐ抵抗値は気を付けて下さいね。

その制約を受けたセンサーを、よく使われる10〜13bit分解能のデータロガーに接続して使うとどうでしょう。10bit=1024、13bit=8192分解ですから、±20mVスケールに設定すれば、7.8μE、0.97μEの分解能になります。

さて、日中でもとっても暗い樹冠下で、ピークが20μE程度を想定すれば、10bitは使い物にならない。13bitでやっと使える。14bit(0.488μE)は必要だと、そういうことになってしまうのが、計測する前から判明する問題です。ロガーが搭載するADコンバータの性能ではなく、ロガー全体での実効値です。

一方、PDの暗信号を考えると、先の抵抗によるIV変換後の値で、±0.005mV程度が代表的であり、これは±1μEに相当する為、普通のPARセンサーを使う限り、ココが限界となります。実際は±5μEのノイズが乗るセンサーもあります。

結局、抵抗器を用いたIV変換を行う限り、樹冠下でのS/Nが良いPARセンサーを作ることは困難です。なぜかというと、例えばですね、フルスケールで論じると、ノイズが占める割合は±0.005/10=±0.05%という数値になるのですが、樹冠下ではフルスケールがその20/2000つまり、1/100になり、しかし、ノイズは同じ、結局5%ものノイズとという事になります。かつ、先のdigitの問題を考えれば、これまた5%刻みに相当するわけで、樹冠下で20段階評価のデータにしかならない。これでイイというユーザーが居るかと言えば、たまに居ますが、大概そうは判断しません。全天下での計測ならば、何を使ってもこの点は問題はないんです。しかし、そもそも全天下でPARの計測なんて意味がどれほどあるのか?という疑問や意見は、とても同意でき、そんなのは日射計を置いておけばいいんです。PARセンサーを使う前提では、勝負所は樹冠下でしょう。少なくとも解析して考えて、論文書く前提ならば。

今回、PARセンサーに専用設計のオートゼロアンプを搭載する事で、センサーそのもののノイズレベルは±0.01mV = ±0.01μE(製品保証値±0.05μE。ここは供給する電源がクリーンか否かが効きます。電池が最強です。)、出力は2000mV at 2000μEを達成しました。このS/Nであれば、センサーのノイズがデータロガーのそれを上回りますので、ノイズと分解能はロガー依存になります。
つまり、素直に配線した場合、±5Vレンジ、10bitで9.76μE、14bitで0.61μEの分解能まで。しかし、ちょっとした工夫で樹冠下用セッティングと言いますか、そういう事が可能になります。

複数入力を持つロガーに対して、センサーの出力を2分岐し、1方を±5Vレンジへ、1方を±20mVレンジに設定した入力へ接続しますと、前者は先に記載した分解能で、後者は10bitで0.039μE、14bitで0.002μEの分解能を得られ、14bitはオーバースペックとなります。総じて10bitでも十分となります。この場合±20mVレンジ側のデータは、20μEを越えたときにレンジオーバーで計測不能になりますが、そのときのデータは±5Vレンジのログを読めばいいわけです。ロガーのオートレンジが賢く動いてくれれば良いだけのことですが、現実的にはあまり賢いのが無いので、こういう方法もありというお話でした。
詳細は、上でリンクしたpdfの7ページに記載してます。

なんだか、わかりにくいなあと感じられる場合、高級オーディオの考え方と同じでして、音のひずみを少なくしようとすると、単独プリアンプが付いているのが良いなあと言う考え方と同じだと解釈して下さい。今どきはそのほうが解りにくかったりするかなあ。

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2012年01月11日

土壌水分センサーとシロアリ、もしくは土壌水分センサーと水道のネジの規格

久々に役に立つ情報です。特に、このタイトルにピンときてしまう人生を歩んでいる方には。日本に何人居るんだろうって話はともかく。

土壌水分センサーは普通は埋設して使います。つまり、センサーとケーブルは直接土壌に接触しているわけですが、この時、いろいろな生物がそこには居るわけで、計測する人間側にとって問題となるのは、動物がケーブルをかじったり、熱帯ではシロアリがケーブルのみならず、センサー筐体も食べてしまったり、そういう出来事が良く生じます。例えば、デカゴンのEC-5などの土壌水分センサーシリーズで使われているゴム部分やケーブルのシースは好んで食べるようです。

ANTEATEC5.jpg

この状態までに半年未満が目安です。何故ってのは解りませんが、好きな味なのかなあ、よっぽど腹減ってたのかなあ、などと想像します。不思議なことに黒ゴムと黒ケーブルのみが食されて、内部の青、白、赤などのシースは食べないんです。

一番重要な計測結果については、「欠測」つまり、データが取れなかったねえ。でも、これ、しょーがないねえ。というお話に至ります。当然修理できる設計ではないので、写真のようになったセンサーはゴミです。

土壌水分センサーを良く販売する身なので、こういう事に直面する事が多々あるのですが、センサー自体は食べられないのを紹介できるけど、ケーブルが問題って話になります。ここではその対策の一方法を紹介します。

SM300VSANT.jpg

全てはこの写真が語っていますが、Delta-T社のML2x、SM300、SM150のケーブル側にはネジが切られています。このネジ、本当の使い方は、オプションのパイプを接続して、かがみ込まなくても地面に突き刺せるというのが目的です。逆に、その程度なので、滅多に使うことがなく、こんなところに無駄にコストかけやがって、という気分にさせてしまうわけですが、ここから先を読んだ貴方には、別の意味が出てきます。

このネジ、英国規格で3/4 inch BNPという、ココ日本では、わけのわからない規格ですが、なんと水道用蛇口のネジ規格G1/2(立水栓のあれ)とぴったりです。個人的にイギリスやアメリカで買ってきた、格好いいけど安価な、でも漏れる頻度が高く、交換部品も入手しにくい水栓金具達は、何故かことごとく、すんなりと、日本の給水ネジにフィットするなあとは思ってましたが、結局日本の水道は元々英米規格のまねなんだなあと、そして、それが故の偶然で、土壌水分センサーのネジ規格イコール日本の水道のネジ規格という事実に行き着いたわけです。良い塩梅なパイプサイズはVP20です。

写真のエルボ、パイプ、ネジ付きジョイントなどの塩ビ部品類は、その辺のホームセンターで買えてしまいますから、塩ビ用接着剤、コーキング剤、ノコギリ、シールテープを準備すれば、現場で特殊な工具も要らず、かつ安易にセットできます。

現場で加工できるというメリットは、とても重要で、なぜなら、センサー設置の為に穴を掘るわけですが、思いも寄らない堀難さだったりすることがあり、計画通り行かないこともしばしばなんです。なので、急遽予定変更して、設置深さを変更する時など、現場でパイプの長さ調節が出来るのは、とても意味があることなのです。

妙にアクセスが多い情報らしいので、少々記事を追加です。
塩ビパイプ関係の部品は、非常に安価です。写真に載っている部品を全部買っても、接着剤込みで、千円ちょっとです。接着剤は用途を考えると、一生使えるのではないかと思います。一度ホームセンターに行って下さい。どこが安いとか、そういう事を全く考えなくても、その場でお小遣いの範囲で購入可能なはずです。

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2011年11月17日

カスタマーセンター

えらい長い間、ブログをお休みしてました。
死亡説が流れる前に、ショーモナイお話を一席。

いつものようにリンリンリンと電話が鳴る。
「まいど、環境計測。」

「日本環境計測さんのカスタマーセンターはこちらですか?」

んっ???

一瞬間違い電話かと思いつつ、しかし、今、確かに、明らかに、ウチの社名を仰ったよなあ。似た社名の会社がどっかに存在して、それと間違ってるのか?

ととまどいながらも、第一声をやっちまいました。

「はい、こちらカスタマーセンターのKと申します。お問い合わせ下さりありがとうございます・・・・・・。」

こーいうのを一回やってみたかっただけです。

誤解無きように表明します。弊社は零細です。しかも、ドが付く、ド零細です。

なので、これまでも、これからも、ずっとカスタマーセンターは置けません予定です。

でも、やっぱり・・・

次回は「再○館製薬です。」言ってみたくなってきた。


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2009年12月17日

GN-P部品は自分でハンダ付けタイプ

GN-P部品は自分でハンダ付けタイプ

PCBって聞いたことありますか?
Printed Circuit Boardの略称で、つまりプリント基板です。

よく見るのが部品が既に実装された、アノ姿ですね。ってわからんか。
家電品を分解したらお姿を見せてくれる、例のあの緑色した板のことです。

当然ながら電子部品が乗っかってないと、正しく動くもんじゃあないわけなので、PCBのみって状態は、正しい生活を営んでいる庶民という立場からは、ソノ姿を見ることはまずないのです。
今回、無謀にも、あえて、とあるジジョーから、PCBのみっていう状態のブツを発売します。タイトル通り、「自分でハンダ付けタイプ」なんです。
granie01.jpg


しかも、「自分で割りましょうタイプ」でもあります。
granie02.jpg

何故こんな手抜きな事するのかってえとですね。、グラニエセンサーのこれまでと現状及びこれから先どうなっていくのであろうか??というものを謙虚に見つめ直した結果、「グラニエセンサーの清く正しい生き延び方はこうである」という、ある結論に至ったわけなのです。

それは、可能な限り商品化しないという結論です。

だいたいの場合、僕の立場からすれば、性能が良くなった、便利になった、耐久性が上がった、かっこよくなった、安くなった、エトセトラのあれやこれやで、つまり、ポジティブな方向に「仕様」を追い込んでいき、その代わり、これだけのお金頂戴ね。っていう商品を作ったり、組み合わせたりするのが基本のシノギなわけなんですが、注射針と電線と、瞬間接着剤や、アルミパイプと言った材料から製作できてしまうこのセンサーは、小学生の夏休みの工作の課題としても確立できるレベルのシロモノであるわけです。しかし、その一方で、費用対効果は想像を絶しており、このコストで、これだけの研究発表が出来てしまう、というそのメリットたるや、イカに!! と言える物でもあります。

当然、技術に堪能な方々がプロとして製作出来ないわけでは決して無く、海外、国内にそういう手作りが得意な会社が、何社か商品として世に出しているのも現実です。これはこれで正しいのです。

一方で、面倒とは言え、自作できるという特徴は、捨てがたい特徴なわけで、他にこんなにお金のかからないセンサーなんて無いに等しいわけですから、その特徴を活かす道を残すのも、これまた正しいのです。

グラニエ計測システムを確立するには、2つの大きな「面倒なコト」に遭遇します。センサーの製作、電源ボードの製作です。前者は今後もがんばって作ってください。と、言い切ります。
1個作ると、数百円が数万の価値に化けると思えばやる気も湧くってもんです。後者は今回このPCBでクリアになりました。フレキシブル基板を買うのとあまり差が無い価格で、手間は推定1/20になります。

膨大な研究費がないと研究が出来ないって道もあるにはあるし、そういう方向に年々進んできているのも確かなんですが、予算が少なくても、立派な研究、観測が可能という、そういう道も正しいのです。

こういう訳で、僕の勝手な判断ですが、半端な状態でのリリースの方が、多くの方にとって、素敵な未来を迎えられるのではないかと信じるのです。

作り方は?って方は、こちらを参照ください。
http://homepage1.nifty.com/kumabox/granier2.htm

日本環境計測国産部門担当HK
http://www.environment.co.jp/



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2009年10月14日

無水ソーダライム (Dry Soda Lime)

無水ソーダライム (Dry Soda Lime)

まず、このタイトルの意味がわかる人はマニアを自覚してよいと思います。

赤外分析計では、当然ながらターゲットとするガスによる赤外線の吸収を検出して、計測を行っているわけです。

その内部にはディテクタ(PbSeが多いですね。)、バンドパスフィルターとか、チョッパーモーターとか、なんやかんやの部品が入っていて、それぞれその役割を果たし続けているわけですが、こういう部品を収納する部分にもCO2やH2Oが存在していると、それはつまり、パス以外の場所で赤外を吸収してしまうということになるので、とても都合が悪いのです。

この主要パーツ格納庫というイメージの部分にはそういったガスを吸収してしまう薬品を常套手段として使います。CO2には無水ソーダライムを、H2Oには過塩素酸マグネシウムというのが一般的です。

数年前、私を含む一部マニアな方々にショックな出来事が起きまして、なんと無水ソーダライムがこの世からなくなってしまったのです。(理由は今もって不明。だけど事実。)

入手が容易なソーダライムと何が違うのかと言えば、無水ソーダライムは含水率4%未満、ソーダライムは20%程度です。
後者と過塩素酸マグネシウムを同じボリュームに存在させますと、その水分でマグネシウムが溶け、分析計内部はてんやわんやになってしまうのです。(だから早めに交換すると言う手もあるにはある)

無水ソーダライムの代わりにアスカライトというCO2吸収剤もあるにはあるんですけど、これが高価すぎる上に、これ自体が溶けてしまうというやっかいな代物。やはり無水ソーダライムが安全なわけです。

ふとしたことから、特注で作ってしまうことに成功しました。薬の特注って人生初めてだったんですけど、そういうのを作れる会社は作れるんですねえ。いとも簡単に。

で、弊社に3キロもの無水ソーダライムが入荷予定です。

僕が使用するのは300g/year程度なので、9割があまりってことになります。

自分で分析計のメンテなんかはできてしまう、マニアの方には販売できます。(逆にそういう自信がない方は買わないほうが無難です。こんなのは)

日本環境計測国産部門担当HK
http://www.environment.co.jp/
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2009年10月08日

野外でのクロロフィル蛍光測定法!

野外でのクロロフィル蛍光測定法!

最近、小型クロロフィル蛍光測定器の測定に関するお問い合わせをよく頂きます。
今回は頂いた質問とお客様から伺った対策についてお話させて頂きます。

一番多いのは暗処理の時間と方法です。
サンプルや生育環境により変わってくるので一概には言うのは難しいですよね。
教科書とか文献には15分とか書いてあります!と、よく学生さんから聞きます。
それは定説なのでしょうか?

確かに10分程度暗処理したら充分だとは思うんですけど。
毎回お話させて頂くのは、それであれば試してみてはどうですか!と。
10分、15分、20分と処理した物も較べてみて、一番効果があった処理が、そのサンプルの最適な暗処理なんではと思います。
ご自身で導き出した結果が、真実なのでないでしょうか。

また暗処理の方法についてもご質問頂きます。
Optiscience社の商品やHansatech社の商品にはリーフクリップというアクセサリーが標準装備されております。これは洗濯バサミみたいな形状のクリップのヘッド部分に測定器を密着させて計測します。ただし安いものではありません。

OPTIleafclip.jpg
OPTIのリーフクリップ

EMJleafclip.jpg
EMJのリーフクリップ(とある分光器用に製作した一品削り出のお品。ファイバーを接続する仕様)


アルミ箔で葉全体を覆う方法をお試し頂いたお客様もいたのですが、何故か葉にダメージを与えてしまうそうなんです。
プランター等であれば、人工気象室とかに置いておけれるんですけどね!

次に多いのが、いつ(何時に)測定したらいいのかという質問です。
これも難しい質問です。
先ほどと同じで環境次第で変動すると思われるので、何とお答えしたら良いのか“”
ここでは、お客様から伺ったお話を紹介させて頂きます。
日中、夜間で測定をされたそうです。(暗処理を行った状況下での測定です。)
日中は暗処理をしていてもFv/Fmが低い数値しか検出されないそうです。
色々な原因があるのでしょうが、結果としてそうだとおっしゃられておりました。
これに対して21時頃に計測した数値は期待していた数値に近かったそうです。
樹液流もこの時間になると止まるそうなので、その辺りも関係してるのでしょうか。

強光阻害を研究される方であれば、日中計測する必要があるでしょうし、最大値を計測されたいのであれば、日中は避けた方が良さそうです。
日中だとFo自体にも変化が出てしまうそうです。

正直なところ、何が正解という答えはありません。
色々な条件で処理をして、試されるのも研究の過程だと思いますので、その辺の条件検討も含めて楽しんで実験して頂ければ幸いです。

これについては、ご意見や情報、お待ちいたします。有効と思われる情報は掲載させていただきます。

日本環境計測輸入部門担当TM
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2009年07月27日

切削型土壌コアサンプラー

切削型土壌コアサンプラー

熱帯の土壌をサンプリングするんだけども、根がびっしり張って、石も結構ごろごろあって、土壌そのものも固いかなあ?結構ね。つまり、そういう土壌をサンプリングする苦労って、そこん所の事情、解るかね?チミ?
やっては見たんだよ、現地で板金溶接なんかでサンプラーのような形のモノを作ったりしてね。でもねえ。ハンマーでいくら叩いてもラチあかんのよ。入って行かんのよ。そもそも。で、結局現地の人を雇って縦穴掘って、そんで、横からサンプリングするのがベストという回答は最悪あるんだけどねえ。

という、お話です。まあ一般的な流れで行きますと、市販のサンプラーなんかを、「先生、これどうよ?よござんしょ?そこそこ高いけどねえ。仕方がないねえ。えっ、強制付属してくるこの樹脂ハンマーって2万越えるの?でも仕方がないもんねえ。」という、「これしか見つからんので、これ買うしかないね。後は知らんもんね。」仕事一丁上がりっ、という対応になるところなんでしょうけど・・・・余計なことをついつい言ってしまった次第です。「作ってしまいましょう。」

注釈:こうやって、土日が無くなっていく人生を過ごしています。

これが、今回のツクリモノの大きな流れ(演出大アリ)ですが、実のところ今回はボア直径が広範囲(φ50〜100mm)というおまけの条件が付いてますから、その辺で買ってきて終わりという対応はそもそも不可です。

最初に、土壌を切る部分、つまりドリルをどうするかで悩みました。結論は超綱チップが埋め込まれた、コンクリートを切削できるヤツがベストなわけだけど、そんなの単品で作ったらエライ金額になってしまうわけで、普通はSUSの切削品でゴマカシテシマウ部分ですね。今回は、大阪のハウスBMという会社http://www.housebm.com/
が良いの作ってるのを運良く確認。マルチリョーバコアドリルで内径φ63を、ドラゴンリョーバコアドリルで内径φ100を準備できることになりました。こういうのが簡単に買えるってのが、日本のエライ所です。上記品名でリョーバというのは両刃でして、片方の刃が減ったら、反対側の刃を使えるという構造です。そこはね、フーン良いじゃない。という程度なんですが、その構造が故に、このシリーズの最大の特徴が存在します。なんと、ドリル部分だけが筒状に取れます。これは素晴らしい。惚れた。

また、普通の用途では欠かせないけど、土壌サンプラーでは邪魔なセンタードリルも「クズ取りポン」機構のおかげで簡単に外れてしまう。もはや、ほとんど、このドリルは、土壌コアサンプラー専用としか考えられないわけです。

次にハンドルですが、これはあまり悩む事無く、MTB(マウンテンバイク)用のストレートハンドルに決定。近所で買えますし、アルミなので切断も簡単。ママチャリ用の鉄やSUS製を選定しないのは重量からです。

他は買えないので、設計して作って組み立てて出来たのがコレ。
SCS01.jpg

1. ハンドルは若干下向きに「へ」になってますが、これが実は料理で言う隠し味です。この角度があるので、鉛直方向下向きに力を入れつつ回すという作業時に、中心を保持しやすいという機能を持たせています。

2. マルチリョーバコアドリル。
コイツが一番仕事をしています。

3. 100mm延長ロッド
もっと深いところまで行きたい貴方へ。100mm 毎ですが、無限に延長できます。下がオス、上がメスネジになってるわけです。

4. コア抜きプレート
ドリルの刃が筒として外れた後、中の土壌コアを押し出すプレート。

5. ヘックスレンチ。
ハンドルを取り外したい場合の、ネジ回し。

組み立てるとこうなります。
SCS02.jpg

延長ロッドはこう接続します。
SCS03.jpg


リョーバの構造。道具無しでこうなります。
SCS04.jpg

コア抜きプレートはこの様に接続。
SCS05.jpg


ハンドルをバラすと持ち運びに便利。(かもしれない)
SCS06.jpg

結果、こういう具合に土壌コアが採取できました。
SCS07.jpg

穴側も、まあきれい。
SCS08.jpg


コアのボアサイズは、以下の通りに自由に選定できます。
マルチリョーバコアドリル実効内径(±2で表記。土壌ですし。)
φ53、58、63、68、72

ドラゴンリョーバコアドリル実効内径(±2で表記)
φ22、25、28、30、33、38、43、48、53、58、63、68、73、78、83、88、93、98、103、108、113

よく見る土壌コアサンプラーとの相違点は、上記した特徴の他に一つ重要な点があります。本サンプラーは切削型、つまり切り削ります。通常は切るだけです。

この違いを簡単に説明すると、鋸(ノコギリ)とカッターの違いです。前者はおがくずが出ますが後者では出ません。もう少し解説すると、分厚い物体の場合、鋸では問題ないですが、カッターでは刃が食い込むので刃先の摩擦から限界が存在します。

土壌を一気に100mmも掘るわけですから、その違いは明白で、使ってみた時に、力加減が大きく違うわけです。

あとは、熱帯でどういう結果が出るかはまた次回にでも。

日本環境計測国産部門担当HK
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